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シンガーソングライター・中島みゆきの楽曲 ウィキペディアから
「時代」(じだい)は、中島みゆきが作詞・作曲した歌である。1975年に中島自身によって発表され、同年に中島の2作目のシングルとしてキャニオン・レコードからリリースされた。その後も別バージョンがたびたび作られ、アルバムやシングルに収録されている。また、他の多くの歌手によってもカバーされている。また、この曲は日本の歌百選に選ばれた。
この曲は、1975年10月のヤマハ音楽振興会主催の『第10回ポピュラーソングコンテストつま恋本選会』[1]、同年1975年11月16日の『第6回世界歌謡祭』にてグランプリを受賞した[2]。同年にシングルが発売され、20万枚のヒットとなった[3]。
『第10回ポピュラーソングコンテストつま恋本選会』でグランプリ受賞後のアンコールで中島は、バックのオーケストラに耳打ちをした後に突如、ギター一本で「時代」を披露した。当時の『ポピュラーソングコンテスト』としては異例だったため、その後の新聞や雑誌などでは、バッシングが相次いだ。これには理由があり、ヤマハの創設者である川上源一に「あなたはすごい詞を書く。将来、詞で勝負するようなアーティストに育ってほしい。できれば、大音量をバックにするよりも、ギター一本で歌ったほうが、あなたの詞が人々に伝わると思います」という言葉に中島が感銘を受けたからだという[4]。
後年、卒業式で歌われたり、音楽の教科書に掲載されたりして親しまれ、2007年に「日本の歌百選」にも選ばれている。
2010年にはフジテレビ開局50周年記念ドラマ『わが家の歴史』のエンディングテーマとしても用いられた。
本作は4⁄4拍子で記譜すると三連符を多用せねばならないため、12⁄8拍子で記譜されることもある[5]。
オリジナルのシングルは、1975年12月21日にキャニオン・レコードからリリースされた。編曲者の船山基紀は、後に薬師丸ひろ子のカバー版でも編曲を担当している。
このシングルにはジャケットが2種類存在し、世界歌謡祭の時にアコースティック・ギターを手にして唄う中島の写真を用いたものと、デビュー当時の中島が軌道を横断しようとしているものである。後者のジャケットの撮影場所は、江ノ島電鉄・腰越駅付近。後者の方が稀少である。
オリコンチャートによると売上は16.4万枚と推定されている[6]。
「時代」は、翌1976年リリースの1枚目のアルバム『私の声が聞こえますか』にも収録された。これは、中島自身のアコースティック・ギターのみの伴奏によるシンプルな別ヴァージョンである。
中島は1993年に、アルバム『時代-Time goes around-』でセルフリメイクしている。編曲は瀬尾一三、ストリングス・アレンジはデヴィッド・キャンベルが手がけている。同年にシングル化もされている(後述)。
初期の代表曲とも言えるこの曲を再び取り上げた経緯について中島は、
卒業式で『時代』を使ってくれる学校が多いということを聞き、大変嬉しく思いました。しかし、だいぶ前に発表した作品なので、音が古いことが気になっていました。そこで、現代の音でもう一度この曲を作り直してみたくなったという気持ちがしました。
と語っている。
導入部分で聴かれるライブの音源は、前述の世界歌謡祭の受賞発表の様子で、受賞者・中島みゆきの名を日本語で発表しているのは司会の坂本九、続く英語通訳はジュディ・オングである(両名はこのアルバムの「スペシャル・サンクス」欄にクレジットされている)。
中島本人が出演する郵政省の年賀はがきのCMで、1993年から2000年まで8年連続で使用された。
アルバム『時代-Time goes around-』に収録された1993年録音版は、「最後の女神」とのカップリング(両A面扱い)でシングルカットされ、同年12月1日に『時代/最後の女神』として発売された。このシングルでは、冒頭のライブ音声がカットされている。
2022年11月28日にこのシングルは、ヤマハミュージックコミュニケーションズによりデジタル・ダウンロード配信された。
2012年のシングル『恩知らず』のカップリングには、「時代 -ライヴ 2010〜11-」として収録された。これは2010年から2011年にかけてのコンサートで披露されたライブテイクを収録したものである。
2018年に発売されたライブ・アルバム『中島みゆき ライブ リクエスト -歌旅・縁会・一会-』には、2012年から2013年にかけてのコンサートツアー『中島みゆき「縁会」2012〜3』で披露された「時代」のライブ音源が収録された。
シングル化されたカバー版の使用例については、カバー版の各節を参照。
薬師丸ひろ子による「時代」は、通算12枚目のシングルとして、1988年7月29日に東芝EMIから発売された。
映画『ダウンタウン・ヒーローズ』のイメージ・ソングに使用されたほか、CX系列『なるほど!ザ・ワールド』のエンディング・テーマとしても使用された。この「時代」も収録されたアルバム『Sincerely Yours』(1988年4月6日)では、中島からオリジナル楽曲「おとぎばなし」の提供も受けている。ほか、前年発売のアルバム『星紀行』(1987年7月6日)には「空港日誌」「未完成」を収録している。これら提供曲のうち、「空港日誌」「未完成」「おとぎばなし」は、後に中島がセルフカバーをしている。「空港日誌」はシングル「涙 -Made in tears-」のカップリング曲として1988年10月21日に発売(1994年4月21日には『Singles II』でアルバム収録)、「未完成」は『回帰熱』(1989年11月15日)、「おとぎばなし」は『おとぎばなし-Fairy Ring-』(2002年10月23日)にそれぞれ収録された。
B面曲「花のささやき」は、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番の第2楽章の旋律に詞を付けた曲である。アルバム『花図鑑』(1986年)にも収録されている。
Geminiart High Qualityによる「時代」は、自身唯一のシングルとして2001年7月25日にキングレコードから発売された。
当時、現役音大生だったKanaとTaguによる2人組のヴァイオリン&ボーカルユニット・Geminiart High Quality(ジェミニアート・ハイ・クオリティ)の唯一のシングルとしてリリースされた。
表題曲は、テレビ東京系で放送された深夜アニメ『コスモウォーリアー零』のオープニングテーマに使用された[11]。
德永英明による「時代」は、自身の34枚目のシングルとして、2005年8月31日にユニバーサルシグマから発売された。
初のカバー・アルバム『VOCALIST』先行シングル。
德永が出演した映画『旅の贈りもの 0:00発』の挿入歌。
一青窈による「時代」は、2011年に配信限定シングルとして発売された。
一青としては初の配信限定シングルとなる。また、本作はデビュー10周年を記念して行われた10か月連続配信企画の第1弾である[12]。
浜崎あゆみによる「時代」は、2024年3月25日に配信限定シングルとしてリリースされた。
配信限定シングルとして前作『MASK』より約1年4か月ぶりのリリースとなる。カバー曲による配信限定シングルとしては2021年の『春よ、来い』以来、約3年ぶりである[13]。
浜崎は本作のカバーについて、ビルボード・ジャパンにて以下のように語っている。
今回のこのドラマが描き出す世界観、特に、女性の社会進出が全く認められていなかった時代に夢を追いかけ続けた主人公たちのストーリーに共感し、主題歌を引き受けさせていただきました。中島みゆきさんの偉大な名曲に敬意を表しながら、最高のスタッフ、ミュージシャンたちと共に制作に臨み、私なりに精一杯表現させていただきました。
素晴らしいドラマに少しでも力添え出来ていると嬉しいです!—浜崎あゆみ[14]
時代
傷ついた翼
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