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アメリカ海軍の艦隊 ウィキペディアから
第7艦隊(だいななかんたい、U.S. Seventh Fleet)は、アメリカ海軍の艦隊の1つである。ハワイのホノルルに司令部を置く太平洋艦隊の指揮下にあり、国際日付変更線以西の西太平洋・インド洋(中東地域を除く)を担当海域とする[2]。旗艦/司令部は、日本の神奈川県横須賀にある揚陸指揮艦「ブルー・リッジ」(USS Blue Ridge, LCC-19)[注 1]。
第7艦隊 | |
---|---|
創設 | 1943年 |
国籍 | アメリカ合衆国 |
軍種 | アメリカ海軍 |
上級部隊 | 太平洋艦隊 |
基地 | 横須賀海軍施設 |
モットー | Ready Power For Peace |
指揮 | |
現司令官 | フレッド・W・ケイチャー海軍中将[1] |
参謀長 | ウィリアム・A・パターソン海軍大佐 |
著名な司令官 |
トーマス・C・キンケイド海軍中将(後に大将) トーマス・モーラー海軍中将(後に大将) ジェームズ・ホロウェイ3世海軍中将(後に大将) トーマス・ヘイワード海軍中将(後に大将) カーライル・トロスト海軍中将(後に大将) ジョナサン・グリーナート海軍中将(後に大将) |
第7艦隊は、任務に応じて編成された複数の「任務部隊」(「タスクフォース」)(Task Force, TF)で構成される。
東経160度線以東の東太平洋(第4艦隊担当の南米西岸海域を除く)を担当海域とする第3艦隊とともに、アメリカ太平洋艦隊を構成する。旗艦/司令部は日本国の神奈川県横須賀市にある横須賀海軍施設を母港とする揚陸指揮艦「ブルー・リッジ」艦上にあり、海軍中将が座乗する。神奈川県の横須賀海軍施設の他、長崎県佐世保市の佐世保海軍施設、沖縄県、韓国の釜山、浦項、鎮海、シンガポールなどに基地を展開している。
第7艦隊は、原子力空母「ロナルド・レーガン」[注 2]と艦載される第5空母航空団を戦闘部隊の主力とし、戦時には50〜60の艦船、350機の航空機を擁する規模となる。人的勢力も6万の水兵と海兵を動員する能力をもつ。平時の兵力は約2万。アメリカ本国の反対側に当たる地球の半分を活動範囲とし、アメリカ海軍の艦隊の中では、最大の規模と戦力を誇る。また、同盟(日米同盟)下にある日本の海上自衛隊・同盟(米韓同盟)下にある韓国の大韓民国海軍及び、同盟(米比同盟)下にあるフィリピンのフィリピン海軍と密接な関係を持っている。
現在の司令官は、フレッド・W・ケイチャー中将(2024年2月15日〜)[3]
米公式チャンネルで計画では、第7艦隊のインド海・オーストラリアの警備を現在欠番である第1艦隊に任せる可能性があると発表した。
1943年3月、ダグラス・マッカーサー陸軍大将の指揮下にある南西太平洋海軍部隊が改編され第7艦隊となる。 太平洋戦争中の第7艦隊は、太平洋艦隊司令長官(CINCPAC)チェスター・ニミッツ大将(1944年12月に元帥昇進)の指揮には属さなかった。トーマス・C・キンケイド中将が率いた1944年10月のレイテ沖海戦の際には、ウィリアム・ハルゼー大将が率いる第3艦隊との間で連絡の齟齬があり問題となった。
1947年西太平洋海軍部隊に改編されたが、1949年第7特派艦隊となり、1950年2月に第7艦隊へと再編成された。朝鮮戦争後の1954年11月、極東海軍司令官(COMNAVFE)の指揮下から太平洋艦隊司令長官の指揮下に移った。朝鮮戦争(1950年~1953年)、ベトナム戦争(1965年~1973年)、1991年の湾岸戦争に参加している。 ベトナム戦争時には、非公式であるが、「トンキン湾ヨットクラブ」 (Tonkin Gulf Yacht Club) のニックネームがあった。
中東は第5艦隊が編成される1995年以前、この地域の責任は第7艦隊となっていた。
横須賀や佐世保・グアムを母港とする艦艇以外は東太平洋を担当する第3艦隊から派遣を受けているが、状況によっては第5艦隊へ艦艇を派遣している。
歴史的に第5艦隊との関係が深いが、最近は中国、北朝鮮の動向により、第5艦隊へ派遣される空母打撃群が途中、第7艦隊の空母打撃群との演習をしてアメリカ合衆国本土と行き来したりしている。
2017年に所属艦船および航空機に事故が相次ぎ、責任を負う形で上級幹部(艦隊司令官(中将)、第70任務部隊司令官(少将)、第15駆逐戦隊司令官(大佐))および複数の艦長が解任され、事故原因および再発防止策の調査が行われた。(→参照)
