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日本のテレビコメンテーター、ジャーナリスト (1963-) ウィキペディアから
玉川 徹(たまかわ とおる、1963年7月[2] - )は、元テレビ朝日報道局の局員で、『羽鳥慎一モーニングショー』のレギュラーコメンテーター[注釈 1]。かつては後述する前身番組でリポーターやディレクターを務めていた[3]。
宮城県大河原町出身。1982年宮城県仙台第二高等学校卒業、1987年京都大学農学部農業工学科卒業。1989年京都大学大学院農学研究科修士課程修了。高校時代まではバイオテクノロジーに興味があったが、大学受験で希望が叶わず、京都大学では農業土木分野を専攻した[3]。
『ドラえもん』(テレビ朝日制作のアニメ版)、『木曜スペシャル』(日本テレビ制作)、特撮番組などをテレビで見るのが好きであったことから放送業界を目指し[3]、京都大学大学院修了後の1989年にテレビ朝日へ入社。『内田忠男モーニングショー』でアシスタントディレクター (AD) を経験した後、報道局の主任として『スーパーモーニング』などの番組でディレクターを務め[3]、議員年金問題や公務員宿舎の問題を取り上げ、徹底した取材により、議員年金と優遇される国会議員の実態を世間に晒し、廃止の一助を担い、独立行政法人の問題にも取り組む。税金の無駄遣いや歪んだ官僚社会の構造に、体当たりレポートで鋭く切り込む一方、日本の問題の解決策を世界中に求め、徹底した現地取材を重ねる。
『スーパーモーニング』の後期に「ちょっと待った!玉川総研」という冠コーナーのリポーターを任されたことを機に[3]、羽鳥慎一(日本テレビ出身のフリーアナウンサー)が総合司会を務める後継番組(『情報満載ライブショー モーニングバード!』→『羽鳥慎一モーニングショー』)でコメンテーターとしてレギュラーで出演。一部の曜日では「ちょっと待った!玉川総研」の流れを組む冠コーナー(「そもそも総研 たまペディア」→「そもそも総研」)のリポーターを兼務している。のちにコーナーの内容をまとめた本「玉川徹のちょっと待った!総研」や「玉川徹のそもそも総研 原発・電力編」を出版している。民放テレビ局のワイドショーにおいて、(アナウンス職・記者職の経験者や「解説委員」などの特別職ではない)制作局の現役正局員がレギュラー扱いでコメンテーターへ起用されることは異例である[3]。
テレビ朝日では「60歳誕生日月の月末」に定年退職するという規定がある。同局には定年延長制度もあるが[注釈 2]、玉川は定年延長制度を行使せずに2023年7月31日に定年退職した。退職後は、事務所には所属せずに、フリーのコメンテーターとして『羽鳥慎一モーニングショー』に出演する[4]。
2024年4月からはラジオに活動の場を広げ、TOKYO FMにて自身初の冠番組となる『ラジオのタマカワ』のパーソナリティを務めることとなった[5]。
テレビ朝日のワイドショーに制作者の立場で20年以上携わっているが、同局へ入社するまでは、当時のワイドショーで横行していた取材対象者の人権を軽んじる報道姿勢に強い違和感を抱いていたという[3]。入社直後には「ワイドショーだけは担当したくない」という意思を当時の編成局長へ伝えたが[3]、最初に配属された『内田忠男モーニングショー』は、日本のテレビ局で最初に放送されたワイドショー(『モーニングショー』)の第9シリーズに当たる。しかし、ADとして配属されてからも、局内や他局のワイドショースタッフと一線を画していた。配属の直後に急逝した松田優作の取材を任されたところ、「(自分がテレビカメラで)撮りたくないものは撮らない」という理由から、いわゆる「特オチ」として局内で槍玉に挙がることを承知で(他局のワイドショーのスタッフが公然と進めていた)斎場の取材をあえて拒否したほどである。このような経験から『スーパーモーニング』以降のワイドショーで担当している冠コーナーでは「人間としての興味」を取材の起点に据えながら、従来のワイドショーではあまり扱っていなかった(政治経済などの)疑問や問題も盛んに取り上げている。その一方で、『モーニングバード!』以降のワイドショーでレギュラーコメンテーターへ起用されていることについては、「ワイドショーを作っている側(の人間)として、『地雷』(ワイドショーのコメントで踏み込んではいけない領域)を身をもって知っていることが評価されたのかも知れない」と語っている[3]。
座右の銘は、レフ・トルストイの短編小説のタイトルでもある「光あるうち光の中を歩め」[3]。
