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映画 ウィキペディアから
『シン・シティ』(原題:Sin City)は、2005年公開のアメリカ映画。監督は、フランク・ミラーとロバート・ロドリゲスの共同としてクレジットされているほか、特別ゲスト監督としてクエンティン・タランティーノが後述するエピソード (EP) の1つを担当している。
シン・シティ | |
---|---|
Sin City | |
監督 |
ロバート・ロドリゲス フランク・ミラー クエンティン・タランティーノ(スペシャルゲスト監督) |
脚本 |
ロバート・ロドリゲス フランク・ミラー |
原作 | フランク・ミラー |
製作 |
エリザベス・アヴェラン ロバート・ロドリゲス フランク・ミラー |
製作総指揮 |
ボブ・ワインスタイン ハーヴェイ・ワインスタイン |
出演者 |
ミッキー・ローク ジェイミー・キング イライジャ・ウッド クライヴ・オーウェン ロザリオ・ドーソン ブリタニー・マーフィ デヴォン青木 ベニチオ・デル・トロ マイケル・クラーク・ダンカン ブルース・ウィリス ジェシカ・アルバ ニック・スタール パワーズ・ブース |
音楽 |
ジョン・デブニー グレーム・レヴェル ロバート・ロドリゲス |
撮影 | ロバート・ロドリゲス |
編集 | ロバート・ロドリゲス |
製作会社 | トラブルメイカー・スタジオズ |
配給 |
ミラマックス ギャガ |
公開 |
2005年4月1日 2005年10月1日 |
上映時間 | 124分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $40,000,000[1] |
興行収入 |
$ 74,103,820[1] $ 158,753,820[1] 10.0億円[2] |
次作 | シン・シティ 復讐の女神 |
フランク・ミラーによるコミック『シン・シティ』を映画化したもので、原作での4つのEPを再構成し、相互に関連した3つのEPとしてまとめられている。これら3つのEPは時系列が入れ替えられており、時系列順では、オープニング→EP.3→EP.1→EP.2→エンディングとなる。
全米週末興行収入成績初登場第1位(2005年4月1日-3日付)。日本においてはR15+指定。
犯罪がうずまき、悪徳と欲望が栄えるベイシン・シティは、いつしか罪の街(シン・シティ)と呼ばれるようになっていた。
パーティ会場を抜け出した女に、一人の男がそっと近づいてきた。男は彼女の悲しみと孤独を見抜いて、彼女に煙草を勧める。震える女を抱き寄せ、愛を囁きかける。そして女が彼に気を許した瞬間、男は彼女を射殺する。
仕事を終えた殺し屋ザ・マンは、女の小切手を奪って現金に変えた。
強面な大男であるマーヴは酒場でゴールディという美女と出会い、ホテルにて一夜を共にする。しかし彼が目を覚ますとゴールディは死んでおり、直後に警官隊が駆けつけてくる。
辛くもホテルから脱出したマーヴは、ゴールディを殺し自分を陥れた犯人に復讐すべく、保護観察官ルシールの助けを借りつつ犯人探しを始める。そして殺人鬼であるケビンとの戦い、ゴールディの双子の姉であるウェンディと出会ううちに、彼は犯行を企てたのが国を裏から牛耳る有力者、ロアーク枢機卿であることを突き止める。ロアーク枢機卿とケビンは食人行為を共有しており、それを知ってしまったゴールディは自らの身を守るためにマーヴを頼り、しかし殺されてしまったのだ。
マーヴはこれが自分の妄想ではない事を確かめようと娼婦街を歩き回ってゴールディの縁者を探し、彼を犯人と思い込むウェンディの誤解を解いて、全てが現実である事を確信する。その強面のせいで一度も女を抱いたことがなかったマーヴを、打算づくとはいえゴールディは愛してくれた。マーヴは一度は敗北したケビンに逆襲して彼を生きたまま解体して犬に喰わせ、友人のダンサーであるナンシーにウェンディを預け、ついにロアーク卿の教会に乗り込む。マーヴはロアーク枢機卿を殺害するも、警官隊の銃撃を受けてしまう。
一命を取り留めたマーヴは、ロアーク枢機卿たちの分まで罪を着せられ、刑務所で処刑を待つばかりの身となった。そんなマーヴのもとをウェンディが訪れる。マーヴは彼女をゴールディと勘違いしたことを謝罪するが、ウェンディはそのまま彼と一夜を共にする。翌日、マーヴは電気椅子で処刑されるが、彼の脳裏にはゴールディとの一夜が焼き付いていた。
死刑宣告を受けながら顔を変えてシン・シティに戻ってきた男ドワイト。恋人であるシェリーに手下と共にしつこく付きまとうジャッキーボーイに対し、ドワイトはきつい制裁を加えて追い返すことに成功する。しかし、妙な胸騒ぎを覚えたドワイトは、シェリーの制止を振り切って彼らの車を追いかける。
ジャッキーボーイはドワイトの元恋人であるゲイルが仕切る娼婦街へ赴く。彼はそこで見つけた娼婦ベッキーを無理やり連れて行こうとして拳銃を取り出すが、それは娼婦街のルールを破る行為であった。ルールを破った彼は娼婦街を警備する殺人兵器ミホによって手下もろとも殺害されてしまう。ところがそこでジャッキーボーイの正体は刑事であることが分かり、ゲイルたちはお互い干渉せずという警察とのルールを破ってしまった事が発覚する。このままでは娼婦街は昔の無法地帯に逆戻りしてしまう。
