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2012年公開の日本映画(ウルトラシリーズ) ウィキペディアから
『ウルトラマンサーガ』(ULTRAMAN SAGA)は、2012年3月24日に全国松竹系映画館にて公開された円谷プロダクション製作の特撮映画作品、および劇中に登場する巨大ヒーローの名称。
キャッチコピーは「僕らにはまだ、輝く希望がある!!」、「誰も見たことのないウルトラマン。」、「子供たちのために戦う、すべての人へ。」、「あきらめるな!!」。
本作品は、2010年12月23日に公開された『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』に続くウルトラマンシリーズ45周年記念作品第2弾として制作されている。
当初は『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009年12月12日公開)や『ベリアル銀河帝国』同様、2011年12月公開予定[注釈 1]だった。同年3月11日に発生した東日本大震災の影響で一度は制作中断に見舞われたが、復興支援として制作されることになった。
近年でも『ウルトラ銀河伝説』で活躍し、2012年で生誕15周年を迎えたウルトラマンダイナ、2011年で生誕10周年を迎えたウルトラマンコスモス、そして当時の最新ヒーローであるウルトラマンゼロを中心としたウルトラ戦士と怪獣軍団の決戦を描く。
コスモスが映画に登場するのは、2003年8月2日公開の『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』以来9年ぶり、3月にウルトラ映画が公開されるのは、2000年3月11日公開の『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』以来12年ぶりとなる。
入場者特典として、2011年12月1日に死去したウルトラ漫画の巨匠・内山まもるの遺作となった漫画『戦え!ウルトラ戦士 出撃!宇宙けいび隊』を収録したミニブック『ウルトラコミックブック』がプレゼントされた。また、公開直前の2012年3月18日には大阪市営地下鉄中央線コスモスクエア駅でゼロが1日駅長を務めた[2]。同年3月20日には公開記念フレーム切手が発売されている[3]。
2012年3月30日から4月1日までの期間限定で、円谷プロ公式サイト「円谷ステーション」において冒頭約8分間がノーカットで配信された[4]。
新宿ピカデリー、シネリーブル池袋他全国221館369スクリーンで公開され、2012年3月24日・3月25日の初日2日間で興収1億4,374万7,300円、動員11万6,006人を記録し、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第4位となった[5]。その後、興収は5億3,000万円に達している[6]。
2012年3月2日には、チャンネルNECOで特集番組が放送された[7]。
2013年12月7日には、公開版で削除されたウルトラ兄弟の登場シーンを追加したディレクターズカット版が、MOVIX亀有にてイベント上映された[8]。
マルチバースの中のウルトラマンの存在しない別宇宙にあるもう1つの地球フューチャーアース。そこはバット星人がゼットンを養育する実験場と化し、地球の人類を含めたすべての生命はほぼ完全に消失していた。だが、残された7人の若き女性が地球防衛組織・チームUを結成し、9人の子供たちを守っていた。
そんな中、怪獣アーストロンが出現しチームUのリーダー・アンナが危機に陥るが、そこに現れたウルトラマンダイナによってアーストロンは倒された。
一方、ウルティメイトフォースゼロとベリアル銀河帝国が戦った別宇宙アナザースペースにおいて、ベリアル銀河帝国の残党と戦っていたウルトラマンゼロは、謎の呼び声[注釈 8]に導かれ、時空を超えてフューチャーアースに向かう。同じころ、ダイナが活躍した別宇宙ネオフロンティアスペースの火星で、スフィアの残党が襲来。スーパーGUTSの新人隊員タイガ・ノゾムがガッツイーグルαで迎え撃つが、バット星人の巨大宇宙船に遭遇してスフィアもろとも、フューチャーアースへと飛ばされる。
フューチャーアースで、ゼロとバット星人の戦闘機との戦闘に巻き込まれた少年タケルを助けようとして戦闘機に突進し、重傷を負ったタイガ。その勇気に感銘を受けたゼロは、タイガを救うために一体化する。蘇ったタイガだったが、ゼロへの変身を頑なに拒否し、ゼロの説得も聞き入れようとしない。そんなタイガの前に、ウルトラマンコスモス / 春野ムサシが現れる。彼もゼロが聞いた謎の声に導かれ、別宇宙コスモスペースからやってきたのである。
