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『富江』(とみえ)は、1987年から『月刊ハロウィン』誌や『ネムキ』誌などで伊藤潤二が発表したミステリーホラー漫画、およびそれを原作としたホラー映画・ドラマ作品である。
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川上富江は、長い黒髪、妖しげな目つき、左目の泣きぼくろが印象的な、絶世の美貌を持った少女。性格は傲慢で身勝手、自身の美貌を鼻にかけ、言い寄る男たちを女王様気取りで下僕のようにあしらう。だが、彼女の『魔性とも言える魅力』を目にした男たちは皆、魅せられてゆく。
やがて、富江に恋する男たちは例外無く、彼女に「異常な殺意」を抱き始める。ある者は富江を他の男に渡さず自分が独占したいため、ある者は富江の高慢な性格に挑発され、ある者は富江の存在の恐怖に駆られ、彼女を殺害する。
しかし、富江は死ぬことはなく、何度殺害されても甦る。身体をバラバラに切り刻もうものなら、その肉片1つ1つが再生し、それぞれ死亡前と同じ風貌・人格を備えた「別々の富江」となる。たとえ細胞の1個からでも、血液の1滴からでも甦り、富江は無数に増殖してゆく。そして、その富江たちがそれぞれ、新たな男たちの心を狂わせてゆく……。
これは、そんな魔性の美少女「富江」と、彼女に関わることによって人生を誤る男たち、そして彼らを取り巻く人々の人間模様を描いたサスペンスホラー作品である。
1999年3月6日公開。キャッチコピーは「悪夢は増殖する。」。
富江の恐怖を前面には出さず、失われた記憶の探求部分が強調されている[1]。
泉沢月子は3年前の交通事故以来、記憶障害に遭い、精神科医の細野辰子のもとで催眠療法を受けていた。催眠中の月子の口から「トミエ」という言葉が漏れる。そんな細野を、ある刑事が訪れる。彼は月子の元友人・川上富江に関わる謎の怪事件を追い続けていると言うのだ。
一方、月子の住むアパートに1人の青年が越して来る。彼が大事そうに抱える鞄の中身は女の生首。彼が愛おしそうに育てるその首は、やがて再生を遂げて1人の美少女の姿となる。彼女こそが富江だった。やがて彼女を巡る男たちが、次々と狂気に囚われてゆく……。
95分。
2000年2月11日公開。同時上映は『うずまき』。キャッチコピーは「愛してくれたら、殺してあげる。」。
原作の「病院編」と「地下室」をベースとしている[1]。前作のヒットを受けて全国東映系で公開されたが、興行は芳しくなかった[2]。
森田病院で、腹が異常に膨れ上がった急患の緊急手術が行われた。その腹からは何と女の生首が摘出され、「富江」と名乗った。
同病院の入院患者・佐藤文仁を見舞いに訪れた友人・武史は、院内で全裸の女性に遭遇。助けを求める彼女を家へ連れ帰った武史は、その魅力に惑わされて次第に精神に異常を来たしてゆく。武史の豹変に気づいた文仁は、武史が「富江」なる女性と同居していることを知る。
一方、病院では先の手術の執刀医であった院長・森田健三が失踪。手術に立ち会った者も次々に辞職しているという。健三の娘・由美は父の消息を追ううちに父の手記を入手し、そこに「富江」の名を見つける。偶然にも知り合った由美と文仁は、それぞれ父と友人のため、ともに富江の謎を追い始める。
95分。
原作の「滝壺」「画家」「毛髪」などをアレンジしている[1]。
富江の人物像は前2作と異なり、無邪気さと大人びた部分を併せ持つ[1]。
美大生の木股英雄は、富江をモデルとして肖像画を描いていたが、富江がその絵を台無しにしたことで、発作的に富江を殺害してしまう。彼は友人の青山巧、細田俊一の手を借り、富江の遺体を山中に埋める。
翌日、俊一は巧と英雄を合コンに連れて行くが、突然そこに参加予定の無い女性の姿が。それは紛れも無く、死んだ筈の富江だった。それから間もなく、錯乱した英雄が自殺。やがて俊一や巧だけでなく、俊一の母・朋子、そして巧と同棲している恋人のひとみまでもが、富江によって次第に人生を狂わされてゆく。
101分。
タイトルに「最終章」とあるが、シリーズは完結しておらず、後述の通り作品は継続して制作されている。
ロリータとレズビアンをテーマとしており、富江と登美恵の絡みを強調している[3]。人間関係の描写に注力しているため、他の作品よりもホラー性は薄くなっている[3]。
橋本登美恵は内気で地味な高校生。10年前に母を亡くして以来、父との2人暮らしもどこかぎこちなく、学校では典型的ないじめられっ子。密かに小説家を夢見る登美恵は、現実逃避するかの如く少女小説をノートに綴る。
そんな彼女の元へある日、富江と名乗る美少女が現れる。富江はなぜか登美恵に近付き、登美恵も奔放な性格の富江に惹かれ、2人は友達となってゆく。
やがて登美恵の家を訪ねる富江を、登美恵の父・和彦が見て愕然とする。その姿は紛れもなく、25年前の自分の初恋の相手・富江だった。自分と同い年、しかも既に死んだ筈の富江が何故、25年前の姿のままでここに? やがて富江は今度は和彦に接近。「初恋をやり直そう」と誘い掛ける。
91分。
2005年4月9日公開。キャッチコピーは「悪夢はここからはじまった」。
監督は映画第1作と同じ及川中[4]。タイトルに「BEGINNING」とある通り映画第1作『富江』の前日談となっており[4]、第1作『富江』で富江の肉体を育てていた青年の正体が、本作のラストで明らかとなる。
廃校となったある高校を、かつての生徒だった松原礼子と山本健一が訪れ、回想を巡らせる。
あの日、川上富江と名乗る美少女が2人のいるクラスに転入。男子生徒はあっと言う間に彼女の魅力に魅せられ、嫉妬する女子生徒たちは、富江と取り巻きの男達による残酷な復讐を受ける。そして、彼らのクラスは富江に支配された。
その愛憎の余り、男子生徒の1人がある日、礼子とともに下校中の富江を襲ってその耳を切り落とす。礼子は見た。切り落とされた耳が、生物のように地面を這い回る姿を。そして礼子が富江の耳の傷の手当をしようとした時、既に耳は何事も無かったかのように再生していた。富江とは一体何者なのか?
