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ディアブロケラトプス(Diabloceratops)は、角竜下目の恐竜の属。
ディアブロケラトプス Diabloceratops | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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D. eatoni 頭骨(右下) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
白亜紀後期 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Diabloceratops Kirkland et al, 2012 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ディアブロケラトプスはかなり原始的なセントロサウルス亜科の一つで、アメリカ合衆国ユタ州の後期白亜紀の地層であるワーウィープ層の下部から発見され、2010年に記載論文が発表された[1]。推定で全長5.5mほどに成長したと考えられる中型の角竜である[2]。 模式種であるD.エアトニは半分風化した一個体分の頭部のみで知られている[3]。 特徴的な目の上の長い角と目立つスパイクの生えたフリルが「悪魔の角をもつ顔」あるいは「悪魔のケラトプス」という意味の学名の由来で、丸みを帯びた鼻と相まって他のセントロサウルス亜科の角竜とは似つかない。むしろ目の上の長い角と短い鼻の角という組み合わせは先述のとおりカスモサウルス亜科を思わせる形質である。前後に短い鼻面もまた他の角竜類と区別される点である[4]。 D.エアトニの唯一の標本は1998年に発見され、2000年にユタ自然史博物館らによって発掘された。ディアブロケラトプスは最古のケラトプス類というわけではないが、その発見はケラトプス類の初期の進化を知る上で重要であると言える[5]。
ディアブロケラトプスはほとんどの典型的な角竜類の動物たちと同じように、骨でできた大きなフリル(襟飾り)で後頭部を装飾していた。正中線上のフリルの縁を形成する縁頭頂骨には一対の前方にカーブした大きなスパイク状のホーンレットが備わっている。ディアブロケラトプスはケラトプス科の中でもセントロサウルス亜科に属する。しかし典型的なより進化したセントロサウルス亜科に見られるような鼻骨の上の角は、存在しなかったか非常に小さく目立たないかで、より祖先的なズニケラトプスとの関連を思わせる。ズニケラトプス・クリストフェリ Zuniceratops christferi は極めて原始的なケラトプス科あるいはその祖先ないしその近縁種である。上眼窩角(目の上の角)は小さいが明瞭であり、上向きに反っている。頭骨は他のいかなるセントロサウルス類よりも上下に深く前後に短い構造になっている[6]。 フリルに備わっている非常に大きな二本のスパイクは、エイニオサウルスとスティラコサウルス、マカイロケラトプスのものに似ている。ディアブロケラトプス・エアトニは知られている中で最も初期のセントロサウルス類の一つで、ジェームズ・カークランド博士はより原始的なプロトケラトプス類に関連する特徴を兼ね備えていると記述している。頭骨の装飾には左右に一つずつ大きな開口部(窓)があいているが、これらは成長すると共に小さくなったものと思われる。より進化したケラトプス類ほどこの開口部は小さくなる傾向がある。この初期ケラトプス類は以前、その形態的特徴からして他の単一の自然分類群に内包できないと見なされていたが、カークランドはむしろより多くの派生的・漸新的な形質がいくつも見られるとし、ますます近縁種と関連していることを指摘している。
ディアブロケラトプス・エアトニの唯一の化石標本はアメリカ合衆国ユタ州ケイン郊外、レイクパウエル地区周辺のグランド・ステアーケースエスカランテ国立記念公園にあるワーウィープ累層で発見された。2002年、Don DeBlieux がワーウィープ累層のラストチャンスクリークの露頭を探検し、後に本種のホロタイプとなる化石を発掘した。ワーウィープ累層は放射線年代測定によって約8100万~7600万年前と見積もられ、地質年代は白亜紀後期カンパニアン前期とされている[7] 。標本は下顎骨を含む部分的な頭骨成分である。その頭骨は、右側がほぼ完全で死んだそのままの状態、左側が風化によって断片化していた。ユタ自然史博物館に収蔵された模式標本は UMNH VP 16699 とラベリングされた。別の標本、UMNH VP 16704 はさらに古くに既に発見されていた。それが発見されたのは1998年、ジョシュア・スミス Joshua A. Smith の手によってであった。発掘場所は同じくワーウィープ累層だが、2010年にディアブロケラトプスが設立されるまで一切記載論文が書かれることはなかった。この標本もユタ自然史博物館に収蔵されている。
属名はスペイン語で「悪魔」を意味する単語 Diablo (ネックシールドの角状のホーンレットに因む)とラテン語化された古代ギリシャ語の ceratops, (角のある顔)を組み合わせたもので、「悪魔の角をもつ顔」という意味である。また ceratops という単語は慣習的に角竜類に与えられがちなもので、実質的に「角竜」の意味もあるので「悪魔の角竜」とも訳せる。種小名 eatoni はウィーバー州立大学の古生物学者ジェフリー・イートン Jeffrey Eaton への献名である。イートンはディアブロケラトプスの記載論文のファーストオーサーであるカークランドの友人で、グランド・ステアーケースエスカランテ国立記念公園で本種を発見するにあたり多大なる貢献をした。ディアブロケラトプスの唯一の種である Diabloceratops eatoniは2010年にジェームズ・カークランドと Donald DeBlieux により記載命名された。
ワーウィープ累層は放射線年代測定で8100万~7600万年前の地層と推定されている[8]。ディアブロケラトプス・エアトニが生息していた頃、西内陸海道は最も広く拡大していた時期であり、ほぼ完全にララミディア大陸南部を北アメリカ大陸から孤立させていた。 ララミディア大陸南部の恐竜の生息地は、湖畔、池沼、湿地、西から流れる河川系を含んでいた。ワーウィープ累層はグランド・ステアーケースエスカランテ地区の一部で、ザイオン国立公園とグランドキャニオンまで伸びる巨大な堆積岩の連続からなる地層である。河川系の堆積物やその他の証拠は、白亜紀当時のその場所が湿潤な気候であったことを示唆している[9]。
ディアブロケラトプスはアクリスタヴス・ガグスラルソニAcristavus gagslarsoni[10][11]やランベオサウルス亜科の一つであるアデロロフス・ハッチソニ Adelolophus hutchisoni[12] のようなハドロサウルス類等とその古環境で共存していた。他にも未命名の曲竜類やパキケファロサウルス類、そして獣脚類のリトロナクス・アルゲステスも共存していた。リトロナクスはこの時期この土地の生態系において高位の捕食者であり、ディアブロケラトプスたちの天敵たりえた存在である[13][14][15]。]
ディアブロケラトプスの時代のワーウィープの脊椎動物はもちろん恐竜だけではなかった。淡水魚、アミア、大量のエイとサメ、コンプセミスに代表されるようなカメ、クロコダイル[16]、そしてハイギョがそうだ[17]。 多くの哺乳類もこの動物相に含まれる。数種類の多丘歯類、クラドテリア類、有袋類、食虫類が知られている[18] 。 哺乳類はカイパロウィッツ累層で見つかるものと比べてずっと原始的である。ワーウィープ累層の生痕化石はワニ類のものが鳥盤類や獣脚類のものと同じくらい多い[19]。
Ryan et al. (2016)による系統樹: [20]
centrosauriniセントロサウルス亜科 |
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独特な形状の頭部と印象的な名称も相まって、命名後間もないにもかかわらずディアブロケラトプスの知名度は高く、2014年に海洋堂によって立体化されている[21]。またゲームでも、コロプラのソーシャルゲーム『恐竜ドミニオン』やオンラインゲーム『The isle』でも登場しており、漫画でも所十三の『D-ZOIC』や久正人の『ジャバウォッキー1914』に登場している。
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