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外気を取り入れて内部の空気を排出すること ウィキペディアから
換気(かんき)は、特定の空間の空気環境を維持、または改善するために外気を取り入れて内部の空気を排出する(入れ換える)こと。
機械換気と自然換気を併用するハイブリッド換気システムもあり、建築物によっては季節や時間帯などにより機械換気と自然換気を切り替えたり組み合わせたりすることでエネルギー消費を抑えるシステムが導入されている[3]。
機械換気はその方式によって第一種から第三種に分けられ[2]、さらに第三種は甲種と乙種に分けられる[8]。
換気ファンのメンテナンス等が必要となる。フィルタにホコリなどが溜まると給排気の抵抗となり効率が低下するため、定期的に外して清掃しなければならない。同様の汚れは羽にも付着、堆積する。こちらも抵抗が増していき、送風量の低下や異音の元となるため、定期的な清掃が求められる[9]。
人間の活動に伴う呼気や臭気・粉じん等の種々の汚染質発生に対する基本必要換気量は、総合的指標である二酸化炭素の設計基準濃度(1000ppm)と人間の呼吸に伴う二酸化炭素の発生量から算出される[10]。
CO2は、ヒトの呼気中に4%(40,000ppm)含まれており、ヒトが吐き出す汚染物質の中で最も多い[11]。
CO2濃度は極わずかな濃度でも人体に影響を与えるとわかってきている[12]。
CO2以外のbioeffluents(いわゆる口臭などの原因物質)、シックハウス原因物質の影響も指摘されるが、これらを除去してCO2のみを加えた実験でも1000ppmの低濃度で認知機能への影響が見られるとする研究もある[13]。
一人あたりの必要換気量の参考値は、30 m3/(h・人)とされているが、これは建築物衛生法の衛生管理基準値(CO2濃度:1000ppm以下)を満たすため、呼気のCO2濃度(0.02[m3/(h・人)])から算出した値であり、以下の式で計算できる。 Q=M/(Ci-Co)=呼気のCO2濃度/((室内濃度-外気濃度)×10^-6[m3/ m3]) =0.02[m3/(h・人)]/((1000-350)×10^-6[m3/ m3])≒30 m3/(h・人)[10] ※外気のCO2濃度は350ppmと仮定して計算しているため、大気中のCO2濃度の値が400ppmを超えている現状では、必要換気量が異なる。
なお感染症対策において、リスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」とは、一般的な建築物の空気環境の基準を満たしていないことを指すものと考えられる。その意味では、ビル管理法の基準に適合させるために必要とされる換気量(30 m3/(h・人)=CO2濃度:1000ppm以下)を満たせば、「換気の悪い密閉空間」には当てはまらないと考えられる[18]。
アメリカ暖房冷凍空調学会(ASHRAE)による推奨規格は以下の通り[19]。
ヤード・ポンド法 | SI単位 | 分類 | 例 |
---|---|---|---|
0 cfm/person | 0 L/s/person | 主に居住者ではなく建築要素に関連している空間 | 保管庫、倉庫 |
5 cfm/person | 2.5 L/s/person | 成人が主に低活発な活動を行う空間 | オフィスエリア |
7.5 cfm/person | 3.5 L/s/person | より活発な活動を行うが、激しい活動や多量の汚染物質を排出する活動ではない | 小売エリア、ロビー |
10 cfm/person | 5 L/s/person | より活発な活動を行うが運動はしていない、もしくはより多量の汚染物質を排出する活動に従事 | 学校、教室 |
20 cfm/person | 10 L/s/person | 居住者が運動している、もしくは多量の汚染物質を排出する | ダンスルーム、エクササイズルーム |
ヤード・ポンド法 | SI単位 | 分類 | 例 |
---|---|---|---|
0.06 cfm/ft2 | 0.30 L/s/m2 | 空気汚染が通常のスペース、またはオフィス環境に類似するスペース | 会議室、ロビー |
0.12 cfm/ft2 | 0.60 L/s/m2 | 空気汚染がオフィス環境よりも著しく高いスペース | 教室、美術館 |
0.18 cfm/ft2 | 0.90 L/s/m2 | 空間汚染が前のカテゴリーよりもさらに高いスペース | 実験室、美術教室 |
0.30 cfm/ft2 | 1.5 L/s/m2 | 汚染物質が放出される、スポーツまたは娯楽の特定のスペース | スポーツ、エンターテイメント |
0.48 cfm/ft2 | 2.4 L/s/m2 | 化学物質濃度が高い屋内遊泳のためのエリア | 屋内スイミングエリア |
汚染源が建物内にある場合、汚染物質の濃度は上昇することはあっても減少することはないため、状況が許すのであれば常時換気(24時間換気)が最も効果的である[20]。 屋外の大気汚染や気温などにより常時換気が難しい場合は定期的に換気を行う形になるが、その目安としてCO2などの空気質を測定するセンサーが用いられることがある[21][22]。
折角空調した空気を捨てて外の空気を取り入れるため、冷暖房のコストが増加する[23]。
換気は室内の空気を排出し、外気を取り入れる行為である。そのため、外気が汚染されている状態で換気を行うことは、その汚染された空気を室内に取り入れてしまうことを意味する。 新型コロナウイルス感染症への有効な対策として換気が挙げられるが、野焼きのために煙で外気が汚染され、換気の妨げる問題が発生している[24] [25] [26][27]。
CO2濃度を監視し、必要十分な換気量に抑える[23]。
換気しつつ熱の流出を最小限に抑える。熱交換器にカビや埃が溜まることがあるので注意[34]。
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