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中央公論新社が発行する新書レーベル ウィキペディアから
中公新書(ちゅうこうしんしょ)は、中央公論新社(読売新聞グループ)が発行している新書レーベル9の1つ。現行の新書レーベルでは岩波新書に次ぐ歴史がある。サブレーベルとして中公PC新書、中公新書ラクレがある。
1962年(昭和37年)11月に創刊。「中公新書刊行のことば」で「現代を真摯に生きようとする読者に、真に知るに価する知識だけを選び出して提供すること」という目標を設定し、新書が「現代を自らの目で見つめようとする、逞しい知的な読者の活力となる」ことを望んでいる。
企画創立時の編集者の1人が、後に紀行作家となった宮脇俊三(当時、中央公論社第二出版部部長)で[1]、宮崎市定『科挙』をはじめ多数を編集担当した。1991年(平成3年)1月に通巻1,000点、2009年(平成21年)5月に通巻2,000点を達した。
装幀は、建築家の白井晟一が担当[2]。本体・カバーは共に、創刊当時から深緑色と白色が基調となっている。1989年(平成元年)10月にビニールカバーから表紙カバーに変更された。背表紙などに用いられている、緑地に白抜きで「RC」と書かれた中公新書のマークは、「中央公論」の英語名CentralReviewの頭文字からとられている。マークは安野光雅により、現在までに2度デザインが更新されている。1度目は創刊20周年にあたる1982年(昭和57年)11月に発表された、グーテンベルク印刷をイメージさせるもの、2度目は通巻2,000点を達成した2009年(平成21年)5月に発表された、不思議な動物をイメージさせるデザインのものである。
安野デザインは、書籍の帯や広告、公式ツイッターの壁紙などに使われているが、新書の背表紙に使用されているマークは創刊当時から変更されておらず、現在も当初のマークが使用されている。重版時の表記は、一般的には重版されれば奥付に「初版第2刷」と表記されるが、中公新書の場合「刷」という表記は用いず、重版が続くと「重版」「3版」「4版」…と表記されていく。
創刊第一冊目の桑原武夫編『日本の名著』はロングセラー(改版2012年)。新書による読書ガイドの嚆矢で、『〜の名著』はシリーズ刊行している。2009年(平成21年)には、5月に熊野純彦編『現代哲学の名著 20世紀の20冊』を、12月に同編『日本哲学小史 近代100年の20篇』を刊行した。他に1990年代以降『物語〜の歴史』のタイトルで、世界各国・地域の歴史をシリーズ刊行している。
人文歴史・社会科学の各分野で、改版・増補版を度々行っている。美術史関連(『正倉院』、『仏像』等々)も、多く刊行している。この分野でのロングセラーに、青柳正規『皇帝たちの都ローマ』、高階秀爾『近代絵画史』(改版2017年)などがある。
一部の書目は、中公文庫(1980年代から1990年代にかけ、宮崎市定『科挙』、『水滸伝』、『謎の七支刀』、会田雄次『アーロン収容所』、江上波夫『騎馬民族国家』、児島襄『東京裁判』が、21世紀初頭に、白川静『漢字百話』、『詩経』など)が改訂再刊されたが、半数以上は元の新書判でも重版・改版している(新書の重版停止=新書の改訂文庫化という手法をとらない)。
また品切した書目(村井益男『江戸城』、大塚健洋『大川周明』、高橋正衛『昭和の軍閥』など)も、他社の講談社学術文庫、吉川弘文館などで改訂再刊している。
ロングセラーの一部に、木下是雄『理科系の作文技術』が挙げられるが、これは文科系、理科系を問わず大学生等を対象にレポートの書き方を的確に記した本の定番で、川喜田二郎『発想法』などこのジャンルの刊行も多い。
姉妹シリーズとして中公新書ラクレが、2001年(平成13年)3月に創刊した。第1点目は「中央公論」編集部編『論争・中流崩壊』である。2008年(平成20年)12月、通巻300点を突破した。2014年(平成26年)6月、通巻500点を突破した。
同じく姉妹シリーズとして、「中公PC新書」が1996年(平成8年)に創刊されたが、中央公論社から中央公論新社になる際に刊行を終えた。
通巻2,000点を達成した2009年(平成21年)には、記念冊子「中公新書の森」を刊行し、その中で累計発行部数ベストテンを発表した。
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