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World Wide Web上の情報リソースを検索・閲覧するためのアプリケーション・ソフトウェア ウィキペディアから
ウェブブラウザ(インターネットブラウザ、web browser)とは、パソコンやスマートフォン等を利用してWebサーバに接続するためのソフトウェアであり、ウェブページを表示したり、ハイパーリンクをたどったりするなどの機能がある。単にブラウザ(ブラウザー)とも呼ばれる。
主なウェブブラウザとして、Google Chrome、Safari、Microsoft Edge、Mozilla Firefox、Opera、Internet Explorer、Vivaldi等がある。Windows 7など古いOSではサポートが終了しているものがある。
大まかに言うと、ウェブブラウザには以下の3つの機能がある。
取得したHTMLは、ウェブブラウザのレイアウトエンジンに渡され、マークアップからインタラクティブな文書に変換される。Flashアプリケーションや Javaアプレットに対応するプラグインが用意されている場合は、それらを表示・実行することができる。未対応の種類のファイルに遭遇した場合は、ダウンロードして保存するか、他のプログラムを起動して開こうとする。
HTMLには、他のコンテンツへのハイパーリンクを記載することができる。リンクにはURIが含まれており、リンクをクリックすると、ウェブブラウザはそのURIで示されるコンテンツを取得する。
例えば、ブラウザのロケーションバーにhttp://en.wikipedia.org/と入力したとする。Uniform Resource Locator(URL)のプレフィックスであるURIスキームによってURLをどう解釈するかは決まっている。古典的なURLは定義名 http:で始まり、Hypertext Transfer Protocol(HTTP)を使用してサーバに接続する。必須要件ではないが、多くのウェブブラウザは様々な定義名に対応しており、HTTPS用のhttps:、File Transfer Protocol用のftp:、内部ファイル用のfile:などとも接続できる。
ウェブブラウザが直接扱えない定義名は、ブラウザ内部で定義された、他のアプリケーションにそのまま渡されることが多い。例えば、mailto:で始まるURIは既定の電子メールクライアントに渡され、news:で始まるURIは既定のニュースグループリーダに渡される。OSのシェルがURIスキームを解釈しウェブブラウザなど適切なアプリケーションに渡される場合もある。
ウェブブラウザの機能は、最小限の文字を用いたユーザインタフェース(UI)から、多様なファイル形式やプロトコルに対応する高機能なものまで幅広い。電子メール、ネットニュース、Internet Relay Chat(IRC)等に対応するコンポーネントを含むウェブブラウザは「インターネットスイート」と呼ばれることもある[3][4][5]。
主要なウェブブラウザは同時に複数の情報リソースを扱うことができ、別窓で表示したり、タブを使って同じウィンドウ内に表示したりする(タブブラウザ)。また、表示したくないポップアップ広告を自動的にブロックする機能もある[6][7][8][9]。
ユーザがブックマークしたウェブページの一覧を表示する機能があり、素早くそれらのウェブページに戻ることができる。ブックマークはInternet Explorerでは「お気に入り」と呼ぶ。さらに、フィードリーダが組み込まれているウェブブラウザも多い。Firefoxではフィードは"live bookmarks"という形式で扱われ、フィードにおける最近の項目と対応するブックマークのフォルダのように機能する[10]。Operaではフィードの内容を格納し表示する従来型のフィードリーダを採用している[11]。
多くの主要ウェブブラウザのUIには、以下のような共通の要素がある[12]。
主要なウェブブラウザはウェブページ内のインクリメンタル検索機能も持っている。
多くのタブブラウザには以下のような共通の要素がある。
2000年代末期、Google Chromeの登場や画面解像度が低いネットブックの普及などに伴い、UIを整理してページの表示領域を極力拡大する傾向が主流になった。アドレスバーに検索などの機能を統合、ステータスバーの廃止、ボタンの数を最小限にするなどである。
~/.config/uzbl/config
というテキストファイルである)で定義され、標準ではVi風の鍵盤操作が定められている。最小主義と言ってもWebブラウザの本義は満たしており、UzblはAcid3を満点で合格している。これらのブラウザはウィンドウマネージャ(親和性の高いものにawesome、i3が挙げられる)によってタブブラウザのように操作できる。初期のウェブブラウザが対応していたHTMLは非常に単純なものだった。ウェブブラウザの発展によりHTMLの標準でない方言が生まれ、互換性問題が大きくなっていった。最近のウェブブラウザは標準および事実上標準のHTMLとXHTML、それらに高度な表現や機能を付加するCSS・JavaScriptなどに対応している。
表示したときの見た目はどのブラウザでも同じであるべきだが、そうでない場合もある。
ウェブブラウザが標準では持たない機能を追加するアドオン。
Firefox・Google Chrome・Safari・Opera等には独自の拡張機能フォーマットがあり、ブラウザの開発元が用意したポータルサイトで配布される。多くは企業ではなくユーザーの有志が制作しており、UIの改善・広告ブロックなど様々な機能を提供する。
多くのウェブブラウザはHTTPSに対応しており、ウェブキャッシュやCookieや閲覧履歴を素早く簡単に消去する機能もある。しかしそれだけでは対処できないセキュリティのリスクに晒され、マルウェアに悪用されたり、(現在は死語になったが)ブラウザクラッシャーなどでブラウザのみならずオペレーティングシステムをフリーズさせられる場合がある。ブラウザ自体にもブラックリストで悪質なサイトへのアクセスを防止する・自動アップデートなどのセキュリティ向上機能が追加されているが、アンチウイルスソフトウェアなどでオペレーティングシステム(OS)全体を保護するのが望ましい。
