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ツツジ科の植物 ウィキペディアから
シャクナゲ (石楠花、石南花) は、ツツジ科ツツジ属(Rhododendron)無鱗片シャクナゲ亜属、無鱗片シャクナゲ節の総称である。
主に低木だが、高木になるものもある。
また、日本ではその多くのものがツツジと称される有鱗片シャクナゲ亜属のものを欧米では Rhododendron と呼んでいる。ただし、有鱗片シャクナゲのなかでも、ビレア(マレーシアシャクナゲ)の仲間は、カワカミシャクナゲのように、日本でもシャクナゲと呼んでいる。
Rhododendron (ツツジ属)としては主として北半球の亜寒帯から熱帯山地までのきわめて広い範囲に分布し、南限は赤道を越えて南半球のニューギニア・オーストラリアに達する。特にヒマラヤ周辺には非常に多くの種が分布する。シャクナゲのなかまは種類が極めて多く、分布は日本からアジア大陸の南部山岳地帯、ヒマラヤに広がる[1]。
いずれも派手で大きな花に特徴がある。花の色はさまざまで[1]、白あるいは赤系統が多いが、黄色の場合もある。常緑の灌木が多いが、なかには高木になる種類も含まれており、ネパール国花とされているラリ・グラス(赤い花の意、学名: R.arborea)の樹高は20メートル (m) にもなる[1]。極めて優れた美しい花を持つ灌木あるいは高木であることから、欧米の植物学者の関心を集めた[1]。
シャクナゲは葉にロードトキシンことグラヤノトキシンなどの痙攣毒を含む有毒植物である。摂取すると吐き気や下痢、呼吸困難を引き起こすことがある。葉に利尿・強壮の効果があるとして茶の代わりに飲む習慣を持つ人が多く存在するが、これはシャクナゲに「石南花」という字が当てられているため、これを漢方薬の「石南(オオカナメモチ)」と同一のもの(この2つに関連性はない)と勘違いしたためであり、シャクナゲにこのような薬効は存在しない。
シャクナゲは常緑広葉樹にもかかわらず寒冷地にまで分布している。寒冷地に分布する種類のなかには、葉の裏側を中にした筒状にして越冬するハクサンシャクナゲなどがある。日本にも数多くの種類のシャクナゲが自生しているが、その多くは変種であり、種のレベルでは4種または6種に集約される。
世界各国で庭園の植栽に用いられ、多くの品種が作り出されている[1]。日本にも、園芸用品種として数多くの外国産のシャクナゲが導入されており、各地で植栽されている。18世紀以降に主にイギリス人のプラントハンターによってヨーロッパに紹介されて以来、優れた庭園樹として現代にいたるまで世界中で広く愛好されている[1]。
シャクナゲは有毒のため、ヤギやヒツジ、ウシなども食べない[2]。ネパールでは、材がかたく、薪にしても燃えづらく、ヤギもかじらないため家畜小屋の柵に利用したりする[2]。
野生状態でも変種が数多く、また園芸植物としても数多くの品種がある。そのため、種類数は定義によって大きく異なるが、おそらく数百種類はあると思われる[独自研究?]。日本産のものは変種を含めて11種ほどある[1]。
以下、属名 Rhododendron は R. と略記する。
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