国道252号(こくどう252ごう)は、新潟県柏崎市から福島県会津若松市に至る一般国道である。
概要 全ての座標を示した地図 - OSM ...
閉じる
新潟県柏崎市から東へ新潟・福島県境の六十里越を越えて、南会津郡只見町などに流れる只見川沿いを通り会津若松市に至る国道路線。福島県会津の只見川沿いの地域の生活に欠くことのできない重要な道路となっている。柏崎市内では、北陸自動車道柏崎ICの接続道路となるほか、福島県会津坂下町で磐越自動車道会津坂下ICと接続する。付近を通る鉄道とは、新潟県から福島県にかけて、JR東日本只見線の小出駅 - 会津坂本駅間とほぼ並行する。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
新潟県魚沼市大白川と福島県南会津郡只見町大字田子倉の間にある峠、六十里越の周辺は急峻な山岳地形であることに加えて積雪が多く、冬季は雪崩や落石の危険性が高いため、魚沼市末沢から県境の六十里越トンネルを挟んで只見町大字石伏字上宮渕までの間は、おおむね11月中旬から4月下旬にかけてのおよそ半年間は全面通行止めとなる。この冬季閉鎖の間、両市町の間は並行する東日本旅客鉄道(JR東日本)の只見線が唯一の交通連絡手段となる。
別名
- 会津沼田街道(只見町 - 会津坂下町)
- 六十里越雪わり街道(魚沼市大白川 - 南会津郡只見町大字田子倉)
- 名称は、新潟県魚沼市と福島県只見町の県境の峠越えを古くから「六十里越」と呼んでおり、豪雪地帯のこの地の毎年雪解け時期に、道を覆っていた雪を割って地上を露出させることを「雪割り」と称するところから。六十里越とは、実際には6里(約24 km)の道が60里に感じられるほど険しかったからだといわれる。雪わり街道の名が示すとおり、冬季は雪に閉ざされて通行することはできない。
新道・バイパス
すべて福島県内。
- 大沼郡金山町
- 滝バイパス(滝沢)
- 延長850 m。2014年(平成26年)12月20日開通。滝ダム周辺の只見川屈曲部に沿う幅員狭小路線であり、また旧滝トンネル(1961年(昭和36年)開通、全長140 m)の前後に急カーブがあり安全な交通に支障をきたしていたことから2005年(平成17年)度より事業化された。新たな滝トンネル(全長751 m)と滝スノーシェッド(全長50 m)で構成されている[9]。
- 二本木橋災害復旧事業(大塩 - 横田)
- 延長580 m。2013年(平成25年)12月2日開通。二本木橋参照。
- 本名バイパス(越川 - 本名)
- 延長2.68 km。2022年(令和4年)1月20日開通[6][7]。金山町越川から本名にかけて只見川右岸を走る現道は本名スノーシェットと本名ダム堤体の上を走るが、スノーシェッドからダム本体の右側に出てダム直上の本名橋を渡り、さらに直角に曲がって本名の集落に降りていく構造上の問題があること、加えてスノーシェッドの幅員狭小もあり、左岸側に本名トンネル(仮称)も含めたバイパスを建設することにした。現道の対岸にある湯倉地区の直上を通ることで、実質的に同地区の孤立対策も兼ねている。2010年(平成22年)事業化。2017年(平成29年)にトンネルが着工された。
- 川口バイパス(川口)
- 延長1036.6 m。1990年(平成2年)10月29日完成供用。野尻川と只見川の合流部と福島県立川口高等学校が所在する山塊に挟まれた屈曲区間とその後の旧川口橋への急カーブを解消するために山塊を川口トンネルで貫き、野尻川を渡る川口橋も架け替えられ線形が改良された。現在旧道は町道に降格され生活道路として機能しているが、会津若松方には車止めが設置されており侵入が不可能である[10]。
- 大沼郡三島町
- 早戸バイパス(早戸)
- 延長600 m。2011年(平成23年)10月31日開通。早戸第1スノーシェッド周辺の幅員狭小区間解消のために2003年(平成15年)度より早戸温泉郷トンネルの事業化が行われた[11]
- 宮下バイパス(名入 - 大登)
- 河沼郡柳津町
- 河沼郡会津坂下町
旧道・廃道
- 1953年(昭和28年)6月、県道西方坂本線の橋として竣工。全長121 m、幅員6 mの1径間鋼下路式ランガー桁橋、3径間連続プレートガーダー橋であった[12]。
重複区間
- 新潟県
- 福島県
- 国道289号(南会津郡只見町・只見 - 叶津)
- 国道400号(大沼郡・金山町川口 - 三島町名入)
- 国道49号(河沼郡会津坂下町会津坂下IC交点 - 会津若松市中沢交点)
柏崎市鳥越交点までと十日町盆地・魚沼盆地・会津盆地を除くとおおむね山間地を縫うように各市町村を結んでいる。したがって、ほとんど河川に沿っており、新潟県では鯖石川・信濃川・飛渡川・田河川・魚野川・破間川、福島県では只見川に沿っている。このため、新潟県内の各市と県境は分水嶺をトンネルによって越えている。六十里越の福島県側は、眼下に只見川のダム湖である田子倉湖を眺める山の斜面の急峻なワインディングロードである。
鉄道では、新潟県柏崎市・日吉町交点 - 鳥越交点間は、JR東日本信越本線、新潟県十日町市・下条栄町交点 - 北原交点間は、JR東日本飯山線、新潟県魚沼市・堀之内庁舎前交点 - 四日町交点間は、JR東日本上越線、魚沼市四日町交点 - 福島県会津若松市中央1までは、JR東日本只見線と並行している。他の区間に平行鉄道路線はない。
注釈
一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
出典
土砂崩れ、小型バスのむ 春雨で豪雨ゆるむ『朝日新聞』1974年3月8日朝刊、13版、19面
藤井郁夫 (2000年7月1日). “滝谷川橋”. 土木学会附属土木図書館. 2019年4月11日閲覧。 “土木学会関西支部『橋梁工学の最近の動向』124頁 昭和29年3月 2)「最近竣工した道路橋」土木技術8巻11号38頁、土木技術社、昭和28年3月よりの孫引き。”