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大神氏は、568年(欽明天皇29年)の古墳時代に豊国に入り、鷹居社を建立した大神比義(おおがのひぎ)が祖の前身である。諸説あるが、鷹居社が宇佐神宮になってからも大宮司・祝・禰宜などとして奉仕していたところ、道鏡事件や摂関政治により劣勢となり速見郡大神郷に移住したという説、あるいは豊前国大野郡に移住したなどの説がある。
家祖の大神惟基は、7世紀前半に豊後国・豊前国で神社興しや開拓を行った旨の神社縁起等がある一方(後述)、1053年(天喜元年)頃に武家としての大神惟基が現れたという説もある[1]。
中世期には豊後における有力な在地武士の一族であったが、鎌倉時代には、代官として大友氏初代当主能直の弟である古庄重能が豊後国に下向し守護に任じられたため、大神氏系の一族はこの入国の際に激しく抵抗した。しかし、第3代大友氏当主の頼泰以降は大友氏との養子縁組等により、大友氏の土着化が進み、大神氏の勢力は衰退し、次第に大友氏家臣団に組み込まれた。
日田郡の小迫辻原遺跡からは、3世紀末から4世紀初頭の豪族の環壕居館の遺構が発見されている。玖珠郡には6世紀中頃のものとされる亀都起古墳があり[2]、これと併せてスサノオノミコトを祀った亀都起神社が建立されている。 速見郡大神郷の大神村には、大神比義館跡や大神八幡が残っていたことがあり、深江村浜口にも深江城があった[3]。大神氏は他、大野川及び大分川の流域の大野郡や直入郡、海部郡も版図としていた。
豊後国の山林地帯は、日田郡と福岡湾の大宰府が朝倉街道(国道386号)で接続されており、日田郡と別府湾は豊後街道で接続され、いずれも貴船神社が多く建立されている。
568年(欽明天皇29年)、大神比義が勅命を受けて豊前国に鷹居社を建立し祈祷につとめ[4]、その子孫は代々宇佐神宮の創祀や宮司職に関わっていたとするものである。のちの710年(和銅3年)には勅定を得て宇佐神宮を建立し、その子孫は祝部、小山田の2氏を始めとして数百の家に繁栄したというの説(中野幡能等)。
宇佐郡
大神比義(敬神崇祖)
欽明天皇廿九年應神天皇の神霊八幡大神の御名を顕し奉りて朝廷に奏聞し 神主と成りて常に奉仕し後 復元明天皇和銅三年 鷹居山にて神勅を受け 辛島勝乙目と共に朝廷に奏聞し 勅定を得て 始て八幡大神の宮殿を建て奉仕せり 此即ち大神氏の祖にして 子孫祝部 小山田の両家を始め数百家に繁栄せり—大分県教育会『修身科郷土資料集成』[5]
720年(養老4年)の隼人の乱の逸話に、宇佐八幡に神託を仰いだ朝廷に対し八幡神が「我ゆきて降しおろすべし」と自ら征討に赴いたというものがあるが、このことにも祭司であり武家であった大神氏の関与がありうる。
大神氏は禰宜職、及び後には大宮司職を継ぎ、769年の道鏡事件の頃に宇佐氏と争ったという逸話もある。ただし小山田氏は宇佐神宮を離れていない[注釈 2][注釈 3]。
家祖の惟基もまた神社興しを行っている。また、仁聞が創設したとされる六所権現(阿南神社、惟基の息子とされる阿南の荘)は、仁聞(人聞)の日本書紀での記録が第11代垂仁天皇紀から第21代雄略天皇紀であるため6世紀の造営である可能性があるが、養老年間の創建とする説もある。
886年(仁和2年)に大神良臣が豊後介として入り、その子庶幾が大野郡領としてとどめられた。その子の大神惟基(おおが これもと)を豊後大神氏の始祖とする。太田亮の調査による。
大神氏(おおみわし)は大神吉成(筑後介、従六位下)から九州へ移住しており[注釈 4]、また887年『日本三代実録』(仁和3年3月)によれば、大神良臣(豊後介、従五位下)の官位請求と朝廷の認可の記録があり、「左大史外従五位下豊後介貞観四年改賜大神朝臣姓寛平四年三月再任豊後介既満期任當去其職百姓惜慕請留其子庶幾」(大神朝臣良臣の時に農民から懇願され寛平4年(892年)3月に豊後介(豊後守)に再任された)との記録もあり[注釈 5]、大神良臣が、豊後国の国司となり、領民から懇願されて留まったことまでは事実とみられる。
大神氏を含め37氏族[7]。
光吉氏、幸弘氏、吉籐氏、十時氏、由布(油布)氏、三重氏、野津原氏、堅田氏、高野氏、松尾氏、吉藤氏、行弘氏、太田氏、板井氏、釘宮氏、上野氏、早稲田氏などが大神氏族であるという説[要出典]もある。
続柄不明の大神姓の人物も含め主な人物を挙げる。各庶家の著名な人物は各記事を参考。
建速須佐之男命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
八島士奴美命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
