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府中市のコミニュティバス ウィキペディアから
ちゅうバス (Chu Bus) は、東京都府中市が運行するコミュニティバスである[1][2]。全路線を京王バス府中営業所が運行受託する[1][2]。
2003年12月[3][4]1日、4路線で運行開始。現在は5路線7ルートが運行されており[1][5]、府中駅を中心に市内の各駅などを結んでいる[5]。
なお、「ちゅうバス」としての開業は2003年だが、1997年に府中市が小型バス2台を寄贈して運行開始したミニバス路線の府31系統を源流とする(#沿革を参照)。
「ちゅうバス」の名称は、府中市の「中(ちゅう)」と、ねずみのように機敏で小回りが利くイメージから命名された[2]。またシンボルマークとして、ピンク色のねずみのキャラクター「ちゅう太」が採用されている[2]。「ちゅう太」のイラストはバス停留所にも描かれている[2]。
府中市公式サイト内のちゅうバスのページにも「ちゅう太」のイラストが掲載されている[1]。「ちゅう太」の足は車輪で、体の側面には窓があり、ねずみ型のバスになっている。尻尾が葉の形をしているのは、府中市の掲げる「緑の府中」を意識したデザインとなっている。「ちゅう太」のイラストはバス車体にラッピングされるほか、専用カラーの中型車を使用する是政循環では行先表示LEDでも表示される。京王バスカラーの中型車が代走する場合も「ちゅうバス是政循環」の行先表示とともにイラストが表示される。
キャッチフレーズは「ちゅう」をアルファベットの"Chu"と置き換え、"Community bus in Heartful and Useful"(優しさと利便性をもつコミュニティバス)。
運行開始時から導入されていた車両では、環境に配慮して燃料に圧縮天然ガスを使用するCNG車も使用されていたが、新型ノンステップバスに代替が進み、CNG車は全廃されている。
2008年(平成20年)3月25日、府中駅より武蔵野台駅南口方面への押立町・朝日町循環が新設。以下の2ルートが運行開始した。
この押立町・朝日町循環は、京王バスの一般路線バスとして運行されていた府31系統を再編したものである。ちゅうバスへの再編により、同日をもって府31系統は廃止された。
前身となった府31系統は、1997年(平成9年)に交通不便地域の解消を目的として、府中市が京王帝都電鉄(当時)にミニバス(日野・リエッセ)2台を寄贈して運行開始したコミュニティバス的性格の強い路線であった。府31系統時代の経路は以下の往復運行であった(車返団地止まりの区間便も存在した)。
府31のルートをコミュニティバスの一部として取り込み、以下の経路を新設した上で、武蔵野台駅で従来の経路を分断して乗り継ぎで対応することとしたものである[6]。
これにより府31系統の経路が武蔵野台駅で分断されることとなったため、武蔵野台駅南口で無料乗継券が発行されている[5]。そのため循環路線ではないが「押立町・朝日町循環」として1路線2ルートという扱いになっている[5]。
また押立町・朝日町循環の新設に合わせて、ちゅうバスのダイヤ改正が行われ終車時刻が延長された。同時に南町・四谷循環、北山町循環でも経路変更・路線延伸されている。
なお、ちゅうバスとしての開業は2000年代に入ってからであるが、その前史として1990年代後半に府中市の働きかけによりミニバス路線が開設し、それが後のちゅうバスに発展したことを考えると、東京多摩地域のコミュニティバスとしては比較的早期の開業ということになる。
2010年(平成22年)3月29日、中河原駅より北西方面を循環する南町・四谷循環 四谷六丁目ルート(以下「四谷六丁目ルート」)が運行開始した。府中駅周辺を経由しない初の路線であるが、一部重複区間があるため「南町・四谷循環」に加えられる形となった。
四谷六丁目ルートの新設により、従来の南町・四谷循環は南町・四谷循環 よつや苑西ルート(以下「よつや苑西ルート」)に改められ、中河原駅において無料乗継券の扱いを始めた(駅以外での重複区間での無料乗継は非対応)。
四谷六丁目ルートの開業により、南町・四谷循環は1路線2ルートとなり、ちゅうバス全体では5路線7ルートとなって現在に至る。
