『恋する寄生虫』(こいするきせいちゅう)は、三秋縋の長編小説。2016年9月24日にメディアワークス文庫から刊行された[1]。極度の潔癖症に悩まされ、人間関係を築けずに孤独に過ごす青年と、視線恐怖症で不登校の女子高生の、寄生虫によってもたらされた恋愛模様を描く。
2021年11月12日に映画版が公開された[2]。
- 高坂賢吾(こうさか けんご)
- 潔癖症に苦しむ孤独な青年。27歳。
- 大学卒業後、地方の小さなシステム開発会社に就職したが、自己都合で退職。その後職場を転々としており、現在は失業中。
- 佐薙ひじり(さなぎ ひじり)
- 女子高生。視線恐怖症で不登校になっている。17歳。
- 髪はプラチナブロンドのショートカット。賢吾と初対面の時は喫煙しており、最も苦手とするタイプだと賢吾に感じさせた。
- 和泉(いずみ)
- 正体不明。賢吾がコンピュータウィルス[注 1]を作成したことを何故か知っている。
- そして、告発されたくなければ、ある子供の面倒を見てもらうと言ってくる。子供の名前は佐薙ひじりだった。
- 甘露寺豊(かんろじ ゆたか)
- 大学病院の医師。研究のため自ら新種の寄生虫に感染する。
- 和泉加奈(いずみ かな)
- 和泉の娘。強迫性障害で通院していた。主治医である甘露寺と心中してしまう。
- 桜井優美香(さくらい ゆみか)
- 加奈の親友。臨床心理士を目指している。賢吾のよく行くコンビニでアルバイトをしている。
- 瓜実(うりざね)
- ひじりの祖父。医師。診療所を経営している。
- 長谷川祐二(はせがわ ゆうじ)
- 新種の寄生虫の感染が疑われていた。
- 聡子の夫。甘露寺が治療を開始しようとすると聡子と共に来院しなくなり、自ら命を絶ってしまう。
- 長谷川聡子(はせがわ さとこ)
- 甘露寺が主治医。祐二と共に自ら命を絶ってしまう。
ホタテユウキによるコミカライズが『月刊少年エース』にて2018年9月号から[3]2020年2月号まで連載され[4]、角川コミックス・エースから刊行されている[5]。
2021年11月12日に公開された。監督は柿本ケンサク、主演は林遣都と小松菜奈[2]。
キャッチコピーは「その虫は「恋」に寄生する」。
キャスト
主要人物
- 高坂賢吾(こうさか けんご)
- 演 - 林遣都(幼少期:盛永晶月[11]、中学生時代:吉田怜音[12] )
- 極度の潔癖症で、人と関わることができずに生きてきた青年。
- 佐薙ひじり(さなぎ ひじり)
- 演 - 小松菜奈(幼少期1:沼田明莉(写真)[13]、幼少期2:西村瑞季[14])
- 寄生虫が好きで、視線恐怖症に苦しむ不登校の高校生。
- 和泉(いずみ)
- 演 - 井浦新[15]
- 高坂の前に突如現れ、佐薙と引き合わせる謎の男。
- 瓜実裕一(うりざね ゆういち)
- 演 - 石橋凌[15]
- 佐薙の祖父。
賢吾の関係者
- 中学の体育教師
- 演 - 青山隼[16]
- 体育館での授業中に倒れた賢吾を助け起こそうとするが、嘔吐されてしまう。
- 元恋人
- 演 - 中上サツキ[17]
- 賢吾のために料理を作るが、無理に食べたあげく嘔吐されてしまい、別れている。
- 会社の上司
- 演 - 竹森千人[17]
- 寄生虫の治療後に就職したシステム開発の会社の上司。
- 職場での賢吾の大活躍を超即戦力だと嬉しそうに言う。
- 会社の同僚
- 演 - 徳留歌織[17]
- 入社後一週間で卓越した能力を発揮した賢吾を褒めちぎる。
その他
- カフェの店員
- 演 - 安倍萌生[17]
- リハビリのため来店した賢吾とひじりに接客する。
- ハンバーガーショップの店員
- 演 - マリアユリコ[17]
- リハビリを兼ねて食事に来た賢吾とひじりに接客する。
- ひじりが遊園地(ファンタジーランド東京)のペアチケットを当てる。
- イベントの司会者
- 演 - 嶋村友美[17]
- クリスマスのカウントダウンイベントの司会をする。
- 賢吾がウイルスの起動を待っていたが、結局起動はしなかった。
注釈
「Silent Night」という名。12月24日の17時に作動し 感染端末の通信機能を2日間にわたってオフにするため、クリスマスの夜に友人や恋人と連絡が取れなくなり、一人静かに過ごす羽目になる。
出典
『キネマ旬報』 2022年3月下旬特別号 p.32
『恋する寄生虫』劇場用プログラム/編集・発行:(株)ムービーウォーカー
“映画『恋する寄生虫』”. 東京ロケーションボックス. 東京都産業労働局. 2021年11月25日閲覧。