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資料の保存に関する研究分野 ウィキペディアから
アーカイブズ学(アーカイブズがく、英語:archival studies[1]、archival science[2]、archives administrative science [3])とは、記録史料類の収集・整理・保存・提供を行うための科学的理論・方法を研究する学問分野。文書館学(もんじょかんがく[3] 、ぶんしょかんがく[4])[5][6]、史料管理学[3][7][8]、記録史料学[3][9]とも呼ばれる。
行政等の通常業務において発生する公文書を一定の保存年限が過ぎた後にアーキビストなどの専門職の手によって廃棄すべきものと長期あるいは永久的に保存を行うために文書館に送るものに分類が行われる。そのために必要な記録史料に対する記録評価論・史料調査論・史料整理論・目録編成論・史料保存論などの実務的理論・技法を研究するための学問が文書館学である。
1899年にオランダのサミュエル・ムーラーらが執筆した『記録史料の整理と記録法』(Handleding voor het Ordenen en Beschrijcen van Arcchieven )がその体系化の第一歩とされている。
日本では古文書学は発達したものの、近世・近代の文書についての重要性についてはあまり省みられず、一定の年限が到来すれば破棄する事が原則とされていた。
第2次世界大戦後になって漸く日本でも近世・近現代の文書保存の必要性が認められるようになり、1951年(昭和26年)に文部省史料館が設置された[10]。
1959年(昭和34年)、日本最初の文書館として山口県文書館が設置される[11]。
1971年(昭和46年)には総理府の附属機関として国立公文書館が設置され、各官庁で保存されていた公文書が移管された[12]。本格的な公文書の保存作業が行われるようになるとともに欧米の文書館学が紹介されるようになった。
1987年(昭和62年)には公文書館法、1999年(平成11年)には国立公文書館法が制定された[12]。
現在では情報学などとも連携しながら、現存記録史料の評価・保存のための学術的な研究が進められるようになってきている。
かつては文書館学という呼称が主流だったが、アーカイブズという用語が文書資料のみならず映像資料などの多種多様な記録物に対して使われるようになったことや、公文書館における古文書・公文書の管理のみならず民間企業や市民運動における資料保存についても注目されるようになった事情を反映してか、近年ではアーカイブズ学と呼ばれることが多く、アーカイブズ学を冠する授業を開講したり、アーキビスト養成のための専攻課程を設置する大学も登場している。
国立公文書館のページ[13](2022年12月時点)で「認証アーキビストとして必要な知識・技能等の内容が修得できる大学院や関係機関の研修」として名前が挙がっているものには(※)を付した。
(旧「別府大学文学部史学科 文書館専門職(アーキビスト)養成課程」:2004年-2009年[15])
※国文研のページ[43]で紹介されているもの。
また、上に挙げられているほかにも、史学専攻や図書館学・博物館学・情報学の分野でアーカイブズについて取り上げる大学が存在する可能性がある。
(旧「公文書館専門職員養成講座」:1998年-?[15]) 6週間の長期コース(※)と1週間の短期コースがある[50]。
その他、専門的なプログラムではないが、古文書講座やアーカイブズ講座が社会教育の一環として、各地の公文書館で実施されている。
アーカイブズ学の知見を有する専門家の資格制度については、アーキビスト § 日本における資格を参照のこと。
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