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1994年の高畑京一郎のライトノベル ウィキペディアから
『クリス・クロス 混沌の魔王』(クリス・クロス こんとんのまおう)は、高畑京一郎による日本のライトノベル。第1回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞作[2](応募時タイトルは『夢か現か幻か』)。電撃文庫(メディアワークス)より1994年11月に刊行された。
ラジオドラマ化もされ、メディアワークス提供のラジオ番組「電撃大賞」の第一弾「電撃大賞クリス・クロス」(パーソナリティは三石琴乃)が1994年10月からスタートし、1995年3月まで続いた。また、同時期に「電撃王」誌上にて読者参加型ゲーム化もされた。
世界最大最速の電子頭脳『ギガント』、この最新のコンピュータが、256人が同時接続できるゲーム『ダンジョントライアル』として公開された。この一般試写に集まる人々。しかしこの公開には、限りなくリアリティにこだわる天才学者が関わっていた。彼が求めるリアルとは……。
本作はゲーム中の仮想現実世界『ダンジョントライアル』を主な舞台としているため、登場人物もほぼ全てがゲーム内のキャラクターであり、プレイヤー自身の本名や経歴は一切明かされない(そのため、実はNPCであるという可能性も否定できない)。また、キャラクターの性別や容貌、性格なども事前に自由に設定し演じることができるため、必ずしもプレイヤー本来のものと一致するとは限らない。
日本国内の大手電子機器メーカー数社が協力して作り上げた、容量・速度共に世界最大を誇る超弩級のスーパーコンピューター。コードネームは『ギガント』。発展途上国の追い上げに焦りを抱いた政府のてこ入れもあって予測を遥かに上回るシステムが出来上がり、『ダンジョントライアル』も含めてプロジェクトに関わった博士号取得者は3桁にのぼり、費用は日本円で12桁に達したといわれる。
江崎新一の発案により『ギガント』の一般への初公開のために開発された仮想現実型RPG。世界最高のコンピュータをゲームに使うことに対する批判はあったものの、最先端技術を多くの人々に体感させる手段として『ギガント』開発当初から考えられていた。
一度に参加できるプレイヤーは256人までで、ゲーム参加者は1万人を越えるので、数十組に分けられる。その中で更に4~8人からなるパーティーに分けられる。組が違うキャラクターは、途中で出会ったり仲間に加わったりすることはない。[3]プレイヤーは全方位モニターマスクとヘッドホン、身体各所に電極が取り付けられる。この電極は各部筋肉の動きを感知する入力装置であると同時に、電気的刺激により触覚や痛覚などの擬似感覚をプレイヤーに与える役目も持つ(ただし、ゲームであるため痛覚はかなり制限されたものとなっている)。この擬似感覚によりリアリティーを持たせるため薬品(麻薬に相当するものではないが投与には有資格者の立会いが必要)と催眠術が併用されているが、これによりゲームの参加者はメディカルチェックをクリアした18歳以上に限られる。
また、技術的な問題で『味覚』、『重力や慣性に対する知覚力』、『嗅覚』の3つは再現することができなかった。しかし、それでもなお体験リポートをした記者から『これ以上完璧にされては、現実世界と仮想世界が区別できなくなるおそれがある』と評されるほどのリアリティーを持つ。
ただし、その稼動に多くの人手と多大なコストを要することから一般への公開は後に開催される万国博覧会の半年間と本作の舞台となる一般試写会のみに限られる。
ゲームのシナリオ自体は、迷宮の奥に潜む魔王ギガント(登場人物の項にあるものとは全く別のもので、こちらは竜の姿をしたRPGのラスボスとしては典型的なもの)を倒すという至ってシンプルな内容で、その他のシステムも仮想現実の中でプレイされることを除けば、おおむね一般的なRPGに準ずるものである。プレイヤーは4つの職業からひとつを選び、迷宮の地下1階にランダムで配置され、そこから地下5階にある魔王の間を目指すことになる。
プレイヤーたちはパーティーを組むことが可能で、パーティーを組むとパーティー仲間の攻撃対象から外れ、攻撃の際に巻き込まれてダメージを受けることが無くなる。パーティーはリーダーが承認するか死亡する事によって解消することができる。パーティーの人数には上限がなく極端な話参加者全員256人でパーティーを組むことも可能であるが、魔王の間には6人までしか入ることができない為(ゲームクリアを狙うならば)この人数が基準となる。
なお、このゲームに生き返りは存在せず、死亡はすなわちゲームオーバーを意味する。
『ダンジョントライアル』ではプレイヤーは最初にキャラクターの外見や性別の設定と共に4つの職業から1つを選ぶことになる。また、地下4階にある特別な回復の泉では上級職に転職することができる。それぞれの職業の特徴は一般的なRPGのものに準ずるが下記の通りである。一度職業を決めると4種類の職業から違う種類に途中変更は効かない。[3]地下5階以降の冒険に参加する時は合計12種類の上級クラスからキャラクターを選ぶことができる[4]。
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