チームUや子供たちと出会ったタイガとムサシは、ダイナ / アスカ・シンもフューチャーアースを訪れていたことを知るが、彼は消息を絶っていた。
やがて、バット星人がハイパーゼットン(ギガント)を覚醒させて襲い掛かってきた。その際、ダイナ失踪の理由とチームUの秘密が明らかとなる。
バット星人に侵略された地球で「最後の砦」となり、子供たちを守る「地球防衛隊」(E.D.F.・Earth Defense Force)の女性特捜チーム。しかし、彼女たちは正式な防衛隊ではなく、消滅を免れて「山田工業」に偶然逃げ込んだ一般女性たちで同じく逃げ込んだ子供たちに地球防衛隊と誤解され、アンナが子供たちに「私たちは地球防衛隊」と嘘をついたことで結成されてしまったチームだった。偽っていたとはいえ、子供たちを守り続けた心意気はタイガには「あんたたちは立派だ」、『新ウルトラマン列伝』でナビを務めたゼロには「子供たちを守ろうとする気持ちは決して嘘じゃない」と言わしめた。括弧内は本名。
無人と化した地球に残された数少ない子供たち。自分たちを勝手にチームUのアンダーメンバーと位置付けており、彼女たちをサポートしている。
アスカがかつて所属し、タイガが所属する特捜チームで、ネオフロンティアスペースにおける防衛チーム。
現在は地球のみならず火星コロニーにも本拠を置き、火星の前線部隊はスーパーGUTSマーズとも呼ばれる。
かつてS-GUTSの一隊員だったユミムラ・リョウが隊長、同じくS-GUTSの一隊員だったカリヤ・コウヘイが副隊長となっている。また、本作品では科学班主任となったナカジマ・ツトムが、時空移動を可能にするネオマキシマ新型機を開発中であることも明かされている。
ネオフロンティアスペースにおける地球環境整備と宇宙開発を目的とするS-GUTSの上層組織。
かつてS-GUTSの隊長だったヒビキ・ゴウスケが総監、S-GUTSの副隊長だったコウダ・トシユキがTPC宇宙開発局参謀となっている[9]。ミドリカワ・マイは本編に登場しない[注釈 18]が、教官として今もTPCに在籍しているとされている[13]。
幾度となく地球を守ってきた、M78星雲の伝説のウルトラ戦士たち。ウルトラ兄弟は全部で11人だが、その中から本作品では下記の5人が登場。
光の国でゼロの身を案じるほか、本編からカットされたシーンでは、フューチャーアースへと飛来し、人間の姿でチームUに励ましの言葉を送った後に変身し、そのままバット星人が生み出した怪獣兵器軍団と戦う。詳細は各記事を参照。
劇中でウルトラマンダイナとウルトラマンコスモスは、タイプチェンジを使わずに基本形態のみで戦っている。
ゼロ、ダイナ、コスモスの3人の心がサーガブレスから放たれたオーラを中心に一体化して誕生した奇跡の戦士[出典 1]。神の如きパワーを持つ最強のウルトラマン[38]。声はゼロと似ているが、その中ではタイガ、アスカ、ムサシが心を一つにしている。
身体に明確な模様はなく、体色は上半身の青系から下半身の赤系へとグラデーションする紫色。全身に輝く神秘的な光のオーラを纏い、身体の各所にある裂け目から光が漏れ出している。全身に漲る強力なエネルギーサーガエフェクト[出典 2]を使った様々な技を繰り出す。
ゼロ、ダイナ、コスモスが束になっても敵わなかったハイパーゼットン(イマーゴ)と互角に戦った。
『ウルトラマンサーガ超全集』(小学館)では、バット星人の操る怪獣はいずれも怪獣墓場から連れ出された物とされている[43]。
その他、『ウルトラマンサーガ超全集』収録の短編『アンナの日記―過ぎ去りし遠い日』では他の怪獣も複数出現していたことが描写されている[22]。
今回、ジュランの6体のうち5体の怪獣が寒河江弘が作った模型を基に小サイズのフィギュア(ただしカオスヘッダー0のみCG)で作られており[9]、着ぐるみが登場したのはボルギルス・ミーニンのみ。
怪獣兵器はバット星人が過去にウルトラ戦士を苦しめた強豪怪獣を元に作り出した、命や意思を持たない生物兵器(すなわちゾンビ)。怪獣の要素を秘め、ハイパーゼットン(イマーゴ)から撃ち出されたスフィア細胞を中核に再生[44]される。瞳の無い白目と、ボディーの一部分のハイパーゼットン(イマーゴ)と同じようなスフィアの発光器官やメカ的なチューブ[44]が特徴。
2012年9月21日発売。発売・販売元はバンダイビジュアル。
『ウルトラマン列伝』では、本作品との連動企画が行われた。
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