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日本の自動車メーカー・ブランド ウィキペディアから
1989年11月8日に、アメリカ合衆国市場向けの高級車ブランドとして設立された[1]。設立当初は流通システムの不備から販売は低迷したが、ルノーとのアライアンス発足後のカルロス・ゴーン体制下においては、高価格・高付加価値型車両中心のブランドとしての販売網整備と車両のデザインの改良が行われた。その後、G35(日本名:スカイライン)のヒット[2]などもあった。
2010年4月、ルノー及び日産とダイムラーAGとの間で、小型車向けに共通した新設計思想の採用、高効率のディーゼルエンジンとガソリンエンジンの共用化および小型商用車領域での協業など、幅広い分野での戦略的な協力に関する契約を締結。インフィニティ向けにダイムラーAGよりディーゼルエンジンとガソリンエンジンの供給を受け、2013年には欧州向けのQ50にダイムラーAG製のディーゼルエンジンが搭載され、2014年には引き続きQ50にガソリンエンジンが搭載された。
2010年8月にはチューニング部門である、インフィニティ・パフォーマンス・ライン (IPL) が設立され、同年12月よりチューニングカーの販売が開始された。
2012年4月、本社機能を香港に移転[3]。日産ではこの移転により「日産本社の意向に束縛されないブランド展開」を打ち出すと同時に「アジア発の高級車ブランド」との姿勢を鮮明に示すことを狙っていた[4]。しかし、2020年半ばにその本社機能を香港から横浜へ移転する事が発表された[5]。
インフィニティ設立に伴い、フラッグシップ車のQ45を日本市場では「日産・インフィニティQ45」として発売された。それ以降は以下のとおり
日産は2000年代半ばにインフィニティの展開を表明したが、2008年の金融危機の影響で実現しなかった。その後、2013年1月にはインフィニティブランドの導入検討が報じられた[6]。
2013年11月、スカイラインのフルモデルチェンジによってQ50の日本販売を2014年2月下旬に開始するに当たり、フロントグリルにインフィニティエンブレムを採用すると発表した[7][注釈 2]。2015年2月には、フーガのマイナーチェンジ版の販売開始にあたって、同様にインフィニティエンブレムを採用した[8]。
ただし日産は「世界水準で創られた高級車としての証しとしてであり、ブランドそのものの日本投入を意味しない」としており[9]、独自の販売チャネルは設けず日産の既存の販売網で販売し、車名も「日産・スカイライン」「日産・フーガ」のまま変わらず、また車体リアガーニッシュ部分に「SKYLINE」「FUGA」の車名が刻まれている。
ただし、初代Q45が各種広告や車体に日産のロゴを入れ、既存の日産車の車種階層に組みこまれていたのに対し、Q50およびQ70では日産のCIを一切出さず各種広告では「NISSAN MOTOR CORPORATION」の表記とし、既存の日産車のラインナップと一線を引き「インフィニティブランドとしての扱い」をアピールした。
両車の発売当時のキャッチコピーは「さあ、日本のプレミアムを騒がそうか」だった。2015年12月に両車種の一部改良が行われたが、当初はフロントのみであったインフィニティエンブレムがリアにも装着され、Q50およびQ70の外観に更に近づくようになった。
とはいえ、Fセグメントセダンのフラッグシップモデルであるシーマに関しては日産エンブレムのままであり、グローバルで見たインフィニティブランドとしての高級車でなく、日産という会社においての最上位車である印としている。
その後、スカイラインが2019年7月のビッグマイナーチェンジで「日産・インテリジェントモビリティ」の具現化に伴ってインフィニティエンブレムから日産のCIに変更され、各種広告においても日産のCIが登場した。フーガも2019年12月のマイナーチェンジでインフィニティエンブレムが廃止され日産のCIに変更された。
2019年10月、インパルがインフィニティ各車の日本への並行輸入販売を開始。ベースは北米仕様車で、灯火類などを日本の保安基準に合わせての販売となる。
欧州市場向けの生産については2019年時点では主にイギリスのサンダーランド工場で、インフィニティ・Q30(ハッチバック車)、QX30(クロスオーバー車)を生産、欧州市場に供給していたが、欧州市場の販売量は高級車市場の競争激化の中で低迷。2019年、日産は2020年代前半までに欧州(西欧)市場からの撤退を表明している[10]。
高級車ブランドとしてはスポーティさを強調している。2004年のI35の販売終了以降、しばらくは全ての車種の駆動方式がFRないしFRベースのAWDとなっていたが、2012年にDプラットフォームを採用したJXが登場したため、現在はFRの車種を中心としつつもFFの車種が一部混在している。
デザイン上ではオーセンティックな面を強調し、ラグジュアリーでスポーティ、かつクラシカルな要素も持ち合わせたスタイリングが特徴とされる。具体的には、ダブルアーチフロントグリルやダブルウェーブインテリアなどが共通して採用されている。
インフィニティの車種はQ50(スカイライン)を除く全車種が日本国外専売車種であり、インパルによる輸入販売を除き日本国内には導入されていない。
