やまゆり号(やまゆりごう)は、茨城県守谷市が運営し、関東鉄道水海道営業所)に委託して1996年平成8年)9月5日から2009年(平成21年)7月31日まで運行していたコミュニティバスのことである。廃止翌日からは大幅に再編された新コミュニティバス「モコバス」へと引き継がれた。

概要

守谷駅守谷市役所守谷中央図書館と守谷市内各所を結んでいたコミュニティバスである。 守谷町(現:守谷市)では、公共施設への交通手段が充分でないことから、1992年(平成4年)より町内各所と公共施設の連絡を中心とした町内バス路線の整備と可能性を調査・検討していた[1]。その後も町民を対象としたアンケートを行い、1995年(平成7年)のアンケートにおいて「必要」及び「どちらかというと必要」という意見が69.4%、運行形態については「循環バス」が62%、目的地は「公共公益施設」という意見が大多数という結果を受け[2]、車椅子対応の中型バスによる循環バスの運行が具体化し、1996年(平成8年)9月5日10時30分より運行を開始した[3] 運行開始当初は、曜日によって運行ルートが決められており、北回り(水・土曜日)、南回り(火・金曜日)、東回り(月・水曜日)のいずれかを走る1日4便のみの無料バスとなっていたが、2001年(平成13年)10月1日より、北ルート、南ルート、東ルート、守谷町役場(現:守谷市役所) - 白寿荘、守谷町役場 - 守谷駅の5ルートを走る県内初のワンコインバスとして大幅に再編された[4]。その後も廃止までにルートの再編が行われている。

一般の路線バスが守谷駅と市内の各エリアの新興住宅街を結んでいるのとは違い、やまゆり号は全ルート(廃止時4ルート)が市役所、図書館を経由し、尚且つ路線バスの通らない地域をカバーしていた。病院高齢者養護施設行政施設などをなるべく通るようにルート設定をしていた事も特徴の一つである。

また、やまゆり号の愛称は、公募により寄せられた128通のうち13通寄せられたもので[2]、市の花山百合に因んだ名称である。

運賃

  • 料金は大人100円、小人50円。未就学児、障害者及び介助者(1名)は無料。
    • バス共通カードPASMOは使用不可。
    • 200円で一日何度でも利用できる一日利用券がある。
    • 1回に限り無料で乗り継ぎができる乗り継ぎ券がある。乗り継ぎ券は「やまゆり号バスターミナル」「守谷市役所」「図書館前」でのみ発行され、この3停留所でのみ使用可能。

沿革

  • 1992年(平成4年) 町による町内バス路線整備の検討を開始
  • 1996年(平成8年)
    • 8月 町民への公募により、コミュニティバスの名称を「やまゆり号」に決定。
    • 9月5日 守谷町コミュニティバス「やまゆり号」運行開始
  • 2002年(平成14年)2月2日 守谷町が市制施行。守谷市のコミュニティバスとなる。

廃止時路線

みずき野ルート

守谷駅西口にある「やまゆり号バスターミナル」を起点とし、守谷市役所、守谷中央図書館、守谷記念病院などを通り、パークシティ守谷で路線バスの通るバス通りに入り、守谷駅東口に至る。関東鉄道常総線の東側をカバーするように運行する。

北守谷ルート

守谷駅西口にある「やまゆり号バスターミナル」を起点とし、守谷市役所、守谷中央図書館、常総ニュータウン北守谷へ向かう。新守谷駅、北守谷公民館で折り返し、守谷駅西口に至る。守谷市の北部をカバーするように運行する。

  • 運行ルートと主な停留所
    • やまゆり号バスターミナル→守谷市役所→守谷中央図書館→慶友病院前→御所ケ丘小学校前→新守谷駅→文化会館前→御所ケ丘→第一病院前→北守谷公民館前→(折り返し)→守谷駅西口

南守谷ルート

守谷駅西口にある「やまゆり号バスターミナル」を起点とし、守谷市役所、守谷中央図書館、ヒルズ美園常総ニュータウン南守谷方面へ向かう。守谷市の南部をカバーするように運行する。

白寿荘・板戸井ルート

守谷駅西口にある「やまゆり号バスターミナル」を起点とし、守谷市役所、守谷中央図書館、国際交流センター、スポーツセンター、白寿荘方面へ向かう。守谷市の北西部をカバーするように運行する。

  • 運行ルートと主な停留所
    • やまゆり号バスターミナル→守谷市役所→守谷中央図書館→国際交流センター前→四季の里公園入口→常総運動公園入口→守谷高校前→いこいの広場前→スポーツセンター前→白寿荘→峰林荘入口→大野小学校前→給食センター前→守谷駅西口

脚注

関連項目

外部リンク

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