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『アイドル防衛隊ハミングバード』 (アイドルぼうえいたいハミングバード) は、富士見ファンタジア文庫(富士見書房)より全2巻で発売された吉岡平のライトノベル、およびそれを原作として1993年から全4巻で発売されたOVAである。
OVA版の販促企画として、主役声優5人は実際に同名のアイドルグループとなり、コンサートイベントやファンクラブイベントを開催し、レギュラーラジオ番組を持っていた。これらの企画は、後に日本のアニメーション関連プロジェクトで多数が製作される「声優がアニメキャラクターの声を担当するだけではなく、実際に歌手としてライブコンサートを行う」というプロモーション形態の先駆けであり、そうした企画展開を当初から行った作品である。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
西暦199X年、日本政府は突如自衛隊の民営化を発表する[1]。しかし、防衛などというリスクだけが大きくリターンの少ない分野に名乗りを上げる企業はいなかった。そんな中、元々「育成(開発)とプロモーションに多額の費用が掛かるが、成功する(制式採用される)保証は必ずしもない」という点で兵器の開発と運用との共通点のある芸能界だけは違っていた。
予想外の分野から参入した各芸能プロダクションは戦闘機パイロットをアイドルにし(その逆に、アイドルとして売り出したい者をパイロットとして養成してデビューさせる、ということも行われた)、「アイドルパイロット」という言葉までも作ってしまい、新たな芸能ジャンルが産まれた。こうして、かつての「アイドル黄金時代」が復活した。
かくしてアイドルパイロットが芸能界の1ジャンルとして定着した時代となり[2]、伝説の名パイロットであった父と、同じくパイロットであった母の経営する弱小プロダクションに所属する5人の姉妹で構成されるマイナーアイドルグループ、「ハミングバード」は、アイドルパイロットの頂点である“パイロット大賞”を目指し、今日も大手プロダクションの下請け的営業に勤しんでいた。
大手プロダクションの妨害を受けながら、偶然の積み重ねと自身の努力からパイロット大賞にノミネートされるまでに登り詰めたハミングバードであったが、その過程で知り合って友好関係を深めたライバル事務所のアイドルパイロットコンビ“フィーバーガールズ”が、南太平洋における国連平和維持活動中に行方不明となり、彼女達を救うために無許可で出撃した結果、パイロット大賞を獲ることはできなかった。
それでも、東京ドームで単独コンサートを開催するほどの人気を得たハミングバードは、伝説のアイドルパイロットとしてアイドルの歴史に名を残したのである。
社長である取石葉月の下、彼女の実の娘である5人の姉妹で構成される女性アイドルパイロット。なお、グループ名や名字、そして専用搭乗機の由来は全て『サンダーバード』から。
かっくん、さっくん、あっくん、ハッくんの4人で構成される男性アイドルパイロット。それぞれの本名は不明。爽やかな人格と容姿で人気も非常に高く、F-16ファイティングファルコンを駆るが、操縦の腕前は素人同然。名前の由来はSMAPから。
『'94夏』から登場。対ハミングバード用の秘密兵器として用意された2人組の女性アイドルパイロット。歌唱力や顔立ち以上に男性へのセックスアピールに富んだナイスバディ(特に巨乳)が売りだが、戦闘機の操縦もかなりの腕前で、階級は2等空尉。愛機はF/A-18 レガシーホーネット。皐月とはビーチバレー戦を通じ、親友になる。グループ名の由来は、1990年代に活躍したセクシーアイドルグループ「ギリギリガールズ」から。
なお、小説版及びOVA『'94夏』までとOVA『'95風の唄』『'95夢の場所へ』では、どの機体も全体のデザインは同じだが、細部が大幅に異なっており[7]、より実際の航空機に近くリファインされてディティールが細かく描き込まれている。また、1号機=青、3号機=赤、といったパーソナルカラーは“取石”の名の元ネタである『サンダーバード』の各メカの色にちなんでいる。
この他、
といった、実在の軍用機や原子力空母、またゲパルト自走対空砲やM113装甲兵員輸送車/LAV-25シリーズ、M1エイブラムスといった陸戦兵器も多数登場する。
第1作は単独タイトルで年号等がつかないため、「無印」と通称されることが多い(※当項目でもこの呼称を使用する)。なお、当初は『'94夏』と『'95風の唄』の間に、『'94冬』を発売する予定だった(詳細については後述)。
※2019年現在は絶版
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