布波能母遅久奴須奴命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
深淵之水夜礼花命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
淤美豆奴命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
天之冬衣命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
大国主命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
都美波八重事代主命 | 味鉏高日子根命 | 高比売命 | 建御名方命 (洲羽国造、木蘇国造等祖) | ||||||||||||||||||||||||||||
天事代籤入彦命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
天日方奇日方命 | 比売蹈鞴五十鈴媛命 | 五十鈴依姫命 | 天八現津彦命 (都佐国造、長国造、億岐国造等祖) | ||||||||||||||||||||||||||||
飯方巣見命 | 渟名底仲媛命 | ||||||||||||||||||||||||||||||
建瓶尻命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
豊御気主命 | 久斯気主命 (伊勢宇治土公、石辺公、狛人部等祖) | ||||||||||||||||||||||||||||||
大御気主命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
建飯賀田須命 | 阿田賀田須命 (宗像朝臣等祖) | ||||||||||||||||||||||||||||||
大田田根子命 | 大多彦命 (神部直等祖) | ||||||||||||||||||||||||||||||
大御食持命 | 大深水命 (役公祖) | ||||||||||||||||||||||||||||||
大友主命 (負大三輪君姓) | 大鴨積命 (鴨君、鴨部祝、三歳祝等祖) | 田田彦命 (大神直、神部直、神人部直、大網造等祖) | |||||||||||||||||||||||||||||
志多留命 | |||||||||||||||||||||||||||||||
石床君 | 武自古君 (掃部君等祖) | ||||||||||||||||||||||||||||||
身狭君 | 五百島君 (引田君、私部君、波多君等祖) | 磐子君 (真神田君祖) | |||||||||||||||||||||||||||||
都々古君 | |||||||||||||||||||||||||||||||
伊志美君 | |||||||||||||||||||||||||||||||
特牛君 | 大神比義君 (大神朝臣等祖)(大神祖) | 布須君 (大神栗隈君等祖) | 末斗君 | ||||||||||||||||||||||||||||
忍人君 | 逆君 | ||||||||||||||||||||||||||||||
磐弓君 (称真神田君姓) | 小鷦鷯君 | 弟隈君 | |||||||||||||||||||||||||||||
大口君 | 広見君 | 色夫君 | 利金君 | ||||||||||||||||||||||||||||
子首 | 高市麿 | 安麿 | 狛麿 | ||||||||||||||||||||||||||||
広目 | 島足 | ||||||||||||||||||||||||||||||
清麿 | |||||||||||||||||||||||||||||||
大神吉成[系図 1] | |||||||||||||||||||||||||||||||
大神良臣[系図 2] | |||||||||||||||||||||||||||||||
大神庶幾[系図 3] | |||||||||||||||||||||||||||||||
諸任 | |||||||||||||||||||||||||||||||
惟任 | |||||||||||||||||||||||||||||||
大神惟基 | |||||||||||||||||||||||||||||||
三田井政次 | 阿南惟季 | 稙田季定 | 大野基平 | 臼杵惟盛 | |||||||||||||||||||||||||||
〔三田井氏〕 | 〔阿南氏〕 | 〔稙田氏〕 | 〔大野氏〕 | 〔臼杵氏〕 | |||||||||||||||||||||||||||
○系譜脚注
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