ドワイトは娼婦街を救うため証拠の隠滅を図るが、娼婦街を手に入れようとするマフィアが彼を狙う。底なし沼にジャッキーボーイの死体を沈めようとしたドワイトはマフィアが雇った傭兵部隊の襲撃を受け、危ういところをミホによって救われる。
しかしベッキーの裏切りによって情報を掴んだマフィアの用心棒マヌート一味が、既に娼婦街へと乗り込んできていた。人質となったゲイルとの交換で、ドワイトはジャッキーボーイの死体を一味へ引き渡す。その死体には爆弾が仕掛けられていた。一瞬の不意をついたドワイトは娼婦たちと協力し、マヌート一味を皆殺しにしてゲイルを救い出す。 斯くして、警察との協定違反の証拠となるジャッキボーイの死体は始末され、マヌート一味の末路は娼婦街を狙うマフィアの大ボスへの見せしめとなった。娼婦街の治安は保たれたのである。
心臓に持病を持つ老刑事ハーティガンは、連続幼女殺人犯であるロアーク・ジュニアを追い詰めて重傷を負わせ、少女ナンシーを助けることに成功する。ところが相棒であるボブに裏切られ、銃で撃たれてしまう。ハーティガンは少女を救えた事を確信しながら、意識を手放す。
しかしハーティガンは重傷を負いながらも生き長らえていた。ロアーク・ジュニアの父親であるロアーク議員の復讐として、ハーティガンは連続幼女殺人の犯人にされてしまう。だが救助された少女ナンシーだけはハーティガンを信じ、彼に手紙を送り続けた。ハーティガンはその手紙を支えに尋問に耐え続ける。
それから8年後、ナンシーからの手紙が途絶え、彼女が再び狙われていることを知ったハーティガンは、罪を認めて刑務所から出所し、大人となったナンシーに会いに行く。ナンシーは美しいダンサーへと成長していた。再会を喜ぶ二人だが、その近くには治療の副作用で醜く変貌したロアーク・ジュニア(イエローバスタード)が潜んでいた。ナンシーが狙われているというのは、ハーティガンを動かして彼女の居場所を突き止めるための罠だったのだ。
ふとした隙を突かれたハーティガンは、ナンシーをイエローバスタードに誘拐されてしまう。イエローバスタードはナンシーをロアーク一族の農場に閉じ込め、ハーティガンを待ち伏せる。ハーティガンはイエローバスタードの手下を一人ずつ始末しながら、必死に農場へ向かう。
年老いたハーティガンは苦戦を強いられるも、死闘の末に八年前と同じくイエローバスタードを倒して撲殺し、再びナンシーを救い出す。しかし息子を失い家系を絶たれたロアーク上院議員は、執拗に復讐を企むだろう。そうすればナンシーも危ない。
ナンシーをシン・シティへと逃したハーティガンは、ロアークに勝利し、その魔手からナンシーを守れるたったひとつの方法を取る。彼は命を断つことで、これ以上ナンシーが狙われないようにしたのだ。ハーティガンは少女を救えた事を確信しながら、自らの頭を銃で吹き飛ばす。
娼婦街での抗争から一人逃げ出してきたベッキーは、病院にたどり着いて治療を受けていた。
ベッキーは心配する母親からの電話に、自分が娼婦である事を隠しながら応対する。そんなベッキーの不安と恐怖を見抜き、そっと煙草を勧めてくる一人の医師。ベッキーは彼に心を奪われ、共にエレベーターへと乗り込む。
ザ・マンは次の標的を見定め、ゆっくりと仕事へ取り掛かった。
共同監督のクレジットについては、全米監督協会 (DGA) が「1作品に『監督』としてクレジットされる者は1人に限る」とのルールを理由に許可しなかったため、ロドリゲスが一時的にDGAを脱退したという経緯がある。
原作のもつ雰囲気を再現するため、極度に明暗を強調したモノクロ映像に一部カラーが挿入される演出となっている。そのため、撮影は全編がグリーンスクリーンを利用して行われ、背景などはCGが合成されたものである。
CMに使われた曲は、The Servant というバンドの「Cells」という曲だが、実際にCMに使われているのはインストゥルメンタルバージョンで、ドイツ版のシングル CD「Cells」に収録されている。バンドは「このインストゥルメンタルはこの映画(『シン・シティ』)のために作った」と公式に発表しているが、サウンドトラックには収録されず、前記の唯一収録されたシングル CD は2012年現在では廃盤になっている。しかし映画公開当時よりファンからの希望が多く、The Servant の旧公式ウェブサイトで一時期会員向けに mp3 ファイルを無料公開していた。この曲は『トランスポーター2』のワンシーンでも使われているが、同作のサウンドトラックにも未収録である。
初回版はジェネオン エンタテインメントより、2015年以降の発売アイテム(スタンダード・エディションDVD、BD)はギャガより発売。
なお、本編でのブルース・ウィリスの日本語吹替はソフト版での専属だった樋浦勉が担当しているが、日本でのテレビコマーシャルの際のナレーションはテレビ版吹替を専属で担当していた野沢那智が担当している。
ミラーは全3作と発言しており、第2作『シン・シティ 復讐の女神』が2014年に公開された。
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