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観光バス
観光を主目的としたバス、あるいはその運行形態のこと。 ウィキペディアから
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観光バス(かんこうバス)は、「観光を主目的として製造されたバス(車両)」および「観光を主目的としたバスの運行形態」のこと。
車両
要約
視点
観光に使うことを主たる目的に製造されたバスであり、景色がよく見えるように座席の位置を地面からかなり高くしたり、座席の下、車両の脇から大量の荷物を積み込めるスペースを作ってある車両が多い。
観光バスは、通勤バスとは異なり、"立ち席"が無い。つり革などを握って立ったまま乗車できるような場所は設置されていないことが一般的である。観光バスの座席は前向き(forward‑facing)であり、リクライニングになっていることが多い。
観光バスの車内には、トイレやエンターテインメント設備が備わっていることも多い。
- 座席数
欧州の観光バスで標準的な 12 m クラスの"コーチバス"では、乗客座席 50–60 席あたりが一般的であるとする資料がある。ただし国・地域ごとに補助席や規則の違いがあるため、実際の「許可乗客数」はこの数字にプラスあるいはマイナスされる可能性がある。たとえば、"大型ラグジュアリー・バス"や"長距離コーチ"と分類されるあるバスでは、全長12.2 m〜12.8 m の車両で52席(+運転手+ガイド)となっている[1]。
- フロアの高さ(床の高さ)
観光バスは一般的に、通勤バスとは異なって床の地面からの高さ高いわけだが、車種により変動するが、たとえばチェコ製のen:SOR LH 12というバスだとフロア高さ(floor height)が約 1メートル(1,000 mm)とされている。
- 外寸
寸法はさまざまだが、欧州で観光バスに使われうる"コーチ"タイプのバスは、全長約 10–14 メートル、幅約 2.5–2.6 メートル が典型的だと説明されていることがある[2]。
- 車両重量、積載時の重量
これも幅があるが、SOR LH 12 の仕様では、車両総重量(Gross Vehicle Weight)は約1.1トン(10,930 kg)。"ラグジュアリーバス"や ツーリズム向けの"大きめのコーチ"と分類される車種では、フルロード時の総重量が 2トン弱(約 19,000 kg) とされる例もある。この重量は、普通の乗用車と比較すればかなり重いが、観光バスが旅客 +トランク室の荷物 +手荷物を標準的に積んだ状態は、トラックやダンプカーなどの大型貨物車両が荷台に重い荷物を満載した状態と比べれば軽い。
- エンジンやパワートレイン
観光バスの多くが伝統的にディーゼルエンジンを動力源としている。ただし一部の地域では、電気バスやハイブリッドバスへのシフトが少しづつ進んでいる。
一般的なディーゼルエンジン・バスの場合、エンジンは車両の後部・床下(rear/underfloor)に配置され、トランスミッションは後部エンジン直近にあることが多く、後輪駆動のものが多い。
トランスミッションは「6速マニュアル」が標準的ではあるが、オプションで8速自動パワーシフト(automated manual PowerShift) を提供しているメーカーもり、MAN Lion's Coachではエコ運転のために12段自動マニュアル(TipMatic)または 6段自動(Ecolife)という構成も提供しており、つまり近年では各社からさまざまな工夫をほどこしたトランスミッション(変速システム)が提供されている。
出力は車種によりかなり幅があり、出力の例を挙げると
- フランスとイタリアのバス製造会社であるイリスバスのある車種では次のようなものがある
- Irisbus Evadys HD – 280 kW (380 hp)
- Irisbus Evadys HD(より高出力の上位仕様車) - 330 kW (450 hp)
- Irisbus Iveco Magelys Pro 12.2 – 380–450 hp(おおよそ 280–330 kW 相当)
- トルコで組み立てられ欧州で比較的人気が高いen:MAN Lion's Coachという車種では次のようなタイプがある
- 324 kW (440 hp)
- 353 kW (480 hp) または 382 kW (520 hp)
- アメリカの首都ワシントンD.C.で使われている観光バス
- サンフランシスコで使われている観光バス
- ロンドンで使われている観光バス
- 東京都内を走行中の観光バス
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日本の観光バス
運行
日本の行政上の枠組みとしては、広義の観光バスには貸切バス事業によるものと乗合バス事業によるものを含むが、狭義には貸切バス事業によるもので都市間ツアーバスなどを除いたものをいう[3]。
