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『激流』(げきりゅう、英: The River Wild)は、1994年のアメリカ映画。
激流 | |
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The River Wild | |
監督 | カーティス・ハンソン |
脚本 | デニス・オニール |
製作 |
デイヴィッド・フォスター ローレンス・ターマン |
製作総指揮 |
レイモンド・ハートウィック イロナ・ハーツバーグ |
出演者 |
メリル・ストリープ ケヴィン・ベーコン デヴィッド・ストラザーン |
音楽 | ジェリー・ゴールドスミス |
撮影 | ロバート・エルスウィット |
編集 |
デヴィッド・ブレナー ジョー・ハッシング |
配給 |
ユニバーサル・ピクチャーズ UIP |
公開 |
1994年9月20日 1995年4月22日 |
上映時間 | 112分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $45,000,000[1] |
興行収入 | $94,215,000[1] |
数日間の日程で川下りにやってきた、川下り経験豊富なゲイルと夫のトム、息子のローク、愛犬のマギーの一行。道中でガイドのフランクに逃げられて立ち往生しているというウェイドとテリーの2人に乞われ、2艘で行動することになる。
初めは仲良くやっているかに思えた2グループであったが、ゲイルとトムは次第に2人の言動に異常性を感じるようになる。実はウェイドとテリーは逃亡中の強盗犯で、フランクも彼らによって殺されていたのだ。ゲイルとトムは途中で2人を置き去りにして一家で逃げようとするが、ウェイドに見つかり失敗に終わる。ウェイドは銃で一家を脅し、ボートを1艘にしてゲイルに漕がせ、逃亡用の車が用意してあるガントレットの先まで行くことを要求する。ガントレットとは3本の川の合流点のことであり、水量が多く大きな滝壺があり、通行が禁止されている最高クラスの難所なのである。
ボート1艇となった直後、森林監視員であるジョニーがグループに気付き、連絡と異なり3人での川下りの予定が、5人になっているなどの些細な違いをウェイドやゲイルに確認するが、銃で脅された状況では真実を伝えられない。苦肉の策で、ゲイルが足で砂に「SOS」と描くが、ジョニーも会話に集中しており家族の異変には気付くことはなく、ウェイドもわざとジョニーを「インディアン」などと挑発し、早々に別れるようにしむける。直後、テリーが砂地のSOSの文字に気付くと、足を一歩踏み出すことで文字を消してしまい、企みを阻止されてしまう。
川下りの道中、夜になり疲れと緊張からウェイドとテリーは交互に仮眠を取り、焚き火を囲んでいた。隙を見てトムが所持していたアーミーナイフで縛られていた縄を切り、山側へと逃亡を図る。異変に気づいたウェイドに執拗に捜索されるが、松明も無いことから見つけることが出来ない。トムが逃亡に成功したと思われたくないウェイドは一芝居打ち、適当な山肌に射撃を行い、トムを射殺した様に装い、夜が明けた。トムは明け方まで隠れ、ウェイドのみがトムの行方を追いつつも、出来るだけ川下りも急がなければならい状況となり、敢えてトムを見逃すことにし、4名となったボートが出発する。
ボートが出発後、近くにいたトムは山肌で足を滑らせてしまい、川へ飛び込んでしまうとその音からウェイドたちに見つかってしまう状況となった。川下りは再開されたが、ウェイドだけは周囲を警戒し、ゆっくりとそして静かに進んでいった。間一髪、蛇行した上流と下流で視界は遮られ、トムが川に落ちる音だけは谷間に響いたが、その後に大きな音が無いことから岩か何かが滑落したと看過され、トムはようやく安堵することが出来た。
トムは迷子になってしまった愛犬のマギーと再会し、山の頂上付近から枯れ草に火を付け狼煙を上げることで、自身が無事であることをゲイルとロークのみに伝えことが出来、激流を下る間際だったからかウェイドとテリーには気付かれずに済んだ。 その後、ガントレットが近付いていることから、トムは山側から先回りし、改めてその激流の激しさと困難さを再認識した。何とか妻子を救うために川の周辺を探索し、武器か使える道具は無いかと考えていたところ、朽ちた給水塔と錆びたクレーンを発見する。
