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水を沸かし、湯や水蒸気をつくりだす設備や装置 ウィキペディアから
ボイラー(英: boiler)は、水を沸かし、湯や水蒸気をつくりだす設備や装置のことである[1]。日本産業規格(JIS)や学術用語集ではボイラと表記されるほか、汽缶(きかん、汽罐)、あるいは単に缶やカマともいう。
ボイラーには、水蒸気を利用するためのボイラーと、湯を利用するためのボイラーがある。
古くは薪などを燃料として燃焼させるタイプしかなかったが、ガスが供給されるようになってからはガス式のボイラもあり、現代では電気式のボイラもある。燃料を用いるタイプはたいてい、燃焼室(火室)と、その燃焼で得た熱を水に伝える熱交換装置を持つ。
初期の蒸気機関はボイラーの爆発事故が多発したため、機械の安全性や製造者責任のような考え方も生まれ、製造所や製造年などを明示するボイラープレートという手法も考案された。また同時期にはスターリングエンジンのような熱機関も考案された。
温水を作るためのボイラーを温水ボイラーと分類することがある。湯を利用するためのボイラーを(高圧蒸気を発生させないもの、ととらえて)無圧ボイラーと分類することもある。ヨーロッパや北アメリカなど、気温の比較的低い地域では、集合住宅でも戸建て住宅でもセントラルヒーティングがかなり普及しており、人々に馴染まれているものである。特に寒いロシアでは、ひとつの市のレベルでセントラルヒーティング方式が大規模に行われている場合があり、街中に配管がはりめぐらされ、各住宅(ロシアは街中は集合住宅が多い)に届けられている場合もある。温水暖房や給湯のために使われる。
蒸気を発生させるためのボイラーを蒸気ボイラーと分類することがある。蒸気機関車に大きな(蒸気)ボイラーが組み込まれており、ボイラーが発生させる水蒸気がシリンダーに送り込まれピストンを押すことが車輪を回転させる動力となっている。火力発電所では、ボイラーで発生させた水蒸気で蒸気タービンを回転させ発電機を動かし発電を行っており、ボイラーは発電設備のひとつである。原子力発電所は熱源を原子力に置き換えた発電所であるが[2]、原子力の特性もあり異なる発電方法と見なされている[3]。
伝熱部が水管になっているもので、循環方法により以下のように分類される。
鋼鉄製の水を満たした缶を主体としたボイラー。保有水量が比較的多く、負荷の変動に強い。その反面、立ち上がりが遅く、万一爆発事故が起きれば被害は甚大である。構造上中小規模のものが多い。また、ボイラーにもよるが缶内に人が入ってスケールの除去が可能で、水管ボイラー程は給水に神経質になる必要もない。
鋳鉄を構造として用いたもので、鋼鉄に比べて耐食性に優れる。強度は低く、急速な加熱・冷却を行うと破損することがある。暖房、給湯用として建築設備によく用いられる。
高温高圧の気体・液体を封入する圧力容器であるので、各種保安装置が設置される。
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