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『パックランド』(PAC-LAND)は、1984年に発表された、ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)のアーケード用横スクロールアクションゲーム。
ジャンル | 横スクロールアクション |
---|---|
対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
|
開発元 | ナムコ開発一課 |
発売元 |
ナムコ ミッドウェイ |
デザイナー |
佐藤誠市 根來司 |
プログラマー | 岸本好弘 |
音楽 | 慶野由利子 |
美術 | 小野浩 |
人数 | 1 - 2人(交互プレイ) |
メディア |
業務用基板 (193.00キロバイト) |
稼働時期 |
1984年8月1日 1984年12月25日 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) ESRB:E(6歳以上) |
デバイス | 3ボタン(左、右、ジャンプ) |
CPU |
MC6809 (@ 1.536 Mhz) HD63701 (@ 1.536 Mhz) |
サウンド | Namco WSG (@ 1.536 Mhz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 288 x 224ピクセル 60.61Hz パレット256色 |
その他 | 型式:PL |
アメリカ合衆国で放送されたテレビアニメ『パックマン』(1982年 - 1983年)をベースに、ナムコ開発一課が開発、ゲーム・デザインはアーケードゲーム『リブルラブル』(1983年)を手掛けた佐藤誠市と、後に『ドラゴンセイバー』(1990年)を手掛ける事となる根來司が担当、プログラムは岸本好弘、音楽は慶野由利子が担当している。それまでドットイートゲームとして開発されてきた『パックマン』シリーズとは異なり、純粋な横スクロールアクションゲームとして開発された。
迷子になった妖精をフェアリーの国まで連れて行き、無事に送り届けることを目的としている。キャッチフレーズの「不思議なことが当たり前」の通り、進行と共に様々に変化する冒険心を感じさせる色彩豊かなステージや、パックマンのちょっとした行動に連動させた非常に多くの隠しフィーチャーを盛り込んでいるという点が特徴的である。また、同社の名前を捩ったボーナス得点「7,650点」(ナムコ=765の意味)を作中で多用し、印象付けている点も特徴のひとつである。
1985年に日本ではPC-8001mkIISR、ファミリーコンピュータ(FC)に移植された他、欧州では1988年にAmstrad CPC、コモドール64に移植された。1989年にはPCエンジンに移植された他、欧州ではAmiga、Atari ST、MSX、ZX Spectrumに移植された。他にも1992年にはAtari Lynx、1994年にはX68000に移植された。
アーケード版は後にPlayStation用ソフト『ナムコミュージアム Vol.4』(1996年)、Windows 95/98用ソフト『SUPER1500 パックランド』(1999年)、iOS用ソフト『NAMCO ARCADE』(2012年)、PlayStation 3およびXbox 360用ソフト『パックマンミュージアム』(2014年)にそれぞれ収録。2022年にアーケードアーカイブスの1作品としてPlayStation 4版とNintendo Switch版が配信。ファミリーコンピュータ版は2014年にWii U用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信された。
プレイヤーは主人公のパックマンを操作し、邪魔をしてくるモンスターたちをかわしながら制限時間以内にラウンドをクリアしていく。ただし、制限時間を過ぎてもミスとならずにモンスターである「スー」が高速で追いかけて来るようになり、同時に「ヘルメット」や「魔法の靴」など、パックマンが持っているアイテムをすべて失うというペナルティが課される。
従来の『パックマン』シリーズと同じく「パワーエサ」が用意されている。通常はモンスターをやり過ごすしか手段はないが、このパワーエサを取ることで一定時間モンスターを撃退できるようになる。パワーエサを取ったパックマンにモンスターは怯えて青くなり、パックマンから逃げていく「イジケモンスター」と化す。パックマンはこれらイジケモンスターを撃退することでゲームを有利に進めていくことができる。また、パワーエサの効果としてジャンプ力が飛躍的に上がり、高い場所にいるモンスターも撃退することができる。
操作は、右移動ボタン、左移動ボタン、ジャンプボタンの3つの押しボタンを用いる。
パックマンを移動させるには移動ボタンを連打する必要があり、移動ボタンをすばやく連打することによって、連打速度に応じてパックマンの移動スピードもある程度まで上がるようになっている。スピードを上げた状態で、移動ボタンを押したままにすることでその移動スピードが保たれる。
ジャンプボタンを押すとジャンプを行うことができ、障害物やモンスターを飛び越えたり、やり過ごしたりすることができる。ジャンプの高さはパックマンの移動スピードが速いほど高くなり、高い障害物を飛び越える場合には十分な助走を必要とする。また、パックマンは障害物やモンスターの頭上、背景の建物の屋上などに乗ることができ、そのような特性を利用してラウンドを攻略していくことが可能となっている。
