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工藤 三郎(くどう さぶろう、1953年(昭和28年)6月1日 - )は、フリーアナウンサー、NHKの元エグゼクティブアナウンサー。元嘱託職。株式会社オフィスカノン所属。
大分県大分市出身[2]。大分県立大分舞鶴高等学校を経て、慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、1976年(昭和51年)入局[2]。
スポーツアナウンサーとしてのキャリアが長く、プロ野球を中心に様々な競技の実況を行ってきた。チーフアナウンサーから2002年局次長級エグゼクティブアナウンサーに昇進[3]。2018年6月30日付けで嘱託職からも退き退職、同じく協会の元局員である羽佐間正雄が代表を務める株式会社オフィスカノンへ入社する。
トロンボーン演奏の特技を持つ。大学時代にはジャズサークル「慶應義塾大学ライトミュージックソサエティ」に所属しており、元NHKアナウンサーの明石勇はサークルの先輩でもある。
1994年のリレハンメルオリンピックのスキージャンプ団体戦で、原田雅彦の二回目が「世紀の大失敗ジャンプ」に終わり、日本チームはドイツに逆転され金メダルを逃してしまう。この試合を実況していた工藤アナは、試技直後に座り込んで頭を抱える原田の姿を目の当たりにすることとなる。
その4年後に開催された長野オリンピックでは、個人ラージヒルの実況をジャパンコンソーシアムの一員として担当。この試合、一回目を終えて6位の原田が逆転でメダルを獲得するためには、飛距離・飛形点(空中姿勢と着地姿勢の美しさ)ともに高いレベルで実現する必要があった。放送席の工藤は、原田が二回目の助走を始めた時、「さぁ原田、因縁の二回目」と語り、そのジャンプの着地前後には「立て、立て、立てぇ、立ってくれ~!!………立った~!!」と叫ぶ。原田の二回目は、それ以上飛ぶと安全・安定した着地が困難とされるK点(当時120m)をはるかに超え、自動計測可能な135mをも超える大ジャンプだった。そして正式な飛距離は、残りの5選手が試技を終えるまで確定しない程のものであり[4]、審判団による測定が出るまで10分近くかかったこの「大ジャンプ」により原田は逆転で銅メダルを獲得している。
2008年の北京オリンピックでは、アーチェリー女子個人準決勝・張娟娟(中国)vs尹玉姫(韓国)を実況した際、中国の応援団が、韓国選手が矢を放とうとしているにもかかわらず笛を吹くなどして静かにしなかった。この状況に実況中の工藤は「静かに」との言葉を発していた。また、女子ソフトボールの決勝戦の実況も担当し、日本初優勝の瞬間に立ち会うこととなった。
NHKの後輩アナウンサー刈屋富士雄は、目標とする人に工藤三郎を挙げている。特にバルセロナオリンピック陸上競技400メートル競走で、メダルも期待された高野進が8位に終わったとき、「メダルを逃しました」などと言わず「高野は世界の8位」と短いフレーズで高野の力走の価値を表現したことや、前述の原田雅彦に対する「立ってくれ」の実況における、原田が空中に跳び出した瞬間に着地が困難になるほどの大ジャンプになることを先見し、発した言葉を名フレーズとし、その発声のタイミングも絶妙だとしている。[5]
オリンピックでは開会式と閉会式の実況も多く、開会式ではアルベールビル(1992年冬季)、バルセロナ(1992年夏季)、シドニー(2000年夏季)、ソルトレイクシティ(2002年冬季)で、閉会式ではカルガリー(1988年冬季)、バルセロナ、シドニー、ソルトレイクシティでそれぞれ実況した。なお、トリノ(2006年冬季)の実況には携わらなかったが、東京でのスタジオキャスターを担当した。
2010年バンクーバーオリンピックは現地には赴かず、東京の放送センターでのスタジオ解説(ベストセレクション担当。タレントのベッキー、鈴木奈穂子との共同出演)を務めた。
2012年ロンドンオリンピックでは現地のロンドンに赴くが実況には携わらず、山岸舞彩とともに中継番組現地キャスターとして出演した。
2014年ソチオリンピックでは、現地に赴くが実況には携わらず、杉浦友紀とともに中継番組現地キャスターとして出演。
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