2017年(平成29年)4月17日、北山町循環、是政循環、四谷六丁目ルート、朝日町ルートで、ダイヤ改正と経路変更が行われた[7]。
2018年(平成30年)10月1日、北山町循環、よつや苑西ルートで、ダイヤ改正と経路変更が行われた[8]。
2020年(令和2年)3月23日、北山町循環、よつや苑西ルートで、停留所名の変更と停留所新設が行われた[9]。これによる運行時刻の変更はない[9]。
2020年(令和2年)10月1日、京王電鉄バスの子会社3社(京王バス東・京王バス中央・京王バス南)が合併したことにより、運行事業者・営業所の名称が「京王バス中央・府中営業所」から「京王バス府中営業所」へ変更。
市内を走る一般路線バスのほとんどは対キロ多区間運賃で後払いだが、ちゅうバスは均一運賃のため、前乗り後降り方式で乗車時に運賃を支払う。
運賃は全線均一、1乗車につき全線100円。大人・子供同額、未就学児は無料。
運行開始当初より長らくバス共通カードや交通系ICカードの使用ができなかったが、2018年(平成30年)4月1日より、PASMO・Suicaなど交通系ICカードが利用できるようになった[10][11]。
東京都シルバーパスは利用できず、各種障害者手帳提示による割引制度も存在しない。
ちゅうバス専用回数券が発売されており、ちゅうバス車内または京王バス府中営業所で購入可能。21枚つづり2000円で100円分割引となっている。緑色の券面にマスコットの「ちゅう太」が描かれている。専用の定期券や一日乗車券の発売はなく、京王バスの金額式IC定期券「モットクパス」や京王バスIC全線一日乗車券なども利用できない[1]。
以下の路線は、接続駅の指定停留所に限り無料乗継ができる。
その際は、降車するちゅうバスの乗務員から乗継券を受け取る必要がある。この乗継券は、乗り継いだちゅうバスの乗務員によって乗車時に回収される。乗継券による無料乗継制度については、バス車内の自動放送でも案内がある。
両路線が乗り入れる停留所であっても、指定停留所(接続駅)以外での無料乗継には対応していない。また各ルートで発行される乗継券は、それぞれ外見が異なるため誤用できないようになっており、乗務員によって日付が記入されるため当日中しか使用できない。
5路線7ルート[1]のうち、6ルートが京王線府中駅を起点としている(一部始発を除く)。最も新しい「南町・四谷循環 四谷六丁目ルート」では初めて中河原駅が起点となった[12]。
ちゅうバスでは各ルートごとにラインカラーがあり、バス乗り場や方向幕の行先表示がわかりやすいように色分けされている。以下ルート名の前にラインカラーを示す。
府中駅の北東方面、府中駅 - 多磨町間を片道運行。多磨町、多磨霊園、府中の森芸術劇場、府中の森公園、ルミエール府中などの近辺を走行する。
府中駅の南東方面、府中駅 - 是政駅間を循環。是政、東京競馬場、多摩川競艇場、是政文化センターなどの近辺を走行する。
2012年より2015年1月まで、中央道府中バスストップの府中スマートIC併設工事のため、一部区間を迂回して運行された。
2017年4月17日のダイヤ改正時に経路を一部変更。是政五丁目 - 是政駅で是政橋高架下を経由し、府中街道西側へ延伸。これにともない是政停留所を府中街道東側から府中街道西側に移設した[7]。
市内北西部の北山町、西原町などを経由する循環系統。分倍河原駅、美好町、本宿町、武蔵台文化センターなどの近辺を走行する。
本宿町三丁目停留所付近は、小型バスでもすれ違いが困難な狭隘路線のため、交通警備員が常駐して誘導しており、北山町方向・府中駅方向の往復のバス乗務員が、路上に立つ警備員と無線で連絡し合った上で交互に通行している。
2017年4月17日のダイヤ改正時に経路を一部変更[7]。武蔵台文化センター西 - 西原町北でJR武蔵野線手前まで東八道路を往復する経路に延伸し、延伸区間に4箇所の停留所を新設した[7]。
2018年10月1日始発より、よつや苑西ルートとともに経路を一部変更[8]。国道20号(甲州街道)の渋滞を避け定時性を確保するため、往復ともに旧甲州街道(大國魂神社前)- 市役所方面の経路となり、府中駅手前の第一小学校停留所(府中駅方向のみ停車)が廃止され、国道20号(甲州街道)を経由しなくなった[8]。
