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ある事物や人物などを指す、一般に特定の関係者内でのみ通用する名前 ウィキペディアから
コードネーム(英語: code name)は、ある事物や人物などを指す、一般にごく短い別名であるが、関係者だけなどといった特に限定された範囲でのみ、そのことを知っているような運用を目的としたものを特に指すこともある。すなわち、暗号の分類のひとつである「コード (暗号) 」の意図があり、それを明示して暗号名(あんごうめい)、秘匿名(ひとくめい)などとも言う。
(特にIT業界において)製品などに関して、主としてメーカーにおける開発中のコードネーム(これは、競争他社等に対する秘匿の意図[1]がある、本来の「コードネーム」)を流用して、一般消費者の一部(主としてマニア層)が、製品シリーズ等の総称等として使うことがある。これは、ブランド名や商品名はもとより、型番等ですら、メーカーはマーケティング戦略として、技術的な系譜や特徴をわざと無視してネーミングすることがあるため、開発コードネームを元にすれば、技術的に正確な分類となるから、という利点があるためである。これは、ブランド名や一般的な型番では複数のモデルの総称のことがある自動車などで(たとえば「RX-7」)、本来は車台番号や車両識別番号などといった消費者向けではない情報のための「型式」由来の通称(RX-7の場合は「SA」「FC」「FD」等。別の有名な例は「AE86」等)が多用される、といった言語現象に近い。
同一ブランド間のマイナーチェンジを区別するためにユーザー側でも積極的に使用される一例でもある。
Core i ブランド(Core i7, i5, i3)への移行後、特に第二世代以降は世代ごとにコードネームが用いられている。
Tegra 3以降は、アメリカン・コミックスのキャラクターから取られている。
開発コード名は、v10.2のJaguarまでネコ科の動物の名前で統一されていたが、v10.4からはワインに関係するものになった。v10.7ではバージョンナンバーが排除されて「Mac OS X "名称"」となり、v10.8からは正式名称からも「Mac」が削除され「OS X "名称"」と呼称され、さらにv10.12から正式名称が「OS X」から「macOS」になった。なお、バージョン番号は名称から排除されるようになったものの、バージョン確認等の技術的な事情もあり内部的には存続している。
スキー場の名前から採られている。
9.0までは菓子から取られていた(10.0 Qで廃止)。また、頭文字がアルファベット順になっている。
アップルのパソコンは、iMacやMacBookなど、同じ名前だが世代の異なるMacintoshを区別するため、コードネームで呼ばれることがしばしばある。
年ごとに一定の法則で開発コードネームがつけられており、その法則は開発拠点により異なる。
新幹線の列車の名前から取られている。
日本の温泉地の名前から取られている。
星座の名前から取られている。
花の名前から取られている。
楽器の名前から取られている。
樹木の名前から取られている。
任天堂では製品型番のアルファベット部分が開発コードネームに由来している。
自動車メーカー各社は、正式な車名・型式が決定するまでの間、便宜的に社内呼称を用いるという。
日本ではマツダ・RX-7が有名であるが、同社は4代目ファミリアの広告でも、開発コードの「X508」(1975年の8番目の意)を何の説明も無く使っている。海外ではポルシェ・911が第何世代目であるかを示すために開発時のコードネームが通称として通用している。メルセデス・ベンツ各車(セダン型は Wagen の頭文字であるWで始まることが多い)やBMW各車(E、F、Gで始まることが多い)、ヒュンダイ・ソナタ(NF、YF・・・etc.)なども基本的にこの流れに沿って呼称されることが多いという。
コードネームがそのまま市販車名になった例には、いすゞ・117クーペ、トヨタ・SAI、トヨタ・86(FT-86→86)、ヒュンダイ・JM(本国名:ツーソン)、ヒュンダイ・TB(本国名:クリック、海外名:ゲッツ。「ゲッツ」が日本ではトヨタ・ヴィッツに似てしまうため)等がある。
作戦等の著名なコードネームには次のようなものがある。
作戦中の部隊やユニットには、秘匿および交信の円滑化のためにコードネームが付けられる。世界初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワのコードネーム「チャイカ(カモメ)」などが有名である。
戦闘機のパイロットは無線交信時に本名の秘匿や同姓同名や類似した名前と区別するため、機体に与えられた航空機局の呼出符号とは別にTACネーム(アメリカ海軍ではコールサイン)と呼ばれる渾名で呼び合う[4][5]。
呼出符号とは異なり命名規則は無いが、本人の来歴や特徴を踏まえたもの(眼鏡をかけているので『NOBITA(ノビタ)』、熊本県出身のため熊本城にある武者返しから『MUSHA(ムシャ)』[5])、本名を縮めたりひねった単語(マイク・マンゴールド(Mike Mangold)なので『Mongo(モンゴ)』、杉山蕃は名前の音読みから『BAN(バン)』)などが多い。他にも齊藤治和は『GOA(ゴア)』、岩崎茂は『Garfield(ガーフィールド)』など変則的な命名もある。
アメリカ海軍の戦闘機パイロットを描いたトップガン (映画)では、演出として登場人物の性格を反映したコールサインが設定されている。
敵国や仮想敵国に対しては、兵器の制式名称などを秘匿することがある。また公開されていても、馴染みのない外国語での名称は情報交換において支障となることもある。こうした理由で、兵器には敵によるコードネームが付けられることがある。
情報が不足しているため、兵器種の同定には誤りがあることも少なくない。
太平洋戦争でのアメリカ軍による日本軍航空機に対するコードネーム、冷戦でのNATOによるソ連軍の兵器全般に対するコードネームが有名である。
『機動戦士ガンダム』では、ホワイトベース(連邦軍の艦名)を初めて見たジオン軍のシャア・アズナブルが思わず呼んだ「木馬」が、同軍でのコードネームになった。
戦時や準戦時には、作戦、地名、部隊、要人などあらゆるものにコードネームが付けられる。それらは短期間つかわれたのち破棄され、別のものに交換される。
近代になって使いやすい換字式暗号が発展してからも、コードネームは暗号と併用されることが多い。
第二次世界大戦の連合軍のコードネームは、イギリスGC&CS(のちのGCHQ)の作ったランダムな単語リストを元に、戦争省(陸軍省)のISSB (The Inter-Services Security Board) が決定した。なお、日本軍航空機へのコードネームはこれとは別システムである。
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