車種 | 初登場年 | 現行型 | 備考 | 生産工場 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
発表 | マイナーチェンジ | |||||
セダン | ||||||
Q50 |
Q50 Q50L |
2013年 | 2013年8月 (初代) |
2017年4月 | グローバルDセグメントに属するプレミアムセダン。 日本市場のみ「日産スカイライン」として販売されている。 エンジンは日本市場でも販売される直4 2.0Lターボ、V6 3.5Lハイブリッドに加え、 V6 3.0Lツインターボを設定。北米市場向けの同エンジンは出力違いで2種用意されて おり、トップモデルの「RED SPORT 400」では400HPに達する性能を有する。 また、欧州市場を中心にダイムラー製の2.2Lディーゼルターボも用意される。 「Q50L」はロングホイールベース版で中国市場専用モデルである。 |
Q50:日産自動車 栃木工場 (栃木県) Q50L:東風日産乗用車公司 襄陽工場(中国 湖北省) |
クーペ | ||||||
Q60 |
Q60 | 2002 | 2016年9月 (3代目) |
Q50をベースとした2ドアクーペバージョン。 先代モデルまでは、日本でも「日産スカイラインクーペ」として販売されていたが、 現行モデルから海外市場専用モデルとなっている。 エンジンは直4 2.0Lターボ、V6 3.0Lツインターボをの2タイプ。 北米市場向けのV6 3.0Lは、出力違いで300HP、400HPの2種のチューンを用意する。 両エンジンともにAWDが選択ができる。 |
日産自動車 栃木工場 (栃木県) | |
SUV/クロスオーバーSUV | ||||||
QX80 |
QX80 | 1996年 | 2010年4月 (3代目) |
2017年11月 | 海外市場専用モデル。 インフィニティのSUVラインアップ中、最大サイズとなるフルサイズSUV。アルマーダと多くの部分を共用して開発されている。2013年7月、「インフィニティQX」からネーミングを変更。 V8 5.6Lエンジンを搭載している。 主に、北米およびアジア市場に投入されている。 |
日産車体九州 (福岡県) |
QX60 |
QX60 | 2021年 | 2021年6月 (2代目) |
- | 海外市場専用モデル。 2021年6月、フルモデルチェンジされた。 エンジンは、先代で不評だったCVTを廃止し、3.5リットルV型6気筒ガソリンエンジンと9速ATトランスミッションを搭載している。先代で設定されていたハイブリッドモデルは廃止された。 2021年9月より北米市場での販売がスタートし、他の市場にも順次導入されていく予定である。 |
北米日産会社 スマーナ工場 (米国 テネシー州) |
QX50 |
QX50 | 2007年 | 2018年1月 (2代目) |
- | 先代は「日産スカイラインクロスオーバー」として、日本市場でも販売されていたが、 2018年にリリースされた2代目は海外市場専用モデルとなった。 世界初の量産型可変圧縮比エンジン「VCターボ」の搭載が特徴。 同エンジンは2.0Lの排気量から268HPを発生。CVTと組み合わせている。 なお、現行2代目から駆動方式をFRベースからFFベースに変更している。 主に、北米およびアジア市場に投入されている。 |
メキシコ日産自動車会社 アグアスカリエンテス第2工場 (メキシコ) |
QX55 |
QX55 | 2020年 | 2020年11月 (1代目) |
- | QX50の姉妹車であり、クーペSUVである。基本的な設計はQX50と共用されている。 | メキシコ日産自動車会社 アグアスカリエンテス第2工場 (メキシコ) |
車種 | 初登場年 | 現行型 | 備考 | ||
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発表 | マイナーチェンジ | ||||
セダン | |||||
Q70 |
Q70 Q70L |
1990年 | 2010年5月 (4代目) |
インフィニティの最上級セダン。 2013年12月、「インフィニティM」からネーミングを変更。 ラインアップはV6 3.7Lを中心に、北米市場にはV8 5.6Lを、欧州市場には V6 3.5Lハイブリッドとダイムラー製の2.2Lディーゼルターボを設定する。 「Q70L」は北米・中国で販売されるロングホイールベース版である。 日本市場のみ「日産フーガ(Q70Lは日産シーマ(5代目))」として販売されていた。 | |
Q40 |
Q40 | 1991年 | 2006年10月(4代目) | 初代・2代目 日本名: プリメーラ 3代目・4代目 日本名:スカイライン(250GTセダン:V36) 2014年8月の改良時に「G」から改名 | |
ハッチバック | |||||
Q30 |
Q30 | 2015年 | 2015年12月 (初代) |
海外市場専用モデル。主に、欧州およびアジア市場に投入される Cセグメントクラスのプレミアムコンパクト。インフィニティのエントリーモデル との位置づけである。 3代目メルセデス・ベンツAクラスと基本コンポーネンツを共用している。 エンジンは、ルノー製の1.5Lディーゼルターボ、ダイムラー製の1.6Lターボ、 2.0Lターボ、2.2Lディーゼルターボの計4種から選択ができる。 | |
クーペ | |||||
Q60コンバーチブル |