74分。
2005年4月16日公開。キャッチコピーは「悪夢は終わらない」。
主要スタッフは『富江BEGINNING』と同一[4]。
女医の須磨和江はある夜、山中で全裸の美女に遭遇する。その女は、自分の勤める診療所の富樫所長の娘・麗に瓜二つだった。数日前に失踪した麗。唯一の違いは、その美女には左目の下にほくろがあること。逃走した女を追って和江が山中の洋館へ辿り着くと、そこには瀕死の少女・冬木雪子が倒れていた。
1年後、雪子は一切の記憶を失っていたものの、診療所の手当てによりすっかり元気を取り戻し、診療所の人気者となっていた。和江は雪子を妹のように愛しつつも、一方ではあの山中の謎の女のことを気に病んでいた。
そんな和江をある日、公安庁の捜査官2人が訪ね、“富江関連事件”を語る。何度殺されても甦り、挙句には自身の細胞を他人に寄生させて他人の肉体を乗っ取る魔の美女、富江。その目印は左目の下のほくろ。するとあの山中の美女は、富江に乗っ取られた麗なのか? そして、麗を乗っ取ったオリジナルの富江が、どこかに潜んでいる!
72分。
2007年11月17日公開。キャッチコピーは「増殖は終わり、破滅が始まる。」。
恋人の尚子を目の前で何者かによって殺されたショックで、精神崩壊を起こした梅原一樹。適切なカウンセリングを受けて、社会復帰をした後、彼はマネキン工場に就職した。そこで、一樹は富江という尚子と瓜二つの女性と出会う。その一方で、彼女は富江という自分と同じ名前の女性を探していた。実は彼女たちは、新生児の時にオリジナルの富江の細胞を組み込まれたコピー。彼女は自分の肉体維持のためにオリジナルの富江の鮮血を求めていたのだった。そして、2人の富江の血を掛けた戦いが始まる。
86分。
2011年5月14日公開。キャッチコピーは「恐怖の数珠つなぎ」。
これまでの映像化作品の中では最も原作に近いとの評価もあり、過激な映像表現のために15歳未満は鑑賞できないR15+指定となった[5]。2011年2月に解禁された予告編映像は、15歳未満の観客も視聴可能なように表現を抑えられたにもかかわらず、劇場での上映が限定された[5][6]。主人公の月子と富江は姉妹という設定で、月子役を荒井萌、富江役を元グラビアアイドルの仲村みうが演じた。その他にも共演には公開当時AKB48の多田愛佳など[5][7]。
写真部に所属する女子高生・月子は友人・佳恵と帰宅途中、同じ学校に通う姉・富江が自身の憧れの先輩と連れ立つところを目撃する。男を誘惑する姉に月子は激しく嫉妬するも、彼女の美しさに陶酔して、カメラでシャッターを切り続けてしまう。その時、富江は建設中のビルから落下してきた鉄骨に刺し抜かれて死亡する。 それから1年後、富江の誕生日に、死んだはずの富江が家に帰って来て…。
本作品以前に 井口昇監督作品として『富江VSエコエコアザラク」(仮題)』の企画が進んでおり、2007年3月にはオーディションも行われていたのだが実現しなかった[8]。
井口は、「姉妹」を題材とした本作品に対し、同時期に監督していた『電人ザボーガー』では「兄弟」を題材としており、両作品を同じ物語構成上にある表裏一体の作品であると位置づけている[9]。
1999年12月26日に関西テレビで放映。3話構成のオムニバス。
大映からVHSとDVDが発売された[1]。ビデオ&DVDリリース時は『富江 アナザフェイス』と改題された[1]。
キャッチコピーは「この増殖はもう止められない」。
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