右にジャンプした直後でも、左移動ボタンを連打することである程度ジャンプ軌道も制御できる。足場が狭い場所での移動やモンスターの攻撃が激しい場所でのフェイントにも使え、たった3つのボタンで織りなす微妙な操作感がこのゲームの肝である。また、進んでいる方向と反対方向の移動ボタンを押すと急停止することができる。
パックマンが以下のような状態になったときミスとなり、パックマンを1人失う。すべてのパックマンを失うとゲームオーバー。
パックランドはパックマンの自宅からフェアリーの国までの往路とフェアリーの国からパックマンの自宅までの復路という形で構成され、1回往復するまでを1つのトリップと呼ぶ。トリップは4ラウンドから構成され、最初の3ラウンドで迷子の妖精をフェアリーの国まで送り届けに行き、残りの1ラウンドで自宅まで戻るということを繰り返す。自宅まで戻るラウンドは右から左へ進んでいくことになり、BGMも異なる。トリップは全部で8つあり、トリップ9以降からはトリップ5のマップに戻って以後ループとなる。ただし、トリップ9以降は制限時間が短くなる。
通常はトリップ1からゲームが開始されるが、設定によってはゲーム開始時にトリップの選択を行うことができるようになっており、そのトリップをクリアするとボーナス得点が加算される。加算されるボーナス得点を以下にまとめる。
トリップ | ボーナス得点 |
---|---|
1 | 0 |
2 | 50,000 |
3 | 150,000 |
4 | 250,000 |
5 | 400,000 |
また、プログラム上の仕様でトリップ100を超えると再度ボーナス得点が加算される。例えばトリップ5から開始した場合はトリップ5をクリアした場合に40万点が加算されるが、トリップ105、トリップ205をクリアした場合にも同じく40万点加算される。
各ラウンドには設置されている障害物をパックマンが進行する方向と反対に押すことで出現するフィーチャーが用意されている。これら隠しフィーチャーの出現位置はラウンドごとに候補となる場所がいくつか決まっている。どこで出現するかはラウンドスタート時のスコアの10点の桁によって決まるが、ラウンドとスコアの組み合わせによっては出ない場合もある。また、最初からフィーチャーが用意されていないラウンドやトリップもある。
本作ではただの半円形でなく、擬人化されたアニメ調のキャラクター(残数表示はこれ以前のパックマンシリーズと同様半円形)となっている。パックマンシリーズと同じくパワーエサを食べることでモンスターをイジケさせて撃退することができる。
家族のミズ・パックマンとパック・ベビーがおり、復路ラウンドでは家の前で出迎えてくれる。
新しい女性モンスター「スー」を加えた5匹がパックマンの旅の邪魔をする。モンスターたちには性格づけがなされており、その性格に従った行動を取る。また、スーを除くモンスターは常時乗り物に乗っており、特に飛行機に乗っている場合には、ひと回り小さい「小モンスター」を落としてくることがある。
パックマンはモンスターの頭へ乗ることができるようになっており、逃げる際に踏み台として利用することができる。また、モンスターの頭に乗らないとクリアできないラウンドも用意されている。
モンスターには個別に得意な攻撃方法があるため、それらを見極めながら進むことが肝要である。特に27面などは画面が真っ暗でパックマンの目の前の僅かな視界とモンスターの目しか見えないため、目つきからモンスターを判別して攻撃を予想しながら進まなければならないこともある。
名前 | 色 | 性格など |
---|---|---|
クライド(CLYDE) | オレンジ色 | リーダー格のモンスターとして位置づけられており、モンスターの中で移動スピードが一番速い。ソフト帽のような帽子をかぶっている。つり上がった目をしている。 |
ピンキー(PINKY) | ピンク | クライドの右腕とも言える存在。キャスケットのような帽子をかぶっている。ぱっちりとした目をしている。 |
インキー(INKY) | 水色 | 陰険な性格で窓から小モンスターを落としたり、飛行機で急降下しパックマンに特攻をかけてくる。帽子はかぶっておらず、ボサボサ頭のままでいる。視点が定まっていない。 |
ブリンキー(BLINKY) | 赤色 | 気弱な性格でモンスターの中で移動スピードが一番遅い。魔法使いがかぶるような背の高い帽子をかぶっている。性格を象徴するような気弱な目をしている。 |
スー(SUE) | 紫色 | モンスターの中で唯一乗り物には乗らず、空中をゆっくり飛びながら追いかけてくる。しかし、タイムアップすると高速でパックマンを追いかけてくる。一種の永久パターン防止キャラクター。女性モンスターを強調するかのようなまぶたが特徴。 |
小モンスター | 落としてきたモンスターと同じ | 飛行機に乗ったモンスターや街のシーンで建物の窓にいるインキーから落とされる。 |
スーを除くモンスターは常時乗り物に乗ってパックマンを攻撃してくる。乗り物によって攻撃スタイルが異なり、多彩な攻撃方法でパックマンを苦しめる。
パックマンの目的はこの迷子になった妖精を送り届けることである。普段はパックマンのかぶっている帽子の中に隠れている。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | パックランド | 1985年10月 |
