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2011年のトーマス・アルフレッドソン監督によるイギリス・フランス・ドイツ合作映画 ウィキペディアから
『裏切りのサーカス』(うらぎりのサーカス、原題: Tinker Tailor Soldier Spy)は、2011年のイギリス・フランス・ドイツ合作のスパイ映画。ジョン・ル・カレの1974年の小説『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を、ブリジット・オコナーとピーター・ストローハンが脚本化し、トーマス・アルフレッドソンが監督した作品である。主人公のジョージ・スマイリーをゲイリー・オールドマンが演じ、コリン・ファース、トム・ハーディ、ジョン・ハート、トビー・ジョーンズ、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、キアラン・ハインズらが共演する。
裏切りのサーカス | |
---|---|
Tinker Tailor Soldier Spy | |
監督 | トーマス・アルフレッドソン |
脚本 |
ブリジット・オコナー ピーター・ストローハン |
原作 |
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 ジョン・ル・カレ |
製作 |
ティム・ビーヴァン エリック・フェルナー ロビン・スロヴォ |
製作総指揮 |
ピーター・モーガン ライザ・チェイシン ロン・ハルパーン デブラ・ヘイワード ジョン・ル・カレ ダグラス・アーバンスキー |
出演者 |
ゲイリー・オールドマン コリン・ファース トム・ハーディ ジョン・ハート トビー・ジョーンズ マーク・ストロング ベネディクト・カンバーバッチ キアラン・ハインズ |
音楽 | アルベルト・イグレシアス |
撮影 | ホイテ・ヴァン・ホイテマ |
編集 | ディノ・ヨンサーテル |
製作会社 |
スタジオカナル ワーキング・タイトル・フィルムズ |
配給 |
スタジオカナルUK スタジオカナル ギャガ |
公開 |
2011年9月5日(VIFF) 2011年9月16日 2012年2月8日 2012年4月21日 |
上映時間 | 128分 |
製作国 |
イギリス フランス ドイツ |
言語 |
英語 ロシア語 ハンガリー語 フランス語 |
製作費 | $21,000,000[1] |
興行収入 | $80,630,608[2] |
イギリスのワーキング・タイトル・フィルムズが製作し、フランスのスタジオカナルが出資した。プレミア上映は第68回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で行われた。本作は批評家には好評を持って迎えられ、またイギリスでは週末興行収入で3週連続1位となった。日本ではR15+指定。
時は東西冷戦下。イギリス秘密情報部、通称「サーカス(ロンドンのケンブリッジ・サーカスに本部があることに由来)」MI6とソ連情報部、通称「モスクワ・センター」KGBは、水面下で様々な情報戦を繰り広げていた。
長年の作戦失敗や情報漏洩から、サーカスの長官であるコントロールは、内部にモスクワ・センターの二重スパイ(もぐら)がいることを確信。密かにマザー・グースの「鋳掛け屋さん、仕立て屋さん、兵隊さん」の歌詞になぞらえたコードで幹部たちの身辺を探るとともに、「もぐら」に関する情報源と接触するため、サーカスのジム・プリドーをハンガリーに送り込むも作戦は失敗。責任をとってコントロールと彼の右腕であったジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされる。
退職後ほどなくコントロールは死去。ほぼ同時期にイスタンブールに派遣されていたリッキー・ターの前に、「もぐら」の情報を持つモスクワ・センターの女イリーナが現れる。彼女と恋仲になったターはイリーナをイギリスに亡命させるためサーカス本部に連絡するが、翌日イリーナはモスクワ・センターに発見され連れ去られる。サーカス内部に「もぐら」がいることを察知したターはイギリスへ戻り、オリバー・レイコン外務次官に連絡。彼は、引退したスマイリーに「もぐら」探しを要請する。スマイリーは、ターの上司のピーター・ギラムと、ロンドン警視庁公安部のメンデル警部とともに調査を始める。
プロジェクトはワーキング・タイトル・フィルムズの依頼でピーター・モーガンが脚本の草案を書き上げたことで開始された。モーガンはその後、私的な理由のために脚本を降板したものの、製作総指揮として残留した[3]。モーガンの離脱により、ワーキング・タイトルは脚本再考のためにブリジット・オコナーとピーター・ストローハンを雇った。2009年7月9日、トーマス・アルフレッドソンの監督着任が明らかになった。本作は彼にとって初めての英語作品となる[4][5]。本作はスタジオカナルの資金援助により、2100万ドルの製作費を持っていた[1]。
監督はジョージ・スマイリー役にゲイリー・オールドマンを選び、彼は「高貴な顔」と「必要とされる静かな強さと知性」を持っていると説明した[6]。デヴィッド・シューリスは早い段階で出演交渉がされていた[7]。マイケル・ファスベンダーはリッキー・ター役で出演交渉されていたが、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の撮影とスケジュールが重なってしまった。その代わりにトム・ハーディが同役を演じることになった[8]。2010年9月17日、マーク・ストロングの出演が確定した[9]。また、ジャレッド・ハリスは『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』とのスケジュール衝突により断念し、彼の役はトビー・ジョーンズが演じることになった[10]。
