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企業内における独立採算制の事業部門 ウィキペディアから
社内カンパニー(しゃないカンパニー)とは、企業内において一つの会社(法人)のように位置付けて運営される独立採算制の事業部門である。その制度は社内カンパニー制(しゃないカンパニーせい)、社内分社制度(しゃないぶんしゃせいど)、社内部署制度(しゃないぶしょせいど)とも言われ、持株会社のような経営管理を内部組織、あるいは同一法人のままで行うための仕組み[1]である。形式的には事業部制(事業カテゴリー制度)や京セラ、および第二電電(DDI、現・KDDI)創業者の稲盛和夫が提唱したアメーバ経営に類似しているが、その目的は機能子会社に限りなく近く[1]、更に大きな権限委譲が行われる。
企業は事業分野別に人材・資本などの経営資源を会社本体からそれぞれの社内カンパニーに配分する。資本配分は管理会計の範囲で仮想的に行われる。各カンパニーの責任者はプレジデントと呼ばれ、担当する領域内における全ての権限と責任を委譲される。またプレジデントは損益だけでなく資産効率についても責任を負う。
従来から取り入れられていた事業部制を発展させて、社内カンパニー制に移行する場合は、メリット(長所)として損益計算書を改善することに囚われがちな事業部制に対し、それぞれの社内カンパニーが貸借対照表(バランスシート)を圧縮し、キャッシュフローを改善することにも目を向けることで、全社内での各事業の位置づけを明確にでき、他の事業部門との比較が可能となる。子会社の連結決算のように事業部門ごとの垂直連結が行え、マネジメントが個別の事業に対して集中や撤退の決定もより容易となる。事業部門に独立性が生まれ、同じ会社内であっても明確な経営体質や企業カラーを打ち出せる。その一方で、デメリット(短所)として独立性が強すぎるために全社的な統一が図り難く、資産が分散されるため企業全体の資本効率が損なわれやすいという側面を持つ。
日本では、1994年にソニー(初代法人、現:ソニーグループ)が史上初めて社内カンパニー制を導入した。
2024年現在、特に電機・通信機器メーカー(パナソニックホールディングス(パナソニックグループ)、東芝、三菱電機、オムロン、富士通、メルコホールディングス(バッファロー)など)やトヨタ自動車、川崎重工業、武田薬品工業、プラス、ソニー・ミュージックレーベルズ(ソニー・ミュージックエンタテインメント〈以下SMEJ〉)、メディア・コングロマリット(TBSホールディングス(以下TBSHD、旧:東京放送ホールディングス ← 東京放送)、琉球放送〈RBC〉)、両備ホールディングス(旧・両備バス)、ツネイシホールディングス、ヤンマーホールディングス(ヤンマー)、サントリーホールディングス(サントリー)、ソフトバンクグループ、ユニバーサルミュージックLLC、コカ・コーラボトラーズジャパン、ビクターエンタテインメント(二代目法人。旧:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント ← ビクターエンタテインメント〈初代法人〉 ← ビクター音楽産業)、伊藤忠商事、ワーナーミュージック・ジャパンなどがそれを取り入れている。
社内カンパニーと同義のものとしては、例えば、トヨタグループにおける バーチャル・ベンチャー・カンパニー制度(VVC: Virtual Venture Company 制度、仮想ベンチャーカンパニー制度)[3]が挙げられる。
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