任務部隊は、単独もしくは複数の第7艦隊所属部隊やアメリカ太平洋海兵隊所属部隊で編成する。また、コマンダー(Commander)の「C」を冠して「コマンダータスクフォース」(CTF)と呼称する。第7艦隊隷下のタスクフォースは、70番台で表記され、「CTF-7x」となる。
第7艦隊戦闘部隊(Battle Force, Seventh Fleet)は、空母「ジョージ・ワシントン」を中心とした戦闘部隊。司令部は、横須賀海軍施設を母港とする「ジョージ・ワシントン」艦内。
作戦行動時には、空母「ジョージ・ワシントン」を中心とした「第5空母打撃群」(Carrier Strike Group 5)を構成し任務にあたる。基本編成は、空母「ジョージ・ワシントン」(CVN-73)と艦載される第5空母航空団、直衛のイージス巡洋艦1隻(「ロバート・スモールズ」(CG-62)、第15駆逐戦隊(DESRON 15)所属のイージス駆逐艦2隻、攻撃型原子力潜水艦1~2隻、補給艦からなる。編成は作戦地域の脅威度などにより作戦毎に変更される。
「ベンフォールド」(DDG-65)・「ミリアス」(DDG-69)は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の基本形「フライトI」、「ヒギンズ」(DDG-76)は「フライトII」である。「ハワード」(DDG-83)・「プレブル」(DDG-88)・「デューイ」(DDG-105)・「ラルフ・ジョンソン」(DDG-114)・「ラファエル・ペラルタ」(DDG-115)は、「フライトII A」で、ヘリコプター用格納庫を装備しSH-60 シーホークを2機まで格納できる。
第1海軍特殊戦部隊(Navy Special Warfare Unit One, NSWU-1)は、グアムに司令部を置く、海軍第1特殊戦群(Naval Special Warfare Group ONE, NSWG-1)に所属する部隊。海軍第1特殊戦群の司令部はカリフォルニア州コロナド。
第7艦隊哨戒部隊 (Patrol Reconnaissance Force, Seventh Fleet)は、三沢飛行場に司令部を置く、対潜・哨戒・偵察部隊。第1哨戒偵察航空団 (Patrol and Reconnaissance Wing One, CPRW-1)から構成する。沖縄の嘉手納飛行場、ディエゴガルシア島に分遣隊を配備する。
西太平洋兵站群(Logistics Group, Western Pacific, LOGWESTPAC)は、シンガポールに司令部を置く、西太平洋における兵站支援部隊。補給艦等の補助艦艇から構成する。
第7艦隊潜水艦部隊(Submarine Force, Seventh Fleet)は、横須賀海軍施設に司令部を置く。グアム海軍基地を母港として展開している第15潜水隊と同基地を母港とする潜水艦母艦「フランク・ケーブル」が所属する。
第7艦隊揚陸部隊 / 第7遠征打撃群(Amphibious Force, Seventh Fleet/Expeditionary Strike Group 7, ESG-7)は、第7艦隊の遠征打撃群。作戦行動時には、第5空母打撃群の第15駆逐戦隊から数隻のミサイル駆逐艦が合流する。
第7掃海隊は、平時には編成されておらず、第76任務部隊の隷下に置かれる。
第7艦隊海軍遠征部隊太平洋コマンド(Navy Expeditionary Forces Command Paciffic, Seventh Fleet)は、爆発物処理部隊(EOD)、沿岸河川部隊、建設部隊を集めた部隊。司令部はグアム。
第7艦隊上陸部隊(Landing Force, Seventh Fleet)は、アメリカ海兵隊の部隊で構成される。平時において、第3海兵遠征旅団(3rd Marine Expeditionary Brigade, 3MEB)の司令部のみを沖縄県うるま市の「キャンプ・コートニー」を置く。
上記に記載されていない艦艇の一覧。
第15潜水隊(Submarine Squadron 15, SUBRON 15)
この節の加筆が望まれています。 |
•海軍中将 アーサー・S・カーペンダー(Arthur S. Carpender) | (1943年3月15日 - 1943年11月26日) | |