狭義には道路運送法に規定される一般貸切旅客自動車運送(貸切バス)事業のうち、都市間ツアーバスなどを除いたものをいう[3]。一方、広義の観光バスには、一般乗合旅客自動車運送(乗合バス)事業による定期観光バスが含まれる[3][4]。
なお、日本では「周遊バス」や「観光周遊バス」に法的な定義がなく事業者により意味合いが異なる[5]。定期観光バスの中には「観光周遊バス」として運行されているものもあるが、統計やデータベースでは定期観光バスを「観光周遊バス」から除外しているもの(「観光周遊バス」を予約不要で観光地を循環する形態で1日に数便運行される形態などに限る)もある[5]。
ここでは主に道路運送法に規定される「一般貸切旅客自動車運送事業」のうち狭義の観光バスについて記述する(定期観光バスについては定期観光バスの記事を参照)。
日本国内では観光バス・高速バスに対しても、2009年7月からETC大幅割引が適用されるようになった[6]。
- 2台口以上の台数で走る場合は号車番号を付けて運用することがある。関東などでは頭から1号車、2号車、3号車となるが、近畿地方、東海3県(愛知県・岐阜県・三重県)では最後が1号車、その前に2号車・3号車という風に号車番号が付く(したがって先頭車に最大の号車番号がつけられる)ことが多い。これは対向車が何台のバスがつながって走っているかを早く認識できるようにするためと言われる[7]。一部には1/8と「号車番号/総号車」の表記や「8終」と表記するケースもある。この傾向は関西で顕著だが、東海の一部の事業者でも見受けられる。婦人会旅行、宗教団体、老人団体など4号車が忌み番として嫌われる場合「寿号車」などと表記する場合がある。
- 特定の観光地へ乗り入れるための専用車が用意されることがある。例えば長野県上高地へ向かう途中の釜トンネルは2006年に新トンネルが完成するまで道路幅・高さともに狭かったため、通常の大型ハイデッカーの乗り入れが不可能であった。このため全長・全高を抑えてショートホイールベースとした「上高地仕様」と呼ばれる仕様が存在し、上高地へのツアー輸送を多く受注するバス事業者で導入されていた[注釈 1]。
車両
携帯電話・携帯情報端末の普及に伴い、座席に充電用のコンセントやUSBポート[9]を設置したり、車両に公衆無線LANのアクセスポイント[10]を設置した例がある。
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中国の観光バス
香港
香港では屋根なしの2階建てバスのオープントップバスが名物になっている。香港のオープントップバスは全て自由席で、基本的に2階席であるオープントップ席を使用する。1階席もあるが通常は使用されず、急な荒天時などに使用されている。一般的にツアーの集合場所でバスに乗り込むが、自由席であり到着順に乗車する[11]。
揚州
揚州では観光客向けの移動手段として周遊バスが年中無休で運行している[12]。周遊1号線ルートと周遊2号線ルートの2つが設定されており、運賃は現金か市民カードまたは公共レンタサイクルカードで支払う[12]。
周遊バスのほかに3月から11月まで「旅行観光バス」が運行されており、観光客は当日チケットを持っていれば一日乗り放題となっている[12]。この「旅行観光バス」は大明寺を起点に運行ルートが設定されている[12]。
台湾の観光バス
この節のほとんどまたは全てが唯一の出典にのみ基づいています。 (2022年5月) |
台湾では台湾観光局が各地の旅行会社と提携する観光バスサービス「台湾観巴(Taiwan Tour Bus)」が運営されている[13]。これらの観光バス(ガイド付)は事前予約制で、台湾高速鉄道(台湾新幹線)や台湾鉄道の駅、空港、ホテルまでの送迎サービスがあり、各観光地との間で半日または1日のコースが設定されている[13]。
なお、台湾では鉄道主要駅等と観光地をつなぐ交通機関にシャトルバス「台湾好行」があり、エリアごとに観光地を巡回する乗降自由のバスとなっている[13]。
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観光バスの車両
メーカー
- BX212
- アストロメガ
- アクロン/アストロン
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ギャラリー
- ロケット状のマーカーランプを設置した例(富士重工業製車体)
- ロケット状のマーカーランプを設置した例(三菱ふそう・エアロバス)
- 上高地仕様(いすゞ・ガーラ(初代)、はとバス)
- 協同組合方式でカラーリングを統一した例(阿寒バス・ひがし北海道貸切バス事業協同組合の共通色)
- 百貨店系の旅行会社と契約して車両の仕様を契約先のツアー専用にした例(三越伊勢丹ニッコウトラベル/kmモビリティサービス「三越伊勢丹プレミアムクルーザー」)
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脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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