経路は異なるが、京王バス中央の一般路線バス七小循環線(府46・府42)と同様に府中駅から北上し、東芝南門停留所、府中市立第七小学校付近を経由して、北山町地区を循環するラケット型循環路線となっている(七小循環線は隣町の西原町地区を循環する)。
2020年3月23日にバス停留所名を変更。京王バスの一般路線と共通の「JAマインズ北山支店前」の停留所名が「横街道」に変更された[9]。JAマインズ北山支店は2015年3月13日に閉店し西府支店へ統合されたが[13]、その後も停留所名に残っていたため、「分倍河原駅北」停留所とともに変更されたものである[9]。また、北山町循環の「分倍河原駅」停留所は、よつや苑西ルートとは異なり分倍河原駅バスロータリーではなく、MINANO裏手の旧甲州街道付近にあったが、2020年3月23日に停留所名が「分倍河原駅北」に変更された(場所は変わらない)[9]。
市内南西部の南町・四谷地区を循環する2つの系統。府中駅から中河原駅を経由するよつや苑西ルートと、2010年に新設された中河原駅発着の四谷六丁目ルートが、「南町・四谷循環」という一体の系統として扱われている。
中河原駅では乗り継ぎダイヤが組まれており、よつや苑西ルート府中駅方面・よつや苑西方面、四谷六丁目ルートが、30分ごとに3台そろうダイヤとなっている。また中河原駅では、よつや苑西ルート - 四谷六丁目ルート間の無料相互乗り継ぎ制度があり、車内で乗務員から乗継券を受け取る(#無料乗継制度を参照)。
よつや苑西ルートは、府中駅発着で中河原駅を経由し、よつや苑西方面を循環する。府中本町駅、分倍河原駅、府中市郷土の森博物館、中河原駅、住吉町、四谷などの近辺を経由する。分倍河原駅の停留所はバスロータリー内で、同じのりばから一般路線バスの郷土の森総合体育館方面(分52・府52)も発着する。ちゅうバス北山町循環の停留所とは場所が異なる。
四谷六丁目ルートは、ちゅうバスでは最も新しく開業した路線である。ちゅうバスで唯一府中駅を通らないルートで、中河原駅から発着し四谷六丁目地区を循環する。住吉町、四谷、日新町、三屋通りなどを経由する。経路の一部は京王バスの一般路線バス都営泉二丁目線(中02系統など)と重複している。
日新町・四谷北西部は、かつて京王バスの分53系統が、分倍河原駅 - 日野駅間を約20分間隔で運行していたが、沿線のNEC府中事業所の通勤利用に左右され本数が激減して朝夕数本の運行となった。この減便を補完する役割もある。
分53系統は、南町・四谷循環の開設に前後して毎日上下1本にまで削減。2009年3月14日にJR南武線西府駅が開業し、NEC府中事業所の最寄り駅が中河原駅から西府駅へ移った影響もあり、2012年4月からはさらに削減され、日野駅発が平日朝に1本運行されるのみとなった。
2010年3月29日には四谷六丁目ルートが新設され、中河原駅と駅から離れた四谷地区を結ぶバス需要を、京王バスの一般路線に代わり、ちゅうバス南町・四谷循環の2路線が担っている。
2011年8月15日より、一部ルートの再編・延伸が行われている。
2017年4月17日のダイヤ改正時に、四谷六丁目ルートの経路を一部変更。三屋通り中停留所から四谷通り経由に変更し、四谷通りに四谷四丁目停留所を新設。これにともない、三屋通り南・四谷駐在所西の両停留所は経由しなくなった。なお三屋通り南は京王バスの一般路線(中02系統など)、四谷駐在所西はよつや苑西ルートが引き続き停車する[7]。
2018年10月1日始発より、よつや苑西ルートの経路を一部変更。往復ともに旧甲州街道(大國魂神社前)- 市役所方面の経路となり、府中駅手前の第一小学校停留所(府中駅方向のみ停車)が廃止され、国道20号(甲州街道)を経由しなくなった。北山町循環でも同様に経路変更。なお一般路線バスは引き続き第一小学校停留所に停車する[8]。
2020年3月23日より、よつや苑西ルートで停留所の新設と既存停留所の名称変更が行われた[9]。停留所の間隔が長かった四谷一丁目東 - 中河原駅間に「住吉町四丁目」停留所を新設した[9]。また四谷五丁目停留所を「四谷さくら公園」に名称変更したが[9]、これは同年3月26日の、市立四谷さくら公園の拡張部分開園(整備工事2期)に伴うものである[14]。
