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羽佐間 重彰(はざま しげあき、1928年(昭和3年)5月3日 - 2023年(令和5年)6月19日)は、日本の実業家。位階は従三位。ポニー、キャニオンレコード、フジテレビジョン、ニッポン放送、産業経済新聞社の社長を務めた。東京府出身。
早稲田大学大学院文学研究科修了。志賀信夫(放送評論家)は、大学と大学院の同級生[3]。
大映企画部、日映を経て、1958年(昭和33年)8月、ニッポン放送に入社。ディレクター・プロデューサー時代には、倉本聰が補佐を務めた。石田達郎の一番弟子的存在の編成部長として、深夜放送『オールナイトニッポン』の基本フォーマットを考案し[4]、1967年(昭和42年)から放送を開始。その後、常務、専務を歴任した。
ポニーおよびキャニオンレコード社長を経て、1985年(昭和60年)6月、フジテレビ社長に転じるが、1988年4月、フジサンケイグループ議長で同社会長の鹿内春雄が急逝。隠居同然だった父・鹿内信隆は急ぎ、佐藤宏明を身代わりの婿養子に仕立てグループの統率を図ったが、併せて社長人事にも手を付けた[5]。信隆はかねて、「羽佐間は春雄のやろうとすることを邪魔ばかりしている」と強い不満を持っていたこともあり、6月、羽佐間を更迭して日枝久を社長に据え、羽佐間はニッポン放送社長に回った[5]。
1989年(平成元年)10月、信隆は宏明を世界に向けて"披露"しようとその引き立て役としてレーガン前大統領を招待する[6]。グループ内には、新聞、テレビ、ラジオなど各社を横断する大規模な「招聘実行委員会」が設けられるが、宏明はそのヘッドに羽佐間を就けた[7]。かつてない一大プロジェクトの責任者を任され、当人も意気に感じたに違いなく、ニッポン放送社長に転出させられ、やや気落ちしているように見えていた表情にも、持ち前の明るさが戻ったという[8]。
1992年(平成4年)6月、産業経済新聞社社長に就く。7月21日、羽佐間を社長に迎えてから、初めての取締役会で宏明(フジテレビ、ニッポン放送代表取締役会長、グループ議長兼任)は[9]、代表取締役会長を解任される。クーデター派は、2時から緊急社員大会を招集した[10]。社員にはまだ馴染みのない社長の羽佐間が、さすがに興奮気味に声明文を読み上げた[11]。「さきほど開かれた定例取締役会で、代表取締役会長、鹿内宏明氏の解任を決議しました」。集まった数百人の思いはさまざまだがどよめきが起き、ともかく盛大な拍手が続いた[11]。羽佐間は続けて、「(解任したのは)新聞を代表するものとして不適格であると判断したからであります」「新聞倫理綱領に明記されているように、新聞事業の公共性が認められているからこそ、新聞人には独特の社会的責任が要求されております。この点について、鹿内氏は新聞の代表者として持つべき資格が欠落していた、と言わざるを得ません。本日の決議はその意味でマスコミが本来持つべき自浄作用が働いた結果と申すべきかと思います」[12]。この声明文は、産経の中で唯一、当初からフジテレビと気脈を通じてきた専務の近藤俊一郎(のち副会長)が書いたものだった[12][13]。同日の記者会見では、たださえ解任劇が珍しいことに加えて同じマスコミ企業で起きた電撃的なクーデターあることから異様な熱気を孕み、詰めかけた新聞、テレビ、雑誌記者で立錐の余地もなく埋まった[14]。解任の理由について、記者の質問が入れ替わり立ち替わり社長の羽佐間に対して執拗に続いた[14]。不適任の理由を説明してほしい。「言論、報道にかかわる新聞の代表者には、私心がなく、公正な経営姿勢が厳しく求められています。その点が不適格と判断したわけで、役員一人ひとりそれぞれ受け取り方が違いますから、具体的なことについては申し上げられません」[15]。
1997年(平成9年)6月、産経会長に退き、同年から2003年までは、フジサンケイグループ代表を担った。産経時代は、北村経夫(参議院議員)が秘書を務めている[16]。
2023年(令和5年)6月19日、老衰のため死去した。95歳没[17]。死没日付をもって従三位に叙された[2]。10月5日、The Okura Tokyoで開かれたお別れの会には約900人が参列。献花して故人を偲んだ[18]。
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