ウェブブラウザの歴史は1980年代末に遡り、それから様々な技術の基礎を築きあげた最初のウェブブラウザ、WorldWideWebがティム・バーナーズ=リーによって1991年に公開された。このブラウザは既存および新たなソフトウェアとハードウェアの色々な技術とともに寄せ集められていた。なお、WorldWideWebは後にNexusへと改称されている[13]。
テッド・ネルソンとダグラス・エンゲルバートはバーナーズ=リーのずっと前にハイパーテキストの概念を開発していた。この核となる部分は World Wide Web に合うのではないか、というエンゲルバートの提案にバーナーズ=リーは賛同した。
1993年にNCSA Mosaicが登場した。Mosaic は画像が扱える最初のウェブブラウザの一つであり、これによってウェブの利用者が激増するきっかけとなった[14]。米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)の Mosaic チームのリーダーであったマーク・アンドリーセンはその後まもなくネットスケープを設立し、Mosaicを汲むNetscape Navigatorを1994年にリリースした。このブラウザは瞬く間に世界中のもっとも主流なウェブブラウザとなり、最盛期には全てのウェブにおいて9割もの利用率を占めた。
これにマイクロソフトが反応し、1995年にNCSAからMosaicのライセンスを引き継ぎInternet Explorerを開発した。このことが最初のブラウザ戦争の引き金にもなった。マイクロソフトはInternet ExplorerをWindowsに同梱させることでOS市場の優位性をウェブブラウザ市場にも引き継がせ、Internet Explorerにも力を持たせることができた。これによって2002年にはInternet Explorerの利用率はピーク時で95%を超えた[15]。2011年2月時点ではNet Applicationsによると利用率が57%程度とされており、Internet Explorerのシェア減少が示されていた[16]。
1996年にOperaが登場したが利用者を大きく獲得することはなく、2011年2月時点で2%と常にその前後の利用率となっていた[16]。ただし携帯電話のウェブブラウザ市場では最も占有率を伸ばしており、4000万台を超える端末に導入されていた。また、いくつかの組み込みシステム向けにも登場しており任天堂の家庭用ゲーム機であるWiiやDSiなどがある。
1998年にNetscapeはMozilla Foundationを旗揚げし、オープンソースとして自由な競争力のあるブラウザを提供しようと計画した。このブラウザは最終的にMozilla Firefoxとして展開された。公開されたFirefoxはベータ版段階だったがそれなりの愛好者を獲得し、Firefox 1.0が2004年末期にリリースされてから間もなくFirefoxの全バージョン合計で7.4%の利用率を獲得した[15]。2011年2月時点では22%の利用率となっていた[16]。
2003年1月にAppleのSafariが登場した。Appleの製品での占有率は独占的で、2011年2月時点の利用率は6.3%となっており、緩やかな上昇傾向を見せていた[16]。KDEプロジェクトのKHTMLを基に開発したWebKitと呼ばれるレンダリングエンジンを採用している。WebKitはAppleのiOS、GoogleのAndroid、ノキアのS60、Palm(2010年、ヒューレット・パッカードにより買収)のHP webOSなどいくつかの携帯電話のプラットフォームでも採用されていた。
2008年9月にGoogleのGoogle Chromeが登場した。これはWebKitを基に開発したBlinkと呼ばれるレンダリングエンジンを採用している。ウェブブラウザのシェアは1990年代後半以降のWindowsの普及に伴いInternet Explorerの占有が続いていたが、Google Chromeが2010年代に入って著しくシェアを伸ばし、2011年2月時点で11%の利用率に成長した[16]。この増加傾向はInternet ExplorerやFirefoxの減少傾向と同期していた[17]。そして2011年12月、Google ChromeはInternet Explorer 8を越えて最も広く使われているウェブブラウザとなった。ただし、Internet Explorerの全バージョンを合計すると、IEが最も広く使われているウェブブラウザであった[18]。
2015年時点ではGoogle Chromeの世界シェアはInternet Explorerを抑えて1位となっており、過半数を占めるようになった。Internet ExplorerおよびFirefoxのシェア減少は著しく、それぞれ2位(19.9%)および3位(17.87%)となりGoogle Chromeとの差が急激に広がっていた[19]。一方で日本国内に限ると、依然としてInternet Explorerのシェアは高く過半数を占めていた[20]。
2015年7月にマイクロソフトのEdgeが登場した。EdgeHTMLと呼ばれるレンダリングエンジンを採用していたが、後にBlinkへ変更された。Windows 10に合わせてリリースされシェアを伸ばし、2020年には7.9%の利用率となり[21]Firefox(7.2%)をやや上回ったが、Google Chrome(69.8%)には遠く及んでいない。
なお、成長著しいスマートフォンや非PCのタブレットの分野では、オペレーティングシステム(OS)付属のウェブブラウザが利用されることがほとんどであり、AndroidではAndroidのAndroid標準ブラウザと後継のChrome、iOSのSafariがOSの占有率にほぼ比例して普及している。PCとのデータ同期も可能である。FirefoxやOperaなどはブラウザをスマートフォン・タブレット対応アプリとしてリリースして対抗している。
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