スウィート17モンスター

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スウィート17モンスター』(: The Edge of Seventeen)は、2016年に公開されたアメリカ合衆国青春コメディドラマ映画である。作品はケリー・フレモン・クレイグ英語版の初監督作品で[4]ヘイリー・スタインフェルドウディ・ハレルソンキーラ・セジウィックブレイク・ジェンナーヘイリー・ルー・リチャードソンらが出演した。主要撮影は2015年10月21日にバンクーバーで始まり、同年12月3日に終了した。

概要 監督, 脚本 ...
スウィート17モンスター
The Edge of Seventeen
監督 ケリー・フレモン・クレイグ英語版
脚本 ケリー・フレモン・クレイグ
製作
出演者
音楽 アトリ・エルヴァーソン英語版
撮影 ダグ・エメット[注釈 2]
編集 トレイシー・ワドモア=スミス[注釈 3]
製作会社
  • グレイシー・フィルムズ英語版
  • 華誼兄弟傳媒英語版
  • タン・メディア・プロダクションズ[注釈 4]
配給 アメリカ合衆国の旗 STXエンターテインメント
日本の旗[1] カルチャヴィル×GEM Partnersソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(提供)、ユニバーサル インターナショナル(協力)
公開
上映時間 104分[2]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 900万ドル[2]
興行収入 1,860万ドル[3]
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en:The Edge of Seventeen 2016 film poster.jpg
? 劇場公開時のポスター(英語版)
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映画は2016年9月16日第41回トロント国際映画祭で初公開され[5][6]、同年11月18日STXエンターテインメント配給で劇場公開された[7]。映画は概ね好評を得て、1,800万ドル余りの興行収入を得ているほか、主演のスタインフェルドはゴールデングローブ賞のノミネートも受けた[8]。日本では2017年4月22日に公開された[9]

あらすじ

高校2年生のネイディーン・フランクリン(演:ヘイリー・スタインフェルド)は、自己嫌悪しがちで、妄想から来る喋りが止まらない「こじらせ女子」。彼女は何事に付けても勝ち組で、母モナ(演:キーラ・セジウィック)のお気に入りな兄ダリアン(演:ブレイク・ジェンナー)を疎ましく思っている。小学生の頃いじめられっ子だったネイディーンは、唯一の親友クリスタ(演:ヘイリー・ルー・リチャードソン)を心の支えに生きていたが、彼女が天敵の兄ダリアンと交際を始めたことで関係が破綻する。

味方だった父トムは4年前に他界しており、再びひとりぼっちに戻ったネイディーンは、彼女に気があるアーウィン(演:ヘイデン・セットー)と言葉を交わすが、喋りが空回りしてアーウィンの気持ちに気付かない。代わりに彼女は、イケメン生徒ニック・モスマン(演:アレクサンダー・カルヴァート)に気を惹かれる。学校でクリスタに会ったネイディーンは、自分と兄のどちらかを選ぶよう迫るが、選択などできないと断るクリスタに絶交を言い渡す。

歴史教師のブルーナー(演:ウディ・ハレルソン)へ自殺の計画をぶちまけた後、ネイディーンは彼を頼るようになる。兄とクリスタの仲に悩む彼女は、アーウィンと遊園地に向かったり彼の家を訪れたりするが、相変わらず彼の気持ちには全く気付かない。ネイディーンは母親と喧嘩になり、気持ちを静めようとニックへの誘い文句を下書きするが、セックスを匂わせるメールは誤送信されてしまう。ブルーナーは落ち込む彼女に授業をさぼって落ち着くよう論し、ネイディーンはニックからデートの誘いを受ける。ネイディーンは思わせぶりなメールを送り付けておきながら、セックスの前にやたらと互いを知りたがり、ニックはこれに失望する。一方、彼女と喧嘩した母モナは、娘が逃げ出したのではと不安がり、ダリアンに当たりつける。

ネイディーンはこの緊急事態に、担任のブルーナーを呼び出し彼の家へ向かう。ダリアンとクリスタはネイディーンを迎えに来るが、父の死以来荒んだ心を隠してきたダリアンは、彼女の態度に、惨めなのはネイディーンだけではないと怒って帰ってしまう。ブルーナーに家まで送られた彼女はそのまま兄の部屋に向かう。ネイディーンは今までの自分を反省して兄妹和解し、クリスタとの仲のことも受け入れる。

翌朝、ネイディーンはアーウィンと約束していた学校映画祭に向かう。アーウィンの映画は彼女をモデルにしたもので、素直になった彼女はアーウィンの気持ちを受け入れる。友だちなど出来ないと思っていたネイディーンだったが、アーウィンの映画を絶賛する輪の中に招かれた彼女は、自然と笑顔になっていた。

キャスト

※括弧内は日本語吹替[10]

製作

脚本・監督を務めたケリー・フレモン・クレイグ英語版は、映画製作を引き受けてくれることを期待し、プロデューサーのジェームズ・L・ブルックスへ脚本のコピーを送った。クレイグはこの時を回想して次のように語っている。

「この映画の仕様書を書いたんだけど、私は何年もジム[=ブルックス]の狂信的ファンだった。最初に彼をつかまえようと思ったなんて、狂った大博打!それに、[ブルックスは]一緒に仕事をするだなんて考えもしなかった人だった。それでも私は彼に脚本を送って、向こうは計画に取り掛かることにした」ケリー・フレモン・クレイグ、Creative Screenwriting、2016年11月18日[15]