Q60コンバーチブル | 2002 | - | 日本名: スカイラインクーペ(V36) コンバーチブルモデルは日本未発売 2013年12月、「Gクーペ/Gコンバーチブル」から改名 | |
SUV/クロスオーバーSUV | |||||
QX70 |
QX70 | 2003年 | 2008年6月 (2代目) |
- | 海外市場専用モデル。 2013年7月、「インフィニティFX」からネーミングを変更。 ロングノーズ&ショートデッキのクーペ風デザインが特徴のクロスオーバーSUV。 欧州市場向けにはV6 3.7LとV8 5.6Lの2タイプを設定するが、 中国向けはV6エンジンのみの設定。 なお、2018年9月をもって北米市場での販売を終了している。 |
QX30 |
QX30 | 2016年 | 2016年 (初代) |
海外市場専用モデル。 Q30をベースとしたCセグメントクラスのクロスオーバーSUVである。 エンジンは、いずれもダイムラーから供給される2.0Lターボ、欧州市場のみとなる 2.2Lディーゼルターボが用意される。 販売エリアを限定しているQ30と異なり、北米・中国でも展開される グローバルモデルとなっている。 | |
ESQ |
ESQ | 2014年 | 2014年 (初代) |
- | 中国市場専用モデル。「日産ジューク」のインフィニティ版。 ジュークをベースにフロントグリル等、細部デザインを変更し、独自性を主張している。 1.6L 自然吸気、1.6Lターボの2タイプを設定。それぞれにCVTを組み合わせている。 |
「INFINITI」は、無限を意味する。綴りは、英語の「INFINITY」ではなく、イタリア語の「INFINITI」である。この名称は1987年7月に決定された[1]。
エンブレムは「無限の彼方へと向かう開けた道」と「富士山」を表している[11]。
現在のエンブレムは2023年6月にリフレッシュされたものである[12]。
2012年12月18日付のインフィニティプレスリリースで、2014年モデル以降の全商品ラインアップに適用する新ネーミング戦略の詳細が発表された[13]。プレミアム自動車分野でのプレゼンスをさらに拡大する計画の重要な一歩としている。2014年以降のモデル名は、セダンとクーペおよびコンバーチブルモデルには「Q」、クロスオーバーとSUVモデルには「QX」が頭につけられ、続くグレードを表す二桁の数字とともに各モデルを表すことになった。 新ネーミング戦略によると、「Q」というネーミングは次世代インフィニティモデルのインスピレーションを付与するだけでなく、1989年にリリースした最初のフラッグシップモデルである『Q45』を想い起こし、そのパフォーマンスの歴史を際だたせると説明されている。
なお、従来ネーミングの数字として採用されていたエンジンの排気量や、4WDモデル、スポーツグレード、ハイブリッド、ターボモデルの表記は次の通りになる。
例:Q50の場合
既存の車種名称は適応後次のように変更され、エンブレムについては、AWDのみトランクリッドに、排気量とHYBRIDの表記は、左右のフロントフェンダーに装着される。
レクサスやメルセデス・ベンツ、BMWとは異なり、ハイブリッド車やターボ車でも実際の排気量が記されている。
「Q」セダンとクーペおよびコンバーチブルモデル
Q50については、2013年1月に開催される北米国際自動車ショーでワールドプレミアとして発表される新型モデルから適用される。
「QX」クロスオーバーとSUVモデル
車種名の末尾に2桁の数字を付け、Q45→4.5L、QX56→5.6Lの様におおよそのエンジン排気量を表し、現在の車種名の基準とは異なる。規則性や意味が特にあるわけではないが、実質セダン系の場合、Qを頂点にM→J→I→Gとアルファベットの順序が早いほうが下級で、遅い方が上級と分類することができる。同じくSUV系でもQXを頂点にFX→EXという順序で実質的に車格が順序付けられている。Qシリーズに限っては、英語のCue=きっかけという意味があると言われている。
ハイブリッド車は「h」、ロングホイールベースは「L」、ディーゼル車は「d」、4WD車は「x」が末尾に付けられていた。
インフィニティというブランドが発足する前に、Q45の前身となるコンセプトカー「CUE-X」が1985年秋の東京モーターショーで公開された。しかしながら、コンセプトカー「CUE-X」の特徴であったグリルレスのフロントマスクを初代「Q45」に取り入れたところ、高級車として斬新なデザインではあったものの、保守的な層の多いマーケットの中では不評となり[注釈 3]、マイナーチェンジではオーソドックスな縦格子デザインのグリルが装着されることとなった。なお同車は日産ブランドの車種として日本市場にも導入された。
FX CONCEPT
COUPE CONCEPT
EX CONCEPT
この節の加筆が望まれています。 |
エセレア
エマージ
LEコンセプト
Q30コンセプト
Q80インスピレーション
Q60コンセプト
QX30コンセプト
QXスポーツインスピレーション
QX50コンセプト
Q60プロジェクトブラックS
QX80モノグラフ
プロトタイプ9
Qインスピレーションコンセプト
QXインスピレーション
プロトタイプ10
QSインスピレーション
QX60モノグラフ
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