健康への意識が強く、羽鳥慎一からは「玉川さんは健康のために死ねる」とからかわれているという。見た目については、シミ取りレーザーやボトックス注射、日焼け止めなどの利用を明らかにしているが[6][7]、科学的な観点から抗老化医学への関心も度々言及し、番組で取材するなどしている[8][6]。一方で、「無駄に思えることでも、自分にとって合理的であれば許せるが、不合理に思えることはとにかく嫌い」と公言している[3]。
2022年9月28日、『羽鳥慎一モーニングショー』放送内において、安倍晋三の国葬での菅義偉前首相の弔辞について取り上げられた際、玉川は「自民党、内閣葬だった場合、テレビでこれだけ取り上げたりしない。国葬にしたからこそ、われわれは見る形になる。僕も仕事上見ざるを得ない状況」「例えれば自分では足を運びたくないと思っていた映画でも、連れられて行ったら『なかなか良かったよ』。映画作る方は胸に響くように作る。これこそが国葬の意図」と独自の持論を展開し、自身が「演出側の人間」としたうえで「それはそういう風に作りますよ。政治的意図がにおわないように。制作者としては考えますよ。当然これ電通入ってますからね」と何らかの演出があったと、事実に基づかない発言を行った[25]。
この発言後ネットなどで批判が続出し、翌29日の同番組放送内で玉川は「電通は全く関わっていないということがわかりました。関係者の皆様、視聴者の皆様、訂正して謝罪致します。申し訳ありませんでした。」と事実誤認を認めて前日の発言を取り消し、謝罪した[26][27][28][29]。
しかし、この発言に対する世論の批判は依然として収まらず、一部識者や自民党衆議院議員の細野豪志、同党参議院議員の西田昌司や和田政宗などからもSNSや動画配信で批判が続いた[30][31]。SNSなどでは玉川の番組降板を求める意見もあり、また、テレビ朝日でかつて政治問題となった1993年の「椿事件」を引き合いに出し、その当時の戒めが生かされていないという手厳しい意見も散見された[32]。
これを受けて、テレビ朝日は10月4日付で玉川に「(放送内で)事実に基づかない発言をした」として出勤停止10日間の懲戒処分を下したことを発表した(ただし、同日の放送は処分発表前のため、出演している[33])。また、報道局情報センター長、同センターチーフプロデューサー(羽鳥慎一モーニングショー担当)について管理監督責任を問い、譴責処分とした。テレビ朝日の篠塚浩社長は定例記者会見で「今後は再発防止に向けてさらに指導を徹底する。関係者、視聴者の皆さまに心からおわび申し上げる」と話し、電通にも謝罪したことを明らかにしている[34]。
玉川と責任者の処分が発表された後、ネット上では「謹慎は手緩い。降板を望む」「調子に乗り過ぎた」「たったの10日間で済むんだな。そりゃ言いたい放題できるはずだ」などの意見が寄せられた[35]。
処分発表後の同月5日の放送で『モーニングショー』司会の羽鳥慎一が冒頭で経緯説明と謝罪を行ったうえで、玉川について「なぜ今回このような発言になったのかの説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております」と発言している[36]。玉川は同月19日の放送から同番組の出演再開し、番組冒頭で一連の経緯について謝罪した[37]。復帰後は取材したことをスタジオでリポートする形式で不定期の出演を続けていたが、2023年4月3日の放送で本格復帰を発表した[38]。
報道・情報・ワイドショー番組(フリー転身後も含めて)
期間 | 番組名 | 役職 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
2002年10月 | 2011年3月 | スーパーモーニング | リポーター→コーナー担当 | 以前は、ディレクターを担当 |
2011年4月 | 2015年9月 | モーニングバード | コーナー担当 | |
2015年10月 | 現在 | 羽鳥慎一モーニングショー | レギュラーコメンテーター | 一部の曜日には前々→前番組から引き続きコーナー担当を兼務、2023年8月からはフリーとして引き続き出演を現在も継続 |
2019年7月22日 | 羽鳥×宮本 福岡好いとぉ(九州朝日放送) | ゲスト出演 | ||
2024年10月 | 現在 | 有働タイムズ(テレビ朝日) | 不定期出演 |
バラエティ番組・ドラマ(フリー転身後も含めて)
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