主要撮影は2010年10月7日から12月22日までに行われた[11]。スタジオのシーンは北ロンドンのミル・ヒルにある旧軍兵舎で撮影された[1]。「サーカス」の外観には西ロンドンのブライスハウスが使われた[12]。
原作小説でチェコスロバキアで発生する事件は、ハンガリーで撮影された。製作チームはブダペストで5日間の撮影を行った。また、原作小説では香港で起こった一件はイスタンブールに変更され、クリスマス直前の9日間にはイスタンブールでも撮影した[1]。アルフレッドソンの前作『 ぼくのエリ 200歳の少女』でも共同したホイテ・ヴァン・ホイテマ(撮影)とディノ・ヨンサーテル(編集)が本作にも参加している[13]。
編集には6ヶ月を費やした[要出典]。
主な挿入歌は以下のとおり。
製作チームは、映画の最後にジョージ・スマイリーが一人で居る時に聴く曲をフランスの曲 「ラ・メール」だろうと推測した。スマイリーが曲を聴く場面も撮影されたが、結局それがあまりにも多くの意味を与えることを避けるためにカットされた[14]。
プレミア上映は2011年9月5日、第68回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション上映で行われた[15]。イギリスではスタジオカナルUKの配給で2011年9月16日に公開された[16]。アメリカ合衆国での権利は、ワーキング・タイトルと恒久的なファーストルック契約を結んでいるユニバーサル・ピクチャーズが買い取り、その子会社であるフォーカス・フィーチャーズに譲渡された。フォーカスはアメリカでの拡大公開を目指した上で、2011年12月9日に限定公開を開始した[17]。
『裏切りのサーカス』は批評家には概ね好評であった[18][19]。2011年12月15日時点でRotten Tomatoesでは120件のレビューで84%が支持して「フレッシュ」で平均点は7.8/10である[19]。 日本でも、2012年度のキネマ旬報・外国映画ベストテンで、10位にランクインされた。
イギリスでは公開から3週連続で週末興行収入1位となった[20]。2013年5月11日時点で、Box Office Mojo調査による世界興行収入は8063万608ドルに達している[2]。
主催 | 発表日 | 部門 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|---|
ヴェネツィア国際映画祭 | 2011年9月10日 | 金獅子賞 | 『裏切りのサーカス』 | ノミネート |
ハリウッド映画祭 | 2011年10月25日 | 作曲賞 | アルベルト・イグレシアス | 受賞 |
英国インディペンデント映画賞 | 2011年12月4日 | 英国インディペンデント映画賞 | 『裏切りのサーカス』 | ノミネート |
監督賞 | トーマス・アルフレッドソン | ノミネート | ||
主演男優賞 | ゲイリー・オールドマン | ノミネート | ||
助演女優賞 | キャシー・バーク | ノミネート | ||
助演男優賞 | トム・ハーディ | ノミネート | ||
ベネディクト・カンバーバッチ | ノミネート | |||
技術貢献賞 | マリア・ジャーコヴィク(美術) | 受賞 | ||
ワシントンD.C.映画批評家協会 | 2011年12月5日 | 脚色賞 | ブリジット・オコナー ピーター・ストローハン |
ノミネート |
サンフランシスコ映画批評家協会 | 2011年12月11日 | 主演男優賞 | ゲイリー・オールドマン | 受賞 |
脚色賞 | ブリジット・オコナー ピーター・ストローハン |
受賞 | ||
女性映画批評家協会 | 2011年12月18日 | 男優賞 | トム・ハーディ(Warriorに対しても) | 受賞 |
サテライト賞 | 2011年12月18日 | 作品賞 | 『裏切りのサーカス』 | ノミネート |
監督賞 | トーマス・アルフレッドソン | ノミネート | ||
主演男優賞 | ゲイリー・オールドマン | ノミネート | ||
シカゴ映画批評家協会 | 2011年12月19日 | 主演男優賞 | ゲイリー・オールドマン | ノミネート |
脚色賞 | ブリジット・オコナー ピーター・ストローハン |
ノミネート | ||
セントルイス映画批評家協会 | 2011年12月19日 | 主演男優賞 | ゲイリー・オールドマン | ノミネート |
フェニックス映画批評家協会 | 2011年12月27日 | 主演男優賞 | ゲイリー・オールドマン | ノミネート |
オンライン映画批評家協会 | 2012年1月2日 | 主演男優賞 | ゲイリー・オールドマン | ノミネート |
脚色賞 | ブリジット・オコナー ピーター・ストローハン |
受賞 | ||
編集賞 | ディノ・ヨンサーテル | ノミネート | ||
ロンドン映画批評家協会 | 2012年1月19日 | 作品賞 | 『裏切りのサーカス』 | ノミネート |
主演男優賞 | ゲイリー・オールドマン | ノミネート | ||
脚本賞 | ブリジット・オコナー ピーター・ストローハン |
ノミネート | ||
英国作品賞 | 『裏切りのサーカス』 | ノミネート | ||
英国男優賞 | ゲイリー・オールドマン | ノミネート | ||
技術賞 | マリア・ジャーコヴィク(美術) | ノミネート | ||
美術監督組合 | 2012年2月4日 | ピリオド映画美術賞 | マリア・ジャーコヴィク | ノミネート |
全米撮影監督協会 | 2012年2月12日 | 映画撮影賞 | ホイテ・ヴァン・ホイテマ | ノミネート |
映画芸術科学アカデミー | 2012年2月26日 | 主演男優賞 | ゲイリー・オールドマン | ノミネート |
脚色賞 | ブリジット・オコナー ピーター・ストローハン |
ノミネート | ||
作曲賞 | アルベルト・イグレシアス | ノミネート | ||
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