日本のメディアミックス作品(ウルトラシリーズ) ウィキペディアから
『アンドロメロス』は、雑誌グラビア連載、漫画、特撮テレビ番組などからなるメディアミックス作品、および、その主役のヒーローの名前。
アンドロ警備隊のアンドロメロス、アンドロウルフ、アンドロマルス、アンドロフロルの4人の戦士と、グア軍団の戦いを描いた作品[1]。ウルトラシリーズの外伝的作品である[1]。
『ウルトラマン80』の放映が終了した1981年に、小学館の児童雑誌「てれびくん」5月号で「ウルトラマンメロス」と紹介され、6月号から『ウルトラ兄弟物語アンドロメロス』として居村眞二の漫画『ウルトラ超伝説』とグラビアによる展開で連載された[2][3]。漫画は2年目は『ウルトラ超伝説アンドロ超戦士』に改題されている。
ウルトラ兄弟の長兄ゾフィーがグア軍団との闘いに敗れてブラックホールをさまよっていた際、アンドロ族の戦士・セザルに救出され、彼のコスモテクターを借りてブラックホールを脱出した後は正体を隠してアンドロメロスと名乗り、グア軍団との闘いに復帰した。やがて、宿敵ジュダとの一応の決着がついた時点でゾフィーがコスモテクターをウルフの手に委ねて本来の任務に戻った後、コスモテクターを返却されたセザルの実子ブノワが2代目アンドロメロスとしてアンドロ警備隊の隊長に就任し、引き続き宇宙の平和のために戦った。その際、ブノワはゾフィーから光の勲章・ウルトラクロスを授かっている。
なお、鎧を着たウルトラ戦士という設定は、内山まもるの漫画『ザ・ウルトラマン』に登場した漫画オリジナルのウルトラ戦士・メロスが原形となっている[出典 1]。
アンドロ艇のプロップは、『ウルトラマンレオ』のマッキー3号の改造[5]。
グラビア版ではマルス以外のアンドロ超戦士のスーツはヘルメットのバイザーは透明パーツではなく、バイザーとその奥の卵形の黄色い眼はペイントや製版上による印刷によって表現されている[3][6]。
グラビア版での怪獣は、初期は円谷プロダクションに残っていたスーツを中心としていたが、改造ゴラや改造ブラックキングなどの改造を施したものを経て、漫画の展開に合わせてメカバルタンやナックル星人、キングジョーなどスーツが新規に作られるようになった[2]。
このうち、居村の漫画『ウルトラ超伝説』は大都社より刊行された単行本全2巻にまとめられ、かたおかの漫画は双葉社より刊行された『ウルトラ兄弟物語』の単行本第5巻に『アンドロメロス物語』と『宇宙戦士アンドロマルスの戦い』が収録され、内山の漫画は小学館より販売された『ウルトラコレクションボックス ザ・内山まもる』に冊子として収録された。
アンドロ警備隊のリーダー的存在[10][11]。コスモテクターの色は緑[出典 4]。目の形は楕円形。宇宙警備隊隊長から贈られた勇者の印であるウルトラクロスがその胸に輝く[11]。
大昔、アンドロ族の科学者が開発し、地球の北極に隠した伝説の最終兵器。宇宙最強のコスモテクターであり、装着者の超能力や戦闘力を数十倍にもパワーアップさせる[11]。
特撮版では第40話でメロスが入手して装備し、最終話でグアを倒した際にグアと共に燃え尽きた。
グラビア版では背中にアンドロ艇を模したパーツが存在し、マルスが使用して装着したまま超巨大化してグランテクターマルスとなったが、こちらも最終話でグアを倒した際、グアとグランテクターの超エネルギーが相打ちとなって爆発して失われた[24]。
コミカライズ「超伝説」では背中のパーツが存在せず、代わりに背中にアンドロ艇が合体してブースターとなった。
コスモテクターの色は赤[出典 9]。目の形は六角形。当初はウルトラセブンが正体と思われていたが、グラビアではアンドロ人という設定で、ウルフがいるところにセブンが登場して周囲を驚かせるというエピソードがある。特撮版での初登場時は、惑星モールスで敵の奇襲を受けて治療室送りという損な展開だった。
グラビア版では、初登場時は「アンドロメロスII」と名乗っていたが[29][3]、後にアンドロウルフと名乗るようになった[19]。
コスモテクターの色はオレンジ[出典 13]。他のコスモテクターよりも顔面部分のスモークが濃いためか、目の形は見えていなかった。
アンドロ戦士の紅一点。コスモテクターの色は白[9][45]。目の形は楕円形。背中に羽根のある天使のような姿が特徴である[44]。
全宇宙の支配を企む悪の侵略異星人による混成軍団にして宇宙の悪魔。グア帝国侵略軍団とも呼ばれる。グア星を本拠地とし、帝王グアを頂点に、侵略軍団長の3兄弟が下記の戦力・構成員を使役してアンドロ超戦士たち[注釈 2]と死闘を繰り広げる。
グア軍団の侵略活動を行う一般構成員。人型の戦闘用人工生物で言葉を話すなど、明確な意思を持っているため、怪獣というより怪人に近い[5]。軍団長それぞれがタイプの異なる直属のファイティング・ベムを従えている。
過去に現れた怪獣をベースにして作られた戦艦。