PC-8001mkIISR | エニックス | エニックス | カセットテープ 5インチフロッピーディスク |
- | ||
2 | パックランド | 1985年11月21日 |
ファミリーコンピュータ | ナムコ | ナムコ | 320キロビットロムカセット[2] | NPL-4500 | [3] | |
3 | Pac-Land | 1988年 |
Amstrad CPC | Grandslam Entertainment | Grandslam Entertainment | フロッピーディスク | - | ||
4 | Pac-Land | 1988年 |
コモドール64 | Gannon Designs | Quicksilva | フロッピーディスク | - | ||
5 | パックランド | 1989年6月1日 1990年1月1日 |
PCエンジン | ナムコ | ナムコ NEC |
2メガビットHuCARD[4] | NC64002 TGX020021 |
||
6 | Pac-Land | 1989年 |
Amiga Atari ST MSX ZX Spectrum |
Mr. Micro | Grandslam Entertainment | フロッピーディスク | - | ||
7 | Pac-Land | 1992年12月31日 |
Atari Lynx | アタリ | アタリ | ロムカセット | PA2059 | ||
8 | ビデオゲームアンソロジー VOL.11 パックランド |
1994年12月9日 |
X68000 | 電波新聞社 | マイコンソフト | 5インチフロッピーディスク | DP-3205036 | アーケード版の移植 | |
9 | ナムコミュージアム Vol.4 | 1996年11月8日 1997年6月30日 1997年8月18日 |
PlayStation | ナムコ | ナムコ | CD-ROM | - | アーケード版の移植 | |
10 | SUPER1500 パックランド |
1999年4月16日 |
Windows 95/98 | ナムコ | メディアカイト | CD-ROM | - | アーケード版の移植 | |
11 | NAMCO ARCADE | 2012年1月26日 |
iOS | バンダイナムコゲームス | バンダイナムコゲームス | ダウンロード | - | アーケード版の移植 | |
12 | パックランド | 2014年6月11日 2014年6月11日 2014年6月12日 |
Wii U | バンダイナムコゲームス | バンダイナムコゲームス | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | ファミリーコンピュータ版の移植 | [5] [6] |
13 | パックマンミュージアム | 2014年6月25日 |
PlayStation 3 Xbox 360 |
バンダイナムコゲームス | バンダイナムコゲームス | ダウンロード | - | アーケード版の移植 | |
14 | NAMCO MUSEUM ARCHIVES Vol.2 | INT 2020年6月18日 |
Nintendo Switch(日本国外) PlayStation 4 Xbox One Windows(Steam) |
B.B.スタジオ M2 |
バンダイナムコエンターテインメント | ダウンロード | - | NES版を収録 | |
15 | ナムコットコレクション | 2020年8月20日 |
Nintendo Switch | B.B.スタジオ M2 |
バンダイナムコエンターテインメント | Switch専用ゲームカード ダウンロード |
ファミリーコンピュータ版の移植 | ||
16 | パックランド | 2020年11月20日 |
Windows | バンダイナムコエンターテインメント | D4エンタープライズ | ダウンロード (プロジェクトEGG) |
PCエンジン版の移植 2021年9月30日配信終了[7] |
[8][9] | |
17 | パックランド | 2022年4月7日 |
PlayStation 4 Nintendo Switch |
ナムコ | ハムスター | ダウンロード (アーケードアーカイブス) |
- | アーケード版の移植 | [10][11][12][13] |
第一作『パックマン』の主要スタッフ・岩谷徹は満足のいく作品だったと後年のインタビューの中で語りつつも、社内の営業や販売部門から売れないと言われたとも話している[15]。岩谷によるとこの当時横スクロールのアクションゲームはまだ珍しく、ゲームの背景を描いて彼らに説明するのに苦労したと振り返っている[15]。
評価 | ||||||||||||||||||||||||||||
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項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 4.34 | 3.65 | 3.49 | 3.48 | 3.52 | 3.19 | 21.66 |
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