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微生物が存在しない状態 ウィキペディアから
滅菌(めっきん、英語: sterilization)とは、増殖性を持つあらゆる微生物(主に細菌類)を完全に殺滅又は除去する状態を実現するための作用・操作をいう[1][2]。滅菌に関する国際規格であるISO 11139においては、ある物について微生物が存在しない状態にする検証された工程であるとしている。
微生物を完全に殺滅・除去された状態を「無菌(状態)」というが、現実には完全な無菌を保証することは困難である[注釈 1]ため、通常「滅菌」とは、微生物が生育できる可能性を限りなくゼロに近づける行為を指して使用される。医療機器の滅菌においては、滅菌後の医療機器に微生物等が存在する確率を示す指標として「無菌性保証水準(Sterility Assurance level, SAL)」を用い、10-6以下を達成することで無菌性を保証しているとする[3]。
主に医療分野や細胞レベル以下を扱う実験生物学で重視される。ただし、医療現場では消毒のために増殖能力を喪失させる不活化が主目的であるのに対し、分子生物学や生物工学ではDNAやRNAなどの分子構造までも破壊し尽くすことが求められる。
医療の歴史においては、フランスの生化学者ルイ・パスツールにより、微生物の自然発生が否定され、イギリスの外科医ジョセフ・リスターが手術などの後に、傷口から化膿してくるのは、侵入した微生物が原因であると分析した。ここから、外科手術にあたって煮沸以外の方法で手や手術器具を消毒する研究が行われ、フェノールやヨードチンキなどの消毒剤が考案された[4]。
類似・関連する概念として、殺菌、消毒、洗浄がある。医療機関における再使用可能な鉗子その他の医療機器の滅菌や、医療機器の製造工程における滅菌にあたって、滅菌の効果を的確に得るためには、十分に洗浄を行って、あらかじめ付着している微生物の数(バイオバーデン)を減少させておくことが重要である。
滅菌条件の設定には下記のような方法により、条件の設定を行なう。
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