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日本の福岡県大牟田市にある港湾 ウィキペディアから
三池港(みいけこう)は、福岡県大牟田市にある港湾である。港湾管理者は福岡県。港湾法上の重要港湾、港則法上の特定港に指定されている。
当時三井鉱山合資会社の専務理事であった團琢磨の発案で築港され、日本では珍しいパナマ運河と同様の閘門式のドックを持っている。
現役の港でありながら、2015年5月4日にイコモス(国際記念物遺跡会議)からユネスコへ世界遺産リストに記載勧告がなされ、同年7月に正式登録された明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業の23構成資産に含まれており[1]、長崎造船所などとともに日本の稼働資産としては初の世界遺産登録となった。
三池港航路北側突堤の根本屈曲部の港外側には、遠浅の砂浜海岸があった[3]。この砂浜は長さ約300 mの人工海浜で[4]、「三池海水浴場」(座標[5])として利用されていた[3]。同海水浴場は福岡県筑後地区では唯一の海水浴場[6][7][4]、および有明海に接することのできる親水地域として知られ[7]、1990年(平成2年)時点では大牟田観光協会が大牟田市から委託を受け、毎年7月20日から8月中旬まで開設しており、地元である大牟田市だけでなく、柳川市・大川市や隣接する熊本県荒尾市からも家族連れが訪れ、例年2、3万人の海水浴客で賑わっていた[6]。一方で有明海にあることから、潮の干満の差が6 mと激しいため、遊泳できない時間は浜辺や海の家に隣接するテラスでムツゴロウ釣りゲームやドッジボール大会、輪投げ、ライブなどのイベントが実施されていた[7]。また海水浴だけでなくウィンドサーフィンのメッカとしても知られ、八女方面からも若者が集まっていた[6]。
同海水浴場は国と三井鉱山の所有地で[8]、1927年(昭和2年)7月10日[9]、三川商工会が三井鉱山の承認を得て開設した[10]。1952年(昭和27年)からは大牟田観光協会が主体となって開設しており[10]、市民の夏の楽しみとして親しまれていたが[11]、大牟田川の水質汚染など公害問題により[6]、1970年(昭和45年)には閉鎖が決定され、同年7月26日 - 29日までの4日間は熊本県の海浦海水浴場へ列車が運行された[12]。しかし1978年(昭和53年)7月20日には9年ぶりに再開された[13]。
海岸から約20 km南西の有明海の対岸は島原半島であり、雲仙普賢岳の活動による火山性地震で津波が発生した場合に被害が出ることが予想された[4]。1991年(平成3年)6月3日に発生した雲仙岳の大規模噴火を受け、大牟田観光協会は海水浴場が堤防の外側にあり、満潮時には小規模の津波でも危険であること、また近くに適当な避難場所がないことなどから、同年度の海開きを中止することを決定[6]、それ以降は1997年(平成9年)まで休止していた[4]。1998年(平成10年)7月に8年ぶりに再開され[7]、2000年(平成12年)は7月15日にオープンしたが[11]、 集客の伸び悩み、海水浴場としての自然条件の厳しさ(潮の干満差が大きく遊泳時間が限定されたり、遠浅になりにくかったり、潮流などの関係で漂流物が漂着しやすかったりするなど)、駐車場確保の困難さなどを理由に、同年を最後に開設されなくなっている[14]。
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