アクリスタヴス

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アクリスタヴス

アクリスタヴスAcristavus、「トサカのない爺さん」を意)はサウロロフス亜科恐竜の一つ。化石はアメリカ合衆国モンタナ州トゥーメディスン累層ユタ州ワーウィープ累層で発見されている。模式種 アクリスタヴス・ガグスラルソニ(A. gagslarsoni)は2011年に命名された。エドモントサウルス以外の他のハドロサウルス類と異なり、アクリスタヴスは頭骨に一切の装飾を持たない。アクリスタヴスの発見は、全てのハドロサウルス類は頭骨の装飾を持たない祖先から進化したこと、およびその装飾はハドロサウルス類の共有派生形質ではなくサウロロフス亜科ランベオサウルス亜科の分岐後にそれぞれが独自に獲得したものであることを証明したという点で、古生物学的に極めて重要である。ブラキロフォサウルスマイアサウラと近縁であり、ブラキロフォサウルス族という新しいクレードに配置された[1]

概要 アクリスタヴス, 地質時代 ...
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発見

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復元図

アクリスタヴスのホロタイプMOR 1155 は、モンタナ州ティートンのトゥーメディスン層で発見された。その標本は1999年にC・ライリー・ネルソンによって、後期白亜紀カンパニアン期(約7900万年前)に堆積した砂岩から発掘された[2]。MOR 1155は、ほぼ完全な頭骨や首から後ろの要素で構成されている。11個の頸椎、3個の不完全な胴椎、第1尾椎、いくつかの肋骨、左上腕骨、左橈骨、 右胸骨、左恥骨、左大腿骨、左脛骨、2個の左中足骨、5個の左趾骨から成る。第2標本は UMNHVP 16607 は2011年にアクリスタヴスとして記載された。これは2000年にネルソンによってユタ州のワーウィープ累層の中部泥岩部層のスモーキーマウンテンロード・ロカリティから発掘された。この地層はホロタイプの生息した時代と同時期に堆積したものと信じられている。UMNHVP 16607は、両方の涙骨と完全な脳函を含む部分的に関節した頭骨および頸椎で構成されている。

系統発生

アクリスタヴスはゲイツら(2011)によって最初にブラキロフォサウルス族として記載され、その基盤的位置に置かれた。最近の研究でもこの分析結果は支持されている。ブラキロフォサウルス族はサウロロフス亜科から派生したグループであり、マイアサウラブラキロフォサウルスウラガサウルスなどを含む。ゲイツはマイアサウラとアクリスタヴスを姉妹群であるとしたが、2013年のプリエト・マルケスらの分析ではマイアサウラはより派生的なブラキロフォサウルスにより近縁であるとされている。

以下のクラドグラムは2013年のプリエト・マルケスらの系統解析に基づく[3]

 ブラキロフォサウルス族 

アクリスタヴス

マイアサウラ

ブラキロフォサウルス

ケルベロサウルス

ウラガサウルス

 エドモントサウルス族 

シャントゥンゴサウルス

エドモントサウルス・アンネクテンス

エドモントサウルス・レガリス

PASAC-1 (サビナの未命名種)

 サウロロフス族 

プロサウロロフス

サウロロフス

 クリトサウルス族

ナーショイビトサウルス

クリトサウルス

グリポサウルス

UTEP 37.7 (Unnamed Big Bend species)

セケルノサウルス

ウィリナカケ

固有派生形質

ゲイツ(2011)によると、アクリスタヴスは以下の特徴によって他の属と区別できる。

  • 後眼窩骨基底の後頭骨前突起の存在。
  • 横方向に角張った深い前頭骨縫合線。
  • 前頭骨と前前頭骨の間にある縫合線の肥厚。
  • 後眼窩突起の側面に深い窪みがある。

出典

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