1983年2月28日から同年4月29日まで、毎週月曜日 - 金曜日 17:45 - 17:55にTBSで放送された[64]。森永製菓の一社提供。全45話。
雑誌展開の好評を受け、1983年に日本初のオールVTR方式での収録・製作となる特撮テレビ番組として制作された[64][3]。雑誌連載時の『ウルトラ兄弟物語アンドロメロス』および『ウルトラ超伝説アンドロ超戦士』をベースにしているが、登場人物以外の要素はすべて別物であり、結末も異なっている。ウルトラシリーズの外伝として、シリーズと直接つながる設定は描かれなかった[出典 28]。メロスなどのスーツは、雑誌版のものを改修して使用している[65]。
VTR方式は画面の合成など特殊効果が容易な点や撮影段階での映像確認ができる点で有利だった反面、従来から主流だったフィルム方式と比べてフレームレートや画質の違いから動作・描写・合成のズレなどが明瞭に出過ぎる欠点があり[注釈 8]、機材や技術的な部分の都合で1980年代 - 1990年代はVTR方式の特撮テレビ番組はあまり製作されずフィルム方式での撮影で行われ、技術的な部分が確立する1990年代後半以降にVTR方式での撮影・制作が普及するようになった[注釈 9]。
各話にサブタイトルはない[64]。本編は、初期話数に限って戦闘シーン中に明るいスタジオ内へ場面転換し、アンドロ警備隊たちのプロフィールを紹介するコーナーが挿入され、それが終わると戦闘シーンに戻るという構成になっている[注釈 10]。
劇伴は、テレビアニメ『ザ☆ウルトラマン』の海外再編集版『The Adventures of Ultraman』でのマーク・マッキニスによる楽曲を流用している[66]。1992年発売の15枚組CD-BOX『TSUBURAYA PRODUCTION HISTORY OF MUSIC』(日本コロムビア)において数曲のみの初商品化がなされた後、2020年に5枚組CD-BOX『ウルトラマン80 アンドロメロス MUSIC COLLECTION』(同)Disc-5にて、初めてまとまった形での商品化がなされた。
放送開始は『てれびくん』での連載が終了間近となった時期であり、放送期間も1か月半と短かったため、月刊誌がほとんどである幼児向け雑誌では特集が組まれなかった[2]。
地上波では従来のウルトラシリーズと同じくTBSでの放送だったものの関東ローカルだったため、多くの未放送地域では「幻の番組」でもあった[2]。
衛星放送では、2011年11月から2012年1月までチャンネルNECOの「円谷特撮アワー」枠にて放送された[注釈 11]。
両曲とも元々は雑誌連載のイメージソングとして制作された[66]。
各話にタイトルは付いていない。期間中、月曜から金曜まで休止なしで放送された。
話数 | 放映日 | 登場怪獣 |
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1 | 2月28日 | マグマ星人三人衆 |
2 | 3月1日 |
|
3 | 3月2日 | |
4 | 3月3日 | |
5 | 3月4日 | |
6 | 3月7日 | |
7 | 3月8日 | |
8 | 3月9日 | ダクミラン |
9 | 3月10日 | バゼリア |
10 | 3月11日 | |
11 | 3月14日 | |
12 | 3月15日 | |
13 | 3月16日 | |
14 | 3月17日 | |
15 | 3月18日 | シズルン |
16 | 3月21日 | |
17 | 3月22日 | |
18 | 3月23日 | |
19 | 3月24日 | |
20 | 3月25日 | 無 |
21 | 3月28日 | 無 |
22 | 3月29日 |
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23 | 3月30日 | |
24 | 3月31日 | |
25 | 4月1日 | |
26 | 4月4日 | |
27 | 4月5日 | |
28 | 4月6日 | |
29 | 4月7日 | |
30 | 4月8日 |
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31 | 4月11日 | |
32 | 4月12日 | |
33 | 4月13日 | |
34 | 4月14日 | |
35 | 4月15日 | |
36 | 4月18日 | |
37 | 4月19日 | |
38 | 4月20日 | |
39 | 4月21日 | |
40 | 4月22日 |
|
41 | 4月25日 | |
42 | 4月26日 | |
43 | 4月27日 | |
44 | 4月28日 | グア |
45 | 4月29日 |
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