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富士急行2000形電車(ふじきゅうこう2000がたでんしゃ)は、2001年(平成13年)に登場した富士急行の特急形電車である[1]。
富士急行2000形電車 | |
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2001号編成 2016年1月撮影 | |
基本情報 | |
運用者 | 富士急行 |
種車 | 165系「パノラマエクスプレスアルプス」 |
総数 | 6両 |
運用開始 | 2001年12月31日[1] |
運用終了 | 2016年2月7日[2] |
投入先 | 富士急行線 |
主要諸元 | |
編成 | 3両[3](2M1T) |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
電気方式 | 直流1,500 V(架空電車線方式) |
最高運転速度 | 60 km/h[4] |
編成定員 | 106名[4] |
編成重量 | 114 t[4] |
最大寸法 (長・幅・高) |
21,075 × 2,950 × 4,088 mm[5](クロ2000形) 20,000 × 2,950 × 4,090 mm[5](モロ2100形) 20,400 × 2,950 × 4,088 mm[5](クモロ2200形) |
台車 |
DT32B[4](電動台車) TR69B[4](不随台車) |
主電動機 | MT54[4] |
主電動機出力 | 120 kW × 4[4] |
歯車比 | 19 : 80 = 4.21[4] |
制御方式 | 直並列・弱め界磁抵抗制御[4] |
制御装置 | CS15B[4] |
制動装置 |
SELD発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ[4] 耐雪ブレーキ[4] 直通予備ブレーキ[4] |
保安装置 |
ATS[5] EB・デッドマン装置[5] 列車無線[5] |
2001年(平成13年)9月に東日本旅客鉄道(JR東日本)所有の165系電車から改造されたジョイフルトレイン「パノラマエクスプレスアルプス」を富士急行が購入し整備ならびに仕様変更を施工した車両である[3]。クロ2000形、モロ2100形、クモロ2200形で構成された[1]3両編成で運用された[3]。
2001年12月31日[1]から年末年始期間中に営業運転を行い、翌2002年2月28日より「フジサン特急」としての運行を開始した[3]。
2014年2月に後継の8000系の導入に伴い2002号編成が[6]、2016年2月7日に8500系の導入に伴い2001号編成が運用を終了した[2]。
富士急行線の沿線には富士山、富士五湖を初めとした観光地が存在し、富士急行ではJR線からの直通運転などを行い首都圏からの利便性を向上させようとしていた[3]。1998年7月には1200形を使用した有料特急である「ふじやま」の運転を開始し、中央本線と富士急行線を乗り継いだ新宿-河口湖間の所要時間を最短1時間41分まで短縮したが[3]、この頃には既に「将来的に世界的な観光地である富士山麓地域にふさわしい特急形車両を導入する」という考えを持っていた[1]。3年後の2001年9月に同線への入線実績があった「パノラマエクスプレスアルプス」6両を譲受した[3][注釈 1]。
「記念写真を撮りたくなるような斬新なデザイン」をコンセプトとした[1]車体デザインの決定には時間がかかり、当初提案した10種類程のデザインは全て社長に却下された[8]。その後営業推進室のデザイナーが遊び心で製作したキャラクターを用いた車両デザインを提案し採用された[8]。
この項目では富士急行入線時の仕様について記述する。
外装は白を基調とし、富士山をモチーフとしたキャラクターが車体外部に98種類、車内に3種類の[要出典]計101種類[7]が描かれた。また「フジサンクン」は2編成共通のキャラクターであるが、それ以外のキャラクターは2編成ですべて異なる。[要出典]これらのキャラクターには全て名前が付けられている[7]。
内装は「パノラマエクスプレスアルプス」時代とは大きな変更はなく、展望席を除き1,350 mmのシートピッチで座席が並ぶ客室部[7]や、クロ2000形の展望室・ラウンジ席ならびにモロ2100形の個室もそのままの状態で残された[1]。
富士急行線は全車両禁煙であるため、座席の灰皿を封鎖、同時に折り畳み式テーブルも封鎖した[7]。クロ2000形およびクモロ2200形の車内にあった自動販売機を撤去し、モロ2100形車内に新たな自動販売機を設置した[7]。また、クモロ2200形のトイレ・洗面所を、モロ2100形の洗面所内の冷水器、アイスクリームストッカーを封鎖した[7]。加えて各車両客室にあった速度計・時計などの車内案内情報装置[1]、車内インターホンを撤去した[7]。
運用開始後にクロ2000形のラウンジ席とモロ2100形の個室に扇風機を設置した[7]。
モロ2100形・クモロ2200形の車内では、クロ2000形からの前面展望をモニターで視聴可能とされた[要出典]。
富士急行線には各所に急勾配が存在し、安全確保のため保安ブレーキを新設した[7]。また、厳冬期間対策として保温回路の増設・改造を行い、河口湖駅留置線に外部電源給電箱を設置した[7]。
2001年12月31日から2002年1月3日にかけて[9]のデモ運転を経て、同年2月28日に運転を開始した「フジサン特急」に充当された[7]。運転開始時点では平日上下13本、土休日上下15本が「フジサン特急」として毎日運転された[7]。
2編成で展望車両の向きが異なるが、これは「上り下り双方で前面展望をお楽しみいただきたい。」という考えによるもので、車両運用は固定されていた[7]。
号車番号は展望車から順に1, 2, 3号車とされ、1号車は指定席車両、2号車と3号車は自由席車両とされた[7]。2号車の個室は指定室として設定された[7]。
2013年10月11日に小田急電鉄から20000形RSE車1編成7両を同年11月11日に譲渡。3両編成に短縮改造を施工し8000系として2014年夏から運行することが発表された[10]。
それに伴い2002号編成は塗装をJR東日本時代の「パノラマエクスプレスアルプス」色に復元し、2013年11月30日に富士急電車まつりで公開。同日より運用を開始した[11]。同編成は2014年2月9日にイベント運用で終了予定だったが、記録的な大雪により中止となり[12]、同月10日付で廃車[6]され年度内に解体[13]。同年5月18日には同編成を含むフジサン特急関連記念グッズ販売会が開催された[14]。
一方の2001号編成も2015年度中にJR東海から譲渡された371系を改造した8500系「富士山ビュー特急」への置換えに伴い[15]、2016年2月7日で運用終了[2][注釈 2]。これに先立ち2015年12月19日に富士山駅で記念グッズ販売会が開催された[16][注釈 3]。
廃車後はクロ2001が下吉田駅構内の「下吉田ブルートレインテラス」で保存されている[18]。
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