Loading AI tools
ウィキペディアから
『ギガンティック ドライブ』(GIGANTIC DRIVE)は、エニックス(現スクウェア・エニックス)が2002年8月29日に発売したPlayStation 2専用ゲームソフト。開発はサンドロット。突如、世界各地に現れ、破壊の限りを尽くす謎の巨大人型兵器“ヴォルガーラ”と人類の戦いを描く。
本作は巨大ロボット同士の戦いを描いた3Dアクションゲームである。本作の最大の特徴は、主人公(プレイヤー)がロボットの内部に乗り込むコックピット方式ではなく、コントローラによる遠隔操作を採用していることである。そのため、ロボットを第三者的に見る主人公の視点がそのままゲーム画面になる(厳密にはカメラは主人公の後ろを追うように動くため、基本は客観視点となる。任意で主観視点に切り替え可能)。独特の操縦法法を採用しており、右腕、左腕、右脚、左脚など細かく分かれた部位を、コントローラーの対応したキーを操作することでまさしくロボットの「一挙手一投足」まで操ることが可能である。これはサンドロットのスタッフがヒューマン時代に製作・発売したPlayStation用ソフト『リモートコントロールダンディ』のシステムをそのまま受け継いでおり、舞台やゲーム構成に似た部分も多々見受けられる。
主人公がロボットに近づきすぎると戦闘に巻き込まれる危険性が生じ、反対に遠すぎると戦闘が見えなくなってしまう。このため、プレイヤーは主人公とロボット(機人)の操作を状況に応じて切り換える必要がある(その間も戦闘はリアルタイムで継続される)。また、『リモートコントロールダンディ』は常に主観視点でフィールド上に人間は表示されなかったが、今作は上述の通り主人公の背後をカメラが追う客観視点であり、ポリゴンで描かれたキャラクターがマップ上に登場するようになった。今作では主人公は特殊な装置による飛行が可能であり、戦闘中にロボットの上に乗ることができる(※搭乗ではない)うえ、自機はもちろん敵機の上に乗ることもできるようになった。
戦いの舞台となる街並みはリアルスケールで丁寧に描かれており、ほぼすべての建築物が破壊可能である。『リモートコントロールダンディ』では被害を弁償しなければならず、損害が増え過ぎると最終的に破産してゲームオーバーにすらなったが、今作ではそう言った要素は廃され、いくら街の被害が拡大しても咎められることは殆どないという極めて高い自由度となった。『リモートコントロールダンディ』同様、特定の建物を破壊することで発生するイベントもあるが、今作では一部のミッションを除き、故意に建物を破壊しても大きな問題はない(ただし、特別報酬などのボーナスがもらえなくなることがある)。しかし、主な戦闘地域は主人公の地元であり、戦闘によって主人公の友人の自宅や勤務先に被害が生じる恐れがある。そうなると彼(彼女)らの生活に影響が出てしまうため、それを守るならばできるだけ被害を抑える戦い方が求められる。逆に敢えて困窮させるという選択肢もあり、ペナルティもほぼ無いため、彼らの生活を守るかはプレイヤーの判断に委ねられる。
戦闘に巻き込まれたり、パトカーに撥ねられたり、敵や機人に踏みつけられれば当然ダメージを受けるが、高所からの落下や建物の倒壊に巻き込まれるなどと言った攻撃以外の要因によるダメージは無く、『リモートコントロールダンディ』と違って水に入ってもノーダメージで泳げる。以上の事から、『リモートコントロールダンディ』と比べて自由度が重視された作りとなっており、これらの要素の多くはゲームエンジンを流用した地球防衛軍シリーズに受け継がれていく。
なお、次のミッションでは街がすべて再建されているほか、システム上おかしな状況が発生することがよくあり(逃げ回る群集を機人で踏みつける、イベント中にキャラクターがパトカーに轢かれる、戦闘中でもないのに主人公がグレネードで街を破壊可能である、など)、シリアスな世界観とのギャップが激しい。
ゲームは各話に設定されたクリア条件を達成していくミッションクリア方式。ストーリーモード中はクリア済みのミッションの再挑戦は出来ないが、チャレンジモードではストーリーモードでクリアしたミッションを個別で何度でもプレイできる(主人公も選択可能)。
ごく一部を除き、ミッションでは出現する敵の撃破を目指す事になる。敵はミッション開始時から登場しているか、ストーリーを進める事で出現するかミッションによって異なり、敵のいない状況では目的地に向かって移動したり、キャラクターと会話をすることでストーリーを進める。敵が出現すると機人を出動させる事になるが、ミッションによっては発進可能まで時間が掛かり、それまで周囲の地形を把握したり敵の攻撃を凌ぐと言った行動が必要な場合もある。出撃可能な機人はゲームを進めると増えていき、一部ミッションを除いて発進時にどの機体を出撃させるか選択する。
