Loading AI tools
オリオン座にある1等星 ウィキペディアから
リゲル[1][15] (Rigel[2][3]) は、オリオン座β星、オリオン座の恒星で全天21の1等星の1つ。冬のダイヤモンドを形成する恒星の1つでもある。
リゲル[1] Rigel[2][3] | ||
---|---|---|
リゲル(画像中央の星) | ||
仮符号・別名 | オリオン座β星A[4] | |
星座 | オリオン座 | |
見かけの等級 (mv) | 0.13[4] 0.17 - 0.22(変光)[5] | |
変光星型 | はくちょう座α型変光星(ACYG)[5] | |
位置 元期:J2000.0[4] | ||
赤経 (RA, α) | 05h 14m 32.27210s[4] | |
赤緯 (Dec, δ) | −08° 12′ 05.8981″[4] | |
赤方偏移 | 0.000059[4] | |
視線速度 (Rv) | 17.8 km/s[4] | |
固有運動 (μ) | 赤経: 1.31 ミリ秒/年[4] 赤緯: 0.50 ミリ秒/年[4] | |
年周視差 (π) | 3.78 ± 0.34ミリ秒[4] (誤差9%) | |
距離 | 860 ± 80 光年[注 1] (260 ± 20 パーセク[注 1]) | |
絶対等級 (MV) | -7.0[注 2] | |
リゲルの位置
| ||
物理的性質 | ||
半径 | 78.9 ± 7.4 R☉[6] | |
質量 | 23 M☉[7] | |
表面重力 | 1.75 ± 0.10 (log g)[7] | |
自転速度 | 25 ± 3 km/s[7] | |
スペクトル分類 | B8Iae[4] | |
光度 | 120,000+25,000 −21,000 L☉[7] | |
表面温度 | 12,100 ± 150 K[7] | |
色指数 (B-V) | -0.03[8] | |
色指数 (U-B) | -0.66[8] | |
色指数 (R-I) | -0.02[8] | |
金属量[Fe/H] | -0.06 ± 0.10[9] | |
年齢 | 800 ± 100 万年[9] | |
他のカタログでの名称 | ||
アルゲバル, オリオン座19番星[4], BD -08 1063[4], FK5 194[4], HD 34085[4], HIP 24436[4], HR 1713[4], SAO 131907[4] | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
オリオン座β星B β Orionis B | |
---|---|
仮符号・別名 | オリオン座β星B[10] リゲルB[11] |
星座 | オリオン座 |
見かけの等級 (mv) | 6.80[12] 7.50 / 7.60[12] |
分類 | 分光連星[10] |
BaとBbの軌道要素 | |
軌道要素と性質 | |
離心率 (e) | 0.1[13] |
公転周期 (P) | 9.860 日[13] |
準振幅 (K) | 25.0 km/s[13] |
位置 元期:J2000.0[10] | |
赤経 (RA, α) | 05h 14m 32.049s[10] |
赤緯 (Dec, δ) | −08° 12′ 14.78″[10] |
物理的性質 | |
質量 | 3.84 / 2.94 M☉[14] |
スペクトル分類 | B9+B9[10] |
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
β星ではあるが、平均視等級の数字ではα星のベテルギウスよりも明るい。ベテルギウスは半規則型変光星でありこの極大期にのみ明るさが逆転する[注 3]。平均視等級は0.13等[4]で、地球からは約860光年離れている。
主星(リゲル、リゲルA)は、明るすぎて正確な視差の測定が困難とされてきた青色超巨星で、銀河系において肉眼で見える最も明るい恒星のひとつであり、太陽の12万から27万9000倍の光度を持つ。質量が非常に大きいため、中心核での水素の核融合は既に終了し、現在はヘリウムからなる中心核が収縮している段階にある[11]。そのため、半径は太陽半径の79倍から115倍まで膨張している。はくちょう座α型変光星 (ACYG) に分類され、およそ22~25日で変則的に0.03~0.3の範囲で等級を変化させる。伴星リゲルBCを持っており、主星よりも1/500倍暗く、望遠鏡でしか観測出来ない。さらにリゲルBCはそれ自体がリゲルBとリゲルCからなる連星で、リゲルBはリゲルBaとリゲルBbからなる分光連星である[11]。
数千万年後にはヘリウムの核融合が始まって赤色超巨星となり、更に重い元素の中心核が形成され、超新星爆発を起こすと言われている。一方で、恒星風によって表層から大量のガスが急速に失われており、数百万年経過すると超新星爆発を起こせなくなるほど質量が減り、最後はネオンと酸素で構成された白色矮星となって星としての生涯を終えるという予測もある[19]。
リゲルは、少なくとも1822年には、フリードリッヒ・フォン・シュトルーベによって実視連星として観測されている[20]。しかし伴星リゲルBCは、数百倍明るいリゲルAに近すぎて邪魔され、口径150mmクラス以下の望遠鏡で観測するのは困難である[21]。リゲルAとリゲルBCは平均2500au以上離れた軌道を2万4000年[14]~2万5000年以上[11]の周期で公転していると考えられている。
リゲルBCはその名のとおり、リゲルBとリゲルCからなる連星で、平均約100au離れた軌道を63年[14]~約400年[11]周期で共通重心の周りを公転している。リゲルBはそれ自体が分光連星で[11][12]、リゲルBaとリゲルBbが9.86日周期で共通重心の周りを公転している[11]。3つの恒星はいずれもB型主系列星である。
さらにこの4つの星の外側、11,500au離れたところにあるK型主系列星が、伴星リゲルDの可能性がある。伴星だとすると、25万年周期で公転していると考えられている[11]。
質量はそれぞれ、太陽の23倍(A)、3.84倍(Ba)、2.94倍(Bb)、3.84倍(C)、0.38倍(D)である。
バイエル符号での名称は、オリオン座β星である。リゲルの名称が、最初に記録されているのは1252年に作成されたアルフォンソ天文表である。
リゲルの和名は「源氏星」(げんじぼし)とされている[23][24][25][26][27][28]。
この和名は源平合戦にちなむ紅白に由来するものだが、当初は現在と逆の解釈があった。
岐阜県において、平家星・源氏星という方言が見つかっている[27][29][30]。 これは昭和25年に、野尻抱影に報告された方言であり[注 4]、ベテルギウスの赤色とリゲルの白色を源氏と平家の旗色になぞらえた表現に由来したと解釈されている。野尻は農民の星の色を見分けた目の良さに感心し、それ以後は渋谷のプラネタリウムで解説する際には、平家星・源氏星という名称を使用するようになった[29][30]。
天文誌、図鑑、野尻抱影や藤井旭の著書をはじめ、多くの本で、リゲルの和名を「源氏星」と特定した上で、岐阜の方言であるとしている[27][29][30][32][33](ただし、岐阜県の揖斐郡横蔵村(現揖斐川町)においてリゲルを平家星とする村の古老が一名いたことが野尻抱影によって紹介されており [29][30]、民俗学の見地から異論を唱える研究者もいる[注 4])。
また、増田正之は昭和60年に、富山県高岡市の市立伏木小学校において、リゲルを源氏星とした方言を見つけている[34]。
また、滋賀の虎姫(現・長浜市)でリゲルを銀脇(ぎんわき)とする方言が発見されている。これは、オリオン座の三つ星の脇にある関係とベテルギウスの金色とリゲルの白色とを見分けた表現から来ている。このように星を色で見分けた表現は、世界的に類を見ないと言われている[29]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.