•海軍中将 トーマス・C・キンケイド(Thomas C. Kinkaid) | (1943年11月26日 – 1945年11月20日) | |
•海軍中将 ダニエル・E・バービー(Daniel E. Barbey) | (1945年11月20日 – 1946年10月2日) | |
•海軍中将 チャールズ・M・クック・ジュニア(Charles M. Cooke, Jr.) | (1946年10月2日 – 1948年2月28日) | |
•海軍中将 オスカー・C・バジャー2世(Oscar C. Badger II) | (1948年2月28日 – 1949年8月28日) | |
•海軍中将 ラッセル・S・バーケイ(Russell S. Berkey) | (1949年8月28日 – 1950年4月5日) | |
•海軍少将 ウォルター・F・ブーン(Walter. F. Boone) | (1950年4月5日 – 1950年5月20日) | |
•海軍中将 アーサー・D・ストラブル(Arthur D. Struble) | (1950年5月20日 – 1951年3月28日) | |
•海軍中将 ハロルド・M・マーティン(Harold. M. Martin) | (1951年3月28日 – 1952年3月3日) | |
•海軍中将 ロバート・P・ブリスコ(Robert P. Briscoe) | (1952年3月3日 – 1952年5月20日) | |
•海軍中将 ジョゼフ・J・クラーク(Joseph. J. Clark) | (1952年5月20日 – 1953年12月1日) | |
•海軍中将 アルフレッド・M・プライド(Alfred M. Pride) | (1953年12月1日 – 1955年12月9日) | |
•海軍中将 スチュアート・H・インガーソル(Stuart H. Ingersoll) | (1955年12月19日 – 1957年1月28日) | |
•海軍中将 ウォーレス・M・ビークリー(Wallace M. Beakley) | (1957年1月28日 – 1958年9月30日) | |
•海軍中将 フレデリック・N・キヴェット(Frederick N. Kivette) | (1958年9月30日 – 1960年3月7日) | |
•海軍中将 チャールズ・D・グリフィン(Charles D. Griffin) | (1960年3月7日 – 1961年10月28日) | |
•海軍中将 "ビル"ウィリアム・A・スコーク(William A. "Bill" Schoech) | (1961年10月28日 – 1962年10月13日) | |
•海軍中将 トーマス・モーラー(Thomas H. Moorer) | (1962年10月13日 – 1964年6月15日) | |
•海軍中将 ロイ・L・ジョンソン(Roy L. Johnson) | (1964年6月15日 – 1965年3月1日) | |
•海軍中将 ポール・P・ブラックバーン(Paul P. Blackburn) | (1965年3月1日 – 1965年10月9日) | |
•海軍少将 ジョセフ・W・ウィリアムズ・ジュニア(Joseph W. Williams, Jr.) | (1965年10月9日 – 1965年12月13日) | |
•海軍中将 ジョン・J・ハイランド(John J. Hyland) | (1965年12月13日 – 1967年11月6日) | |
•海軍中将 ウィリアム・F・ブリングル(William F. Bringle) | (1967年11月6日 – 1970年3月10日) | |
•海軍中将 モーリス・F・ワイスナー(Maurice F. Weisner) | (1970年3月10日 – 1971年6月18日) | |
•海軍中将 ウィリアム・ P・マック(William P. Mack) | (1971年6月18日 – 1972年5月23日) | |
•海軍中将 ジェームズ・ホロウェイ3世(James L. Holloway III) | (1972年5月23日 – 1973年7月28日) | |
•海軍中将 ジョージ・P・スティール(George P. Steele) | (1973年7月28日 – 1975年6月14日) | |
•海軍中将 トーマス・ヘイワード(Thomas B. Hayward) | (1975年6月14日 – 1976年7月24日) | |