戦闘では主人公と機人の操作を切り替えながら戦う。機人操縦中は主人公は身動きが出来ないため、操縦に適した位置に移動しなければならない。逆に主人公の移動中は機人は敵前であっても無防備になってしまう。敵を撃破すればミッションクリアだが、一部のミッションでは複数の敵が出現することもある。敵を倒すと報奨金がもらえ、それを元に主人公の装備の強化や機人の改造が行える。ミッション終了時に特定の建物が破壊されずに残っていると報奨金が上乗せされる。ミッションクリア後は河崎友絵によるニュース番組形式で戦闘の被害が報告された後、リザルト画面に移る。プレイ状況によっては更にイベントが発生することも。主人公か機人のどちらかの体力が無くなるとミッション失敗となり、ミッション冒頭から再挑戦となる。ミッション間にはインターミッション画面に移り、主人公や機人の強化、データの保存を行う。
ミッション中は敵以外にもキャラクターが登場する事があり、他の一般市民同様、頭上に乗ったり、機人で掴んで投げる事が可能。敵の攻撃から守る必要などは無く、ダメージを受け過ぎると倒れて動かなくなってしまうが、イベントが進めば何事も無く復活するので問題は無い。時には主人公に追随する場合もあるが、ジャンプは出来ないので徒歩で越えられないような段差には引っ掛かってしまう(置き去りにしても基本的にデメリットは無い)。一部ミッションでは特定キャラが倒れたり護衛対象の建物が破壊されるとミッション失敗になる場合もある。
文明保全財団理事長代理。千丈第一高校2年生。17歳。本編に登場するのは、3人のうち主人公(理事長)に選んだ1人のみである。また、それぞれ細かなキャラ設定はされてはいるものの、ストーリー中に個性が強く現れているわけではない。選んだ主人公によるシナリオの分岐なども無く(専用のイベントが少しある程度)、台詞も口調が違う程度でほとんど変わらない。また、フルネームが設定されているにもかかわらず、作中では「月岡」か「理事長」と呼ばれるのみで下の名前は表示すらされていない[注釈 1]。いずれも月岡家没落の原因となった機人に対して当初は良い感情を抱いていなかったが、戦いを通じて絆を育んでいく。しかし、時には奈々穂の働く店を繁盛させるために大型スーパーを機人で破壊することすら考える[注釈 2]と言った常軌を逸した一面を見せる。
三千年委員会(後に文明保全財団へ改組)が長い年月と莫大な資金をかけて造りだした巨大人型ロボット。機人は「機械人類」の略であり、ウィルツ博士らは「ロボットではなく、新たな進化した人類の形」としており、発達途上ながら自我や知能も持っている。ネクタル放射線によって宇宙進出の適わない生身の人類に代わり、惑星資源の開拓を目的に開発された。当初は平和利用が目的で武装に関する研究は凍結されていたというが、ヴォルガーラの侵略に備え急遽、武装を取り付けた。現在では、唯一ヴォルガーラと戦える存在として世界中から注目を集めている。コックピット型ではなく、コントローラーで遠隔操作する。なお、機人を操るコントローラーは、PlayStation 2のものに酷似しているため、ゲーム中の操作説明と実際の操作とで違和感を覚えないようになっている。
ヴォルガーラ人が造りだした巨大人型兵器の総称。地球には存在しない金属、レプトン・カーボナイト合金で造られている。ファントム・システムを装備し、ミサイルなどの射撃攻撃を空間転移で回避するため、各国の軍隊は苦戦を強いられている。ストーリー中盤に判明するが、実は「ヴォルガーラ人の巨大人型兵器」と呼んでいたものがヴォルガーラ人そのものであった。ヴォルガーラ人がネクタル放射線の影響を受けず地球まで来られたのも、彼らが機械生命体であったからにほかならない。最終的にアスモダイが破壊されたことで地球から姿を消すが、ヴォルガーラ人自体は他にも宇宙に広く散らばっており、今回襲撃してきたのはその一部に過ぎないことがエンディングで語られる。
アメリカでは2002年11月5日に『Robot Alchemic Drive』のタイトルで発売された。
言語が英語化されている他、主人公やNPCがダメージを受けた際の出血表現が追加されている。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.