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歌劇場(かげきじょう)は、オペラ及びバレエの上演を目的とする劇場。オペラハウスとも呼ぶ[1]。
歌劇場のホール内には、舞台に加えて、客席と舞台の間に低くした部分(オーケストラピット、略称:ピット)を設けてここにオーケストラと指揮者を置く。ピットの深さは歌劇場によっていくらか違いがある。舞台は円滑な場面転換のために3面・4面舞台を有する。歌劇場ではない通常の劇場やコンサートホールのなかにも、舞台または客席の一部の床を低くしてオーケストラピットを設けてオペラに使用することが可能なように作られているものもある。
歌劇場は、ピット内でのオーケストラの多人数での楽器演奏と舞台上での独唱および合唱による歌唱の演出に適合するように、音響特性の大変複雑な考慮が必要とされる[1]建築物である。歴史の浅い新しい歌劇場よりも伝統ある世界的に著名な歌劇場のほうがかえって19世紀建設の古い建物の構造等のために音響が十分でない事例がしばしばある。
日本語でいう「歌劇場」は、単にオペラ・バレエが上演可能な「建物」のことだけを指すのではなく、独力で継続的にオペラ・バレエをオーケストラ付きで上演し、それらを運営することの出来る組織を持っているものをあわせて指すのが通常である。世界の多くの歌劇場には、音楽監督ないし常任の指揮者、専属のオーケストラや合唱団が設置されている。たとえばベルリン国立歌劇場のオーケストラは、シュターツカペレ・ベルリンと呼ばれる。ウィーン国立歌劇場の専属オーケストラであるウィーン国立歌劇場管弦楽団は、このオーケストラの団員がコンサート活動を行う組織がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団である。しかし広義の意味で単に「オペラ団体」(歌劇団、英:opera company)を指す場合もある。「歌劇場」とあった場合、「建物」「オペラ団体」のいずれを指しているのか注意が必要である。
なお、ヨーロッパでは大都市だけでなく人口十数万程度の小都市でもオペラ団体を備えた歌劇場が存在する、と一般に言われることがあるが、これはオペラハウスが充実しているドイツ(および同じくドイツ語圏のオーストリア、スイス)にはほぼあてはまり、イタリアがこれに準じる。ただドイツとイタリアでも人口の少ない地方では建物だけで常設演奏団体は備えていないケースもある。
ドイツ・イタリア以外の国では歌劇場は代表的な大都市に限られるところが多く、アムステルダムのように国内最大都市でありながら常設オペラ団体を持たないところもある。
3面・4面舞台を持つ施設として定義した場合。
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