市内東部と府中駅を結ぶ2つの路線で、それぞれ単体では片方向運行で循環路線ではないが、元は同じ府31系統を母体とする路線であるため(#沿革を参照)、両路線を一体として循環系統として扱っている。接続する武蔵野台駅で押立町ルート - 朝日町ルートの相互乗継が可能で、車内で無料乗継券を発行している(#無料乗継制度を参照)。
武蔵野台駅での押立町ルート - 朝日町ルート(朝日町・多磨駅方面)乗り継ぎに配慮したダイヤ設定となっているが、押立町ルート - 朝日町ルート(若松町・府中駅方面)乗り継ぎの場合は20分ほど待ち時間が必要となる。
押立町ルートは循環区間の南側を通る系統で、東京競馬場を経由して小柳町、押立町などを通る。朝日町ルートは循環区間の北側を通る系統で、東府中駅、若松町、白糸台、朝日町、榊原記念病院を通る。
上述のとおり、1997年より京王バスが運行していた府31系統をコミュニティバスとして再編した路線で、各ルートとも一部区間が重複している。再編時に府31系統の終点だった競艇場前駅南口を途中停留所としたことから小柳公園 - 競艇場前駅南口間は競艇場前駅南口を折返地点として往復するルートになっている。
府31系統からちゅうバスへの移行当初は60分間隔の運行であったが、当初より他の路線同様の30分間隔の運行が目指されていた[6]。その後利用者からの要望も多かったことから、2011年11月1日から2012年3月31日までの実験運行を経て、2012年4月1日より正式に30分間隔での運行が開始された。
2017年4月17日のダイヤ改正時に、朝日町ルートの経路を一部変更。府中駅方向のみ、榊原記念病院の東側から旧甲州街道を経由する経路に変更し、旧甲州街道に白糸台六丁目・白糸台三丁目東停留所を新設。また白糸台三丁目 - 武蔵野台駅南口間では京王線の高架をくぐる経路に変更し、押立町ルートが停車していた車返団地内郵便局に朝日町ルートも停車するようになった[7]。
「緑の府中」を表現したグリーンの、ちゅうバス専用カラーの車両で運行される。現行車種は以下のとおり。
2003年の運行開始時に日野自動車の小型路線バス、リエッセが新車導入され、リエッセは2011年の生産終了まで、ポンチョと並行して追加導入された。
リエッセは、環境に配慮して燃料に圧縮天然ガスを使用するCNG車となっている。リエッセは増備車もCNG車で導入されたが(最後期の1台を除く)、ポンチョとレインボーIIは通常のディーゼル車で導入されている。リエッセのCNG車は、ガスボンベを屋根の上に積んだ車両と、車内後部に積んだ室内CNGタイプの車両がある。室内CNG車は外見からはわかりにくいが、後部座席が狭くなっている。中央自動車道の低いガードをくぐる南町・四谷循環は室内CNGタイプの車両が使用されていたが、その後は区別なく各ルートで運用されていた。
リエッセはツーステップバスであるが、降車口に車椅子用リフトを装備したステップリフトバスが使用されており、車内には車椅子優先スペースも設けられている。その後さらなるバリアフリー対応のためノンステップバスが採用され、同じく日野自動車の小型車・ポンチョ(HX系、2ドアロングボディ)が導入された。これにより経年車のリエッセが順次代替されている。
是政循環では、運行開始当初はリエッセが投入されていたが、他の区間に比べ経路の道路に余裕があり利用者も多いため、当時から中型の一般路線車両が代走することがあった。2012年からは是政循環専用車として、日野自動車の中型路線バス・レインボーII(ノンステップバス)がちゅうバスカラーで導入されている。
車両整備などで専用車両が使用できないときは、京王バスカラーのポンチョが代走することがある。この場合もちゅうバス専用車両と同様に、前乗り後降り運賃先払いとなる。是政循環専用車が検査などの場合は一般路線用の中型車(または大型車)が代走に入ることとなり、ちゅうバス専用の小型車は使用されない。
2017年8月より府中市郷土の森公園交通遊園内に、ちゅうバスに使用されていたリエッセ(B20803号車・室内CNGタイプ)が展示車として保存されている[15]。
2019年4月、同じ京王バス府中営業所が担当する国分寺市ぶんバスと同時に車両が更新され、CNG車のリエッセはポンチョに代替されて消滅した。ディーゼル車のリエッセは2021年4月に廃車。
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