一方、ガントレット直前に4名となったボートに再び森林監視員であるジョニーがボートで現れ、ガントレットに挑戦するのを辞めること、そしてヘリによる輸送を指示し、指示に従うように告げる。どうしても川を下りたいウェイドは話しても無駄と考え、銃によりジョニーを射殺し、その死体を川に流し「奴も言ってたろ、本当なら自分もガントレットに挑戦したいって」と悪びれる。
ガントレットを乗り越えた直後、先回りしていたトムは絵文字で特定の箇所での停止を指示し、油断したウェイドとテリーだけをボートから落とすことに成功し、その勢いから川の中に拳銃が落ちたことで、ゲイルが拳銃を拾う。
テリーは肩を負傷し、発見したトムをナイフで脅すのが精一杯であり、ほぼ丸腰のウェイドと拳銃を持ったゲイルとが対峙し、ウェイドは命乞いをするが、ゲイルは空に最後の弾丸である1発を撃つが、トリガーが空撃ちしただけであった。拍子抜けしたウェイドは命乞いしたことを軽く後悔しつつも、再び攻勢に転じようとした際、ゲイルがわざと空撃ちをし、ウェイドの本音を確かめたかったこと、ウェイドが認識していた通り弾丸が1発残ってることを告げつつ、ウェイドの心臓付近を撃ち射殺し、ウェイドの死体が川を下っていった。
すべてが終わり、当局に保護されたハートマン一家。捜査官がロークに事件の概要を確認し、両親の活躍を聞いたところ、ゲイルはガントレットを乗り越えた偉大な母親であり、トムも常に家族のことを考えてくれている優しい父親であったことを語り、物語は終わる。
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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ソフト版 | テレビ朝日版 | ||
ゲイル・ハートマン | メリル・ストリープ | 池田昌子 | 塩田朋子 |
ウェイド | ケヴィン・ベーコン | 安原義人 | 堀内賢雄 |
トム・ハートマン | デヴィッド・ストラザーン | 納谷六朗 | 牛山茂 |
ローク・ハートマン | ジョゼフ・マゼロ | 小林優子 | 近藤玲子 |
テリー | ジョン・C・ライリー | 西村知道 | 辻つとむ |
ウィラ・ハートマン | ステファニー・ソーヤー | 遠藤勝代 | 大谷育江 |
森林監視員 ジョニー | ベンジャミン・ブラット | 古田信幸 | 佐久田修 |
フランク | ウィリアム・ラッキング | 宝亀克寿 | 福田信昭 |
ゲイルの母 | エリザベス・ホフマン | 片岡富枝 | 巴菁子 |
ゲイルの父 | ヴィクター・ギャロウェイ | ||
レンジャー | ダイアン・デラーノ | ||
レンジャー | トーマス・F・ダフィ | 辻親八 | |
警官 | グレン・モーシャワー | ||
バイオリニスト | ポール・カンテロン | ||
その他 | 西宏子 | 火野カチコ 喜多川拓郎 | |
演出 | 伊達康将 | 松川陸 | |
翻訳 | 井場洋子 | 武満眞樹 | |
調整 | 長井利親 | ||
効果 | 南部満治 | ||
プロデューサー | 松田佐栄子 | ||
解説 | 淀川長治 | ||
制作 | 東北新社 | ニュージャパンフィルム | |
初回放送 | 1998年3月15日 『日曜洋画劇場』 |
急流下りの場面の多くは、モンタナ州クートネー川で撮影されたが、一部の場面は同州フラットヘッド川の分岐点や、コロラド川のルビー色渓谷やオレゴン州南西部のローグ川などで撮影された。
メリル・ストリープのアクションシーンは本人によるものである。
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは35件のレビューで支持率は57%、平均点は5.90/10となった[3]。Metacriticでは32件のレビューを基に加重平均値が63/100となった[4]。
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