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とかげ座(とかげざ、Lacerta)は現代の88星座の1つ。17世紀末に考案された新しい星座で、トカゲがモチーフとされている[1][3]。アンドロメダ座、はくちょう座の間にある北天の小さく目立たない星座。
ギリシア文字の符号が付けられた星はα星とβ星の2つしかない。1936年6月にケフェウス座との境界近くで発見された新星は五味新星の名前で知られている。
2022年4月現在、国際天文学連合 (IAU) によって1個の恒星に固有名が認証されている[4]。
その他、以下の恒星が知られている。
とかげ座は、17世紀末にポーランド生まれの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスによって考案された[3]。ヘヴェリウスの死後の1690年に妻によって出版された著書『Prodromus Astronomiae』に収められた星図『Firmamentum Sobiescianum』と星表『Catalogus Stellarum』に記載されたのが初出である。ヘヴェリウスは、はくちょう座とアンドロメダ座の間の領域に Lacerta sive Stellio(トカゲまたはハルドンアガマ)という名称とトカゲの星座絵を描いた[11]が、Stellio のほうは使われなくなった。なお日本の文献では「ヘヴェリウスは「いもり座」にしようかと考えた」とする説が紹介されているが[12]、これは Stellio をいもりと誤訳したことによる誤謬であり、事実ではない。
イギリスの天文学者ジョン・フラムスティードは、1725年に刊行した『Catalogus Britannicus』の中で、ヘヴェリウスがケフェウス座の一部としていた星をとかげ座に加えて、その領域を拡張させた[11]。この星座のギリシア文字の符号は、1845年にイギリスの天文学者フランシス・ベイリーが刊行した『British Association Catalogue』の中で付されたものである[3]。
1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Lacerta、略称は Lac と正式に定められた[13]。新しい星座のため星座にまつわる神話や伝承はない。
中国の天文では、とかげ座の星々は二十八宿の北方玄武七宿の第五宿「危宿」と第六宿「室宿」に配されていた[14]。危宿では、1番星がペガスス座の2星とともに星官「杵」を成した[14]。15・11・2の3星ははくちょう座の4星とともに戦車の車庫を表す星官「車府」を成した[14]。
室宿では、αと4番星がアンドロメダ座・カシオペヤ座・ケフェウス座・はくちょう座の星とともに、空を飛ぶ蛇の妖怪を表す星官「騰蛇」を成した[14]。
日本では、明治末期には「蜥蜴」という訳語が充てられていたことが、1910年(明治43年)2月刊行の日本天文学会の会報『天文月報』第2巻11号に掲載された「星座名」という記事でうかがい知ることができる[15]。この訳名は、1925年(大正14年)に初版が刊行された『理科年表』にも「蜥蜴(とかげ)」として引き継がれた[16]。戦後の1952年(昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」[17]とした際に、Lacerta の日本語の学名は「とかげ」と定まり[18]、これ以降は「とかげ」という学名が継続して用いられている。
現代の中国では蝎虎座と呼ばれている[19]。
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