作品はクレイグの監督デビュー作となり、彼女は映画の製作にも携わった[4][13]

2015年8月4日、ヘイリー・スタインフェルドが主役となることが発表され、同時にリチャード・サカイが映画の製作に加わることも明かされた[11]。同年9月24日には、ウディ・ハレルソンキーラ・セジウィックが、それぞれ高校教師と主人公の母親として出演すると報じられた[14]。また10月6日には、兄ダリアン役のブレイク・ジェンナー、親友クリスタ役のヘイリー・ルー・リチャードソン、同級生であるアーウィン役のヘイデン・セットーの出演も報じられた[12]

主要撮影は2015年10月21日にバンクーバーで始まり、その後カリフォルニア州アナハイムへ場所を移した[16][17]。他にもメトロバンクーバーで撮影が行われたほか、ブリティッシュコロンビア州サレーのギルフォード・パーク中等学校 (Guildford Park Secondary School) ギルフォード・タウン・センター英語版なども用いられた。ポートムーディの市役所も、作中で映画祭が開かれる場所として使われている[18]。撮影は2015年12月3日に終了した[19]

封切り

配給はSTXエンターテインメントが担当し、当初は2016年9月30日に公開される予定だったが[12]、後に同年11月18日へ変更された[20]。アメリカ国外では、ステージ6フィルムズ英語版ソニー・ピクチャーズ・リリーシングが配給を担当している国もある[21]。日本ではカルチャヴィル×GEM Partners配給、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント提供、ユニバーサル インターナショナル協力との体制で[1]2017年4月22日に公開された[9]

作品の評価

要約
視点

興行収入

映画は『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』、『ビニー/信じる男』、『ムーンライト』、『ビリー・リンの永遠の一日』などと同日に公開され、1,900館上映で800万ドルの興収を得ると予測されていた[22]。初日の興行収入は180万ドルで、公開週末の予測興行収入は400万ドルから500万ドルに引き下げられ、結局480万ドルの興行収入で7位につけた[23]。アメリカ国内での興行収入は1,440万ドル余りだった[3]

批評家の反応

作品は広く賞賛され、スタインフェルドの演技も満場一致で絶賛された。映画批評サイト Rotten Tomatoes には、2017年5月16日現在166件のレビューが寄せられ、支持率95%、平均点数7.8点(10点満点)の「新鮮な」映画とされている[24]Metacriticでは、38件のレビューに基づき77点が付けられており、「概ね好評」とされている[25]。観客の投票で映画にA+からFまでランクを付けるサイト『CinemaScore』では「A-」が付けられた[26]

IGNのレビュワーであるアレックス・ウェルチは、映画に10点満点中8点を付け、「ケリー・フレモン・クレイグの『スウィート17モンスター』は青春時代、そして自分が何物か知る葛藤を描いた、音程が正確なポートレートだ。この映画はきっと、時にはひとつのシーンで、観客を笑わせ泣かせることだろうし、偽りのない本物だという以外の感想は出ないだろう」と述べた[27]

受賞とノミネート

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受賞とノミネート
映画賞授賞式開催日部門対象結果 出典
第12回英語版オースティン映画批評家協会賞 2016年12月28日 第一回作品賞
Best First Film
作品本編 ノミネート [28][29]
第29回英語版シカゴ映画批評家協会賞 2016年12月15日 ブレイクスルー映画制作者賞
Most Promising Filmmaker
ケリー・フレモン・クレイグ英語版 ノミネート [30]
第22回クリティクス・チョイス・アワード 2016年12月11日 若手俳優賞 ヘイリー・スタインフェルド ノミネート [31]
コメディ映画女優賞英語版 ノミネート
コメディ映画賞 ケリー・フレモン・クレイグ、作品本編 ノミネート
デトロイト映画批評家協会賞 2016年12月19日 作品賞 作品本編 ノミネート [32]
ブレイクスルー賞 ケリー・フレモン・クレイグ(監督・脚本) 受賞
第69回英語版全米監督協会賞 2017年2月4日 長編映画部門初監督賞 (Outstanding Directing – First-Time Feature Film)  ケリー・フレモン・クレイグ ノミネート [33]
第74回ゴールデングローブ賞 2017年1月8日 映画部門 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) ヘイリー・スタインフェルド ノミネート [34]
ゴールデン・トマト賞 2017年1月12日 ベスト・コメディ映画2016 作品本編 5位 [35]
MTVムービー・アワード2017英語版 2017年5月7日 今年の映画 映画本編 ノミネート [36]
映画部門最優秀俳優賞
Best Actor in a Movie
ヘイリー・スタインフェルド ノミネート
第82回ニューヨーク映画批評家協会賞 2016年12月1日 第一回作品賞 ケリー・フレモン・クレイグ 受賞[注釈 5] [37]
第20回トロント映画批評家協会賞 2016年12月11日 第一回作品賞
Best First Feature
作品本編 次点 [38]
第15回英語版ワシントンD.C.映画批評家協会賞 2016年12月5日 若手俳優賞英語版 ヘイリー・スタインフェルド ノミネート [39]
女性映画批評家協会賞英語版 2016年12月19日 若手女優賞
Best Young Actress
ヘイリー・スタインフェルド 受賞 [40]
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脚注

外部リンク

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