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カナダのプロレスラー (1965-1999) ウィキペディアから
オーエン・ハート（Owen Hart、1965年5月7日 - 1999年5月23日）は、カナダ・アルバータ州カルガリー出身のプロレスラー。
ハイスクール時代からカルガリー大学を通してレスリングで活動し、1986年4月に父のスチュ・ハートが主宰していたスタンピード・レスリングにて正式にプロデビュー[1]。1987年8月には新日本プロレスに初来日[2]。以降、馳浩や山田恵一らと名勝負を繰り広げ、IWGPジュニアヘビー級王座も獲得している[3]。
1988年下期よりWWF（現：WWE）に参戦。ブルー・ブレイザー（The Blue Blazer）なる、鳥をモチーフとしたスーパーヒーローのギミックを与えられ、マスクマンに扮しての登場であった[4]。当時のWWFのメインターゲットだった子供ファン向けのベビーフェイスとして、マイク・シャープ、ロン・バス、ニコライ・ボルコフ、ボリス・ズーコフなど体格差のある巨漢ヒールから勝利を収め[5]、1989年4月2日のレッスルマニアVではミスター・パーフェクトと対戦している[6]。
1989年下期からはWWFを一旦離れてスタンピード・レスリングに戻り、前年末にWWFを離脱していたダイナマイト・キッドやジョニー・スミスと対戦[7]。翌1990年にかけては日本での主戦場だった新日本プロレスに継続参戦した[8][9]。メキシコのLLIやヨーロッパのCWAにも遠征しており[10][11]、ブルー・ブレイザーのギミックで参戦したLLIでは、1991年5月19日にカネックとの覆面剥ぎマッチが行われた[12]。
1991年11月、素顔の "ザ・ロケット" オーエン・ハート（"The Rocket" Owen Hart）としてWWFに再登場。以降、1990年代全般に渡ってWWFに定着し、初期はブルー・ブレイザー時代と同様のベビーフェイスとして、義兄のジム・ナイドハートとのニュー・ファウンデーション（The New Foundation）[13]、ココ・B・ウェアと組んでのハイ・エナジー（High Energy）[14]など、主にタッグマッチ戦線で活動した[15]。1993年12月24日には、兄のキース、ブルース、ブレット・ハートと共に「ハート4兄弟」としてサバイバー・シリーズに出場[16]。しかし、この大会での同士討ちがもとで、ブレットとの間に不協和音が生じる[15]。
翌1994年1月22日のロイヤルランブルでは、ブレットと組んでザ・ケベッカーズ（ジャック&ピエール）と対戦したが、膝を負傷したブレットがレフェリーストップ負けを喫したことに腹を立て、ブレットを攻撃してヒールに転向[15]。同年6月19日にメリーランド州ボルティモアで開催されたキング・オブ・ザ・リングでは、準々決勝でタタンカ、準決勝で1-2-3キッド、決勝でレイザー・ラモンを破って優勝を果たす[17]。以降、キング・オブ・ハーツ（The King of Harts）を自称し、ブレットとの兄弟抗争を繰り広げた[15]。
1995年から1996年にかけてはヨコズナやブリティッシュ・ブルドッグをパートナーに、スモーキン・ガンズ（ビリー・ガン&バート・ガン）やショーン・マイケルズ&ディーゼルなどのチームを破り、WWF世界タッグ王座を再三獲得[18]。1997年4月28日にはネブラスカ州オマハにて、ロッキー・メイビアからインターコンチネンタル・ヘビー級王座を奪取した[19]。
ラモンやディーゼルなどの主力レスラーが次々とWCWに引き抜かれ、WWFが倒産寸前まで追い込まれた時期は、ブレットやマイケルズ、ストーン・コールド・スティーブ・オースチン、ジ・アンダーテイカーらと共に団体を支えた。ブレットのヒールターン後はハート・ファウンデーションの一員となったが、モントリオール事件以降もWWFに残留[15]。WWFがアティテュード路線に入った1998年にはハンター・ハースト・ヘルムスリーとヨーロピアン王座を争い[20]、ブラック・ハート（The Black Hart）を名乗ってザ・ロック率いるネーション・オブ・ドミネーションにも一時加入[21]。その後はジェフ・ジャレットとのタッグチームで活躍した[15]。
1999年に入り、WWFデビュー時のギミックであるブルー・ブレイザーをヒール・バージョンで復活させた[15]。同年5月23日、ミズーリ州カンザスシティで開催されたPPV "オーバー・ジ・エッジ" において、天井から吊るされての入場中にワイヤーが外れて転落、胸部からロープに激突してマット上に叩きつけられた[22]。この事故により同日死去したが、事実上の即死であった[22]。
事故の翌日に放映されたRAWは、オーエンを追悼する内容となり（"Raw is Owen" として放送）、多くのレスラーが弔意を示した[22]。しかし、兄のブレットはビンス・マクマホンを責め、事故後もPPV収録を継続したことに対しての批判も集まった[22]。
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