•海軍中将 ロバート・B・ボールドウィン(Robert B. Baldwin) | (1976年7月24日 – 1978年5月31日) | |
•海軍中将 シルヴェスター・R・フォーリー・ジュニア(Sylvester R. Foley Jr.) | (1978年5月31日 – 1980年2月14日) | |
•海軍中将 カーライル・トロスト(Carlisle A.H. Trost) | (1980年2月14日 – 1981年9月15日) | |
•海軍中将 M.スタザー・ホルコム(M. Staser Holcomb) | (1981年9月15日 – 1983年5月9日) | |
•海軍中将 ジェームズ・R・ホッグ(James R. Hogg) | (1983年5月9日 – 1985年3月4日) | |
•海軍中将 ポール・F・マッカーシー・ジュニア(Paul F. McCarthy, Jr.) | (1985年3月4日 – 1986年12月9日) | |
•海軍中将 ポール・D・ミラー(Paul D. Miller) | (1986年12月9日 – 1988年10月21日) | |
•海軍中将 ヘンリー・H・モーズ・ジュニア(Henry H. Mauz, Jr.) | (1988年10月21日 – 1990年12月1日) | |
•海軍中将 スタンリー・R・アーサー(Stanley R. Arthur) | (1990年12月1日 – 1992年7月3日) | |
•海軍中将 ティモシー・W・ライト(Timothy W. Wright) | (1992年7月3日 – 1994年7月28日) | |
•海軍中将 アーチー・R・クレミンス(Archie R. Clemins) | (1994年7月28日 – 1996年9月13日) | |
•海軍中将 ロバート・J・ナッター(Robert J. Natter) | (1996年9月13日 – 1998年8月12日) | |
•海軍中将 ウォルター・F・ドラン(Walter F. Doran) | (1998年8月12日 – 2000年7月12日) | |
•海軍中将 ジェームズ・W・メッツガー(James W. Metzger) | (2000年7月12日 – 2002年7月18日) | |
•海軍中将 ロバート・F・ウィラード(Robert F. Willard) | (2002年7月18日 – 2004年8月6日) | |
•海軍中将 ジョナサン・グリーナート(Jonathan William "Jon" Greenert) | (2004年8月6日 – 2006年9月12日) | |
•海軍中将 ウィリアム・ダグラス・クローダー(William Douglas Crowder) | (2006年9月12日 – 2008年7月12日) | |
•海軍中将 ジョン・M・バード(John M. Bird) | (2008年7月12日 – 2010年9月10日) | |
•海軍中将 スコット・R・ヴァン・バスカーク(Scott R. Van Buskirk) | (2010年9月10日 – 2011年9月7日) | |
•海軍中将 スコット・H・スウィフト(Scott H. Swift) | (2011年9月7日 – 2013年7月31日) | |
•海軍中将 ロバート・トーマス2世(Robert L. Thomas Jr.) | (2013年7月31日 – 2015年9月7日) | |
•海軍中将 ジョセフ・P・アーコイン(Joseph P. Aucoin) | (2015年9月7日 – 2017年8月22日) | |
•海軍中将 フィリップ・G・ソーヤー(en:Phillip G. Sawyer) | (2017年8月22日 – 2019年9月12日) | |
•海軍中将 ウィリアム・R・マース(en:William R. Merz) | (2019年9月12日 – 2021年7月8日) | |
•海軍中将 カール・O・トーマス(en:Karl O. Thomas) | (2021年7月8日 – 2024年2月15日) | |
•海軍中将 フレッド・W・ケイチャー(en:Fred Kacher) | (2024年2月15日 – 現職) |
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