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東武鉄道の通勤形電車 ウィキペディアから
東武70000系電車(とうぶ70000けいでんしゃ)は、2017年7月7日に運行を開始した、東武鉄道の通勤形電車。
東武70000系電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 東武鉄道 |
製造所 | 近畿車輛 |
製造年 | 2017年 - 2020年 |
製造数 | 18編成126両[1] |
運用開始 | 2017年7月7日 |
投入先 |
東京メトロ日比谷線 東武スカイツリーライン(北千住駅 - 東武動物公園駅間) 東武日光線(東武動物公園駅 - 南栗橋駅間) |
主要諸元 | |
編成 | 7両編成 |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 |
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設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 | 3.3 km/h/s |
減速度(常用) | 3.7 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 1,035人 |
車両定員 |
|
自重 |
Mc1:34.3 t M1:33.2 t M2:32.9 t M3:35.1 t M2':33.2 t M1':33.1 t Mc2:34.5 t |
全長 |
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全幅 | 2,780 mm |
全高 |
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車体 | アルミニウム合金 |
台車 | ボルスタ付きモノリンク式片軸操舵台車 SC-107 (TRS-17M) |
主電動機 | 永久磁石同期電動機 (PMSM) 全閉自冷式 SEA-535 |
主電動機出力 | 205 kW |
駆動方式 | WN継手式平行カルダン方式 |
歯車比 | 109:14 (7.79) |
編成出力 | 2,870 kW |
制御方式 | Si-IGBT素子VVVFインバータ制御 |
制御装置 |
三菱電機製[2] MAP-214-15V284A (M1・M1' 車) MAP-216-15V285A (M3 車) |
制動装置 | ATC連動電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)純電気ブレーキ |
保安装置 |
これまで東京メトロ日比谷線乗り入れ用車両として充当されてきた20000型・20050型・20070型には全車3扉車編成と一部5扉車編成が混在しており、それによってホームドア設置の支障や乗客の混乱を招いていたため、その対処を主な目的として製造された[3][4]。また、東京メトロでもほぼ同一仕様の13000系が導入されており[5]、製造も13000系と同じく近畿車輛が担当した。近畿車輛製の車両が東武鉄道に導入されるのは、本事例が初めてである[6]。
日比谷線内に半径200mを切る急カーブが多数存在していたことから、本形式の導入まで、東武本線の日比谷線への乗り入れには18m級の専用車両が充当されてきたが、測定機器を用いて日比谷線の再計測を行った結果、20m級車両を導入しても弊害がないことが確認され、「2号線車両規格」[7][注 1]を大幅に改定し、本系列では20m級7両編成を採用した(東京メトロ13000系も同様)。
13000系と同形である、アルミ合金のダブルスキン構造・レーザー・MIGハイブリッド溶接を採用している[9]が、無塗装の13000系に対して、70000系では20000系列の帯色であるマルーンを2つの原色に分けて昇華させた「イノベーションレッド」と「ピュアブラック」の2色の帯をまとわせている[4]。前頭部のデザインは直線的な13000系と異なり、前面下方が後方に折れ曲がったものを採用していて、前照灯のデザインも大きく異なっている[10]。
電動機と制御機器類は13000系と同じものが用いられており、主電動機には1時間定格205kWの永久磁石同期電動機 (PMSM) を採用[11]することにより、消費電力が20050型の約25%削減される。東武鉄道に三菱電機製の制御装置が導入されるのは初めてである。
ブレーキシステムは回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを搭載している[12]。
車体に装備される台車は、13000系と同様に、車端側を電動機を搭載した電動軸と車両の中央側を付随軸とし、付随軸は、曲線走行時においてレールと車輪から発せられる騒音を低減するため、輪軸の向きを変えられる自己操舵軸とした操舵台車が採用されている[11]。
台車のメーカー形式はSC-107で、東武鉄道社内の独自形式は「TRS-17M」である。
間接照明を採用した13000系に対し、70000系は「室内のどこにいても明るく快適な車両」を目指し、直接LED照明を採用した[13]。シートの割り付けやスタンションポールの配置などは13000系と同様であるが、シートモケット地には、車体外板にも使用されている「エナジードット」柄が織り込まれており、一般席は赤色、優先席では青色の配色となっている。座席表地は龍村美術織物製のものが使用されている[14]。
妻引戸のガラスには、1号車(東武動物公園方)から7号車(浅草方)へ順番に東武スカイツリーライン沿線の代表的な風景(隅田川と東京スカイツリー、東武動物公園など)をイラスト化したものが表されている[11]。
また、妻引戸の取っ手は、13000系と70090型がアシストレバー付きの物を採用しているのに対し、70000系では固定式の物を採用している。
客室扉の上部には13000系と同様に、17インチワイド液晶の車内表示器がそれぞれ3つ搭載される。
その他の相違点としては、ドアエンジンが13000系は空気式を採用していることに対し、70000系は電気式が採用されていること、車両間の妻引戸は、13000系が各車両側に在るものの、70000系では片側のみにあること、また、13000系は、網棚のガラスに江戸切子をベースにした模様が刻まれていることに対し、70000系にはそれが無く、透明なものになっていること、さらに、13000系は間接照明を採用していることに対し、70000系は直接照明を採用していることなどが挙げられる。また警笛と合図ブザーの音色も13000系とは異なり、既存の東武車と同じものとなる[15]。
側窓は通常の合わせガラスを採用していることから断熱性は低く、座席部の窓には50000系や60000系同様に従来のフリーストップ型カーテンを設置して製造費の軽減を図っている。
東武線内の車内放送は久野知美によるもので、久野は出発式にも出席した[16][17]。
2019年3月26日、東武鉄道は、日比谷線直通列車に有料着席サービスを導入し、これに対応したマルチシート車両[注 2]として70090型を2020年度に導入することを発表した[19]。さらに、同年12月19日には、列車名を「THライナー」とすること、及び当該ライナーサービスを2020年6月6日から開始させることを発表した[20][注 3]。東武鉄道でのマルチシート車は50090型に次ぐものであり、2019年度までに投入される70000系22編成のうち4編成が当該列車に充当され[22]、2020年度には2編成増備され[23]、同形式の配備は完了した。
当初は営業運転開始時期を2017年6月上旬と予定していたが[24]、実際は一か月ほど遅れて13000系とともに同年7月7日から運行を開始した[25][26]。70090型は2020年3月20日から運用を開始している。
伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・日光線と東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線との直通運転列車に用いられており、70090型は「THライナー」のほか、一般列車にも用いられている。
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