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ダーウィン賞

皮肉賞 ウィキペディアから

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ダーウィン賞(ダーウィンしょう、: Darwin Awards)は、自らの愚かな行為によって「死亡する」もしくは「生殖能力を喪失する」ことで劣った遺伝子を抹消し、「人類の進化に貢献した」人物に対する皮肉として贈られる賞。進化論者であるチャールズ・ダーウィンにちなんで名づけられた。

概要 URL, 言語 ...

優れた業績を挙げた生物学者に授与されるダーウィン・メダルとは全く関係が無い。

歴史

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ダーウィン賞のウェブサイトの管理者及び関連書籍の著者であるウェンディー・ノースカット

ダーウィン賞は、都市伝説が広く知られるようになった1985年に、電子メールやニュースグループの議題として作られた。Usenet のふたつの話題、1985年8月7日「Vending Machine tipover[1]、および1990年12月7日の「JATO Rocket Car[2]は、早い時期から紹介されていた。「JATO Rocket Car」の話題は1995年から1997年の間、電子メールにより紹介されていた。また1991年から毎年、1999年ダーウィン賞(1999年の場合)などといった題名のメールリストが、匿名で作成されている。ダーウィン賞を記録したウェブサイトもいくつか存在する。よく知られているのは、ダーウィン賞に関する本の著者であるウェンディー・ノースカットが管理しているサイトである。

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受賞資格

要約
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男性と女性のダーウィン賞受賞者。H0線は、男性と女性が同じように馬鹿げているという帰無仮説の下で期待される割合を示す[3]

ノースカットは、ダーウィン賞の受賞には5つの条件があるとしている。

子孫を残さないこと 事故が原因で死亡したかまたは生殖能力を失った者であること。ただし、その前に子孫を残していた場合は受賞の対象にはならない。
この賞の意義は「愚かな遺伝子を後世に伝えないことで人類の進化に貢献した者」を称えることにある。したがって、事故発生時にすでに子孫を残していたり、事故発生時に高齢等によってすでに生殖能力が失われていた場合は受賞の対象とはならない。「生殖能力を失った」ことを確認するためには、ダーウィンの著書に記述されている「無人島テスト」が適用される。これは「生殖可能な異性とともに無人島に漂着したとして子孫を残せるか」により生殖能力を判断するものであり、残せない状態になっていれば「合格」となる。テストの性質上、試験管内での受精や人工授精、クローン技術による生殖の作成の余地は残されていることになる。実際の受賞者は、事故で死亡したか事故で性器が使用不能になったかのいずれかである場合がほとんどである。なお、これらの規定はしばしば議論の対象となっている。
優れていること 驚くべき愚行
候補者の愚かさはユニークかつセンセーショナルでなければならない。寝タバコなどのよくある愚行については、ダーウィン賞の対象にはならない。ただし、病院で喫煙を禁止されたにもかかわらず、喫煙を続けたことにより亡くなった人[4]は、受賞の対象となる。素晴らしい功績、例えば、ニトログリセリン錠剤を飲み込み、壁に突っ込み爆発することによって死亡した場合は、この条件に当てはまる。しかし、ダーウィン賞を得ようとして「驚くべき愚行」を行った場合は受賞の対象にはならない。
自ら自然淘汰を行うこと 自らが死の原因
手榴弾により友人を殺害すること自体は受賞の対象にならない。しかし、手榴弾から煙突クリーナーを作ろうとして自ら死を招いてしまった場合(2005年のケース)は受賞の対象となる。責任を持つ団体が直接関わることを除き、他人を殺害すること、または他人の性機能を奪ってしまうことは受賞の対象とはならない。また、自分自身が死の原因になる必要があるとはいっても自殺志願者は受賞の対象外であり、受賞者自身が「その行為により、自分が死ぬ可能性がある事を全く考えていない」事が前提となる。例えば自殺するためにわざと自分の乗っている車に放火してもダーウィン賞を受賞することはできないが、自動車泥棒が盗んだ車を処分しようと車内から放火したものの、ドアハンドルが壊れていて脱出できなかった、というケースなら受賞の対象となる。
正常であること 明確な判断が可能
対象者は精神疾患を持たず、犯罪者である場合は時効を過ぎていなければならない。
真実であること 事実であることを証明されなければならない
受賞の対象になった話は、信頼できる情報元(確実な目撃者がいるなど)に記録されていなければならない。真実でないことが判明した場合は、受賞資格は与えられない。しかし、面白い話であったとされた場合は、都市伝説の欄に記録される。
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受賞した事件・事故

要約
視点

※受賞(Winner)事例と次点(Runner-Up)の一部の事例のみ記載。これらは監視カメラや目撃者の証言などからすべてが事実と認定されている。(2015年度のみ、ダーウィン賞受賞後に虚偽のニュースであることが判明し受賞取消となった事例が存在する。下表該当項目参照のこと。)

さらに見る 年度, 種別 ...
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批判

ダーウィン賞の受賞要項は「愚かな行為により死亡する、もしくは生殖能力を無くすことによって自らの劣った遺伝子を抹消し、人類の進化に貢献した人に贈られる賞」として規定されているが、賞の根拠である「愚かな行為」の原因となり得る遺伝子は確認されておらず、従って遺伝的継承の実在も未証明であることから、メディア等でダーウィン賞が取り上げられる際に進化論に関する誤用の一例として紹介されることがある[77]

また、ダーウィン賞がブラックジョークの一種であることを踏まえた上で、優生学社会ダーウィニズムと賞の内容の近似性を指摘する意見もある[77][78]

2020年に受賞した日本人男性の事例では、ダーウィン賞公式サイトでの事件の紹介が実態と乖離したミスリードとなっていたことが指摘されており、賞の信頼性を疑問視する意見もある[64]。また、死者に対する価値観や優生思想の助長という懸念から、賞そのものに対する批判がある[79]

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脚注

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関連項目

外部リンク

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