Loading AI tools
ウィキペディアから
小排気量からパワーを搾り出していた2L型(2,446 cc)の各ターボエンジンは、特に車両総重量の大きなRVや商用車において、熱変形によるシリンダーヘッドの割れ、ガスケットの吹き抜け、バルブシートの脱落、ピストンの焼きつき、潤滑不良などのトラブルが多発していた。そのため、過給エンジンは2L型までで、より排気量の大きい3L型(2,799 cc)、5L型(2,985 cc)では自然吸気エンジンのみとなっている。
また、バブル景気を背景に巻き起こったRVブームにより、小型ディーゼル車が急激に増加。幹線道路周辺などで粒子状物質が増加し、大気汚染の一因になっていると批判されるようになり、それに伴い、排出ガス規制は年々厳しさを増していった。設計の古いディーゼルエンジンでは、大量のEGRと過剰な燃料噴射でNOxの発生を抑える策を採るものが多く、その結果、排出される多量の黒煙はディーゼル車にネガティブイメージを与える事にもなった。[1]
これらの問題から、最早L系の改良では高性能商品としての成立が難しい状況であった。そこで、市場でのトラブルフリーとモアパワー、そして環境性能改善に対する要求の高まりへの回答として、新系列のKZ型が開発された。
欧州市場で特に問題となっていたL型系での連続高負荷運転時の熱歪み対策として、1KZ型ではシリンダーは鋳鉄製としつつアルミ製シリンダーヘッドが採用された[2]が、腰下や動弁系の成り立ちはL型系の延長線上にあり、5L型との類似点も多い[要出典]。 燃焼効率向上の為に電子制御を採用し、ガソリン車同様「EFI」の商標が使用されることとなった。
日本の自動車用量産ディーゼルエンジンとしては、初めてEGRを搭載する事となった[要出典]。前述のアルミシリンダーヘッド化、燃料ポンプの変更と、CT12B型ターボによるターボ過給により、燃費向上などの性能向上を実現している。 同時期のエンジンに倣い、商標名を「LASRE」としている。
長期規制適用に際し、TCCS[3]の採用、電磁スピル弁直接駆動式のインジェクションポンプ、シリンダーヘッドおよび燃焼室形状の最適化[4]、インタークーラーの追加採用、酸化触媒や電子制御式吸気絞り機構、水冷式EGRクーラ及びE-EGR[5]の採用と変更がなされている。これにより、グランビアにおいてマイナーチェンジ前後で7kw(10ps)/54Nm(5.5kgf)の出力向上を実現している[6]。
KZ型系では3.0 L以外の排気量は設定されていない。コースター用を除く日本国内向けの乗用登録用ディーゼルエンジンとしては、後継の1KD型同様、トヨタのラインナップ中最大排気量となる。
1993年5月登場
過流室式ディーゼルエンジン
水冷直列4気筒SOHC
燃料供給方式:電子制御式分配型噴射ポンプ
弁形式:ベルト駆動直打式OHC
ターボ / インタークーラー付きターボ
トヨタ・1KZ-TE | |
---|---|
生産拠点 | 日本 |
製造期間 | 1993年5月-2002年 |
タイプ | 直列4気筒SOHC |
排気量 | 2,982cc |
内径x行程 | 96mm×103mm |
圧縮比 | 21.2 |
最高出力 |
96kW(130PS)/3600rpm[7] 103kW(140PS)/3600rpm(インタークーラー付き)[8] 96kW(130PS)/3600rpm(インタークーラー付き) |
最大トルク |
289.3N・m (29.5kg・m)/2000rpm[9] 343.0Nm (35.0kg・m)/2000rpm(インタークーラー付き)[10] 333.4Nm (34.0kg・m)/2000rpm(インタークーラー付き) 331.4Nm (33.8kg・m)/2000rpm(インタークーラー付き) |
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.