エックスゲームズ(X Games)は、いろいろな種類のエクストリームスポーツを集め、夏と冬の年2回開催されるスポーツ競技大会である。アメリカのケーブルテレビネットワークであるESPNによって開催され、アメリカを中心に全世界でテレビ放送される。競技は分類やスタイルによって多種に分けられており、その中で選手たちは金、銀、銅メダルを目指して戦う。アメリカ以外で行われるものとして、Asian X Games、Europian X Games 、Latin X Games もある。
夏季大会Summer X Gamesは8月に 、冬季大会Winter X Gamesは1月または2月に開催される。特に冬の大会では、X Gamesに出場するため同時期に行われる国際スキー連盟主催のスノーボード・ワールドカップやフリースタイルスキー・ワールドカップへは出場しない強豪選手もおり、競技によってはX Gamesが最高位の格付けと見なされている。開催地は2、3年ごとに変更され、競技種目も年々変化する。男子種目が多いが女子種目もある。
歴史
1994年に、X Gamesの前身であるExtreme Games(エクストリームゲームズ)が開催された。翌年にはX Gamesと名前を変えて第1回大会(夏季大会)が行われ、この大会はエクストリームスポーツを世の中に知らしめた。さらに、大会と選手たちの名声は、回を重ねるごとにX Gamesをより大規模でレベルの高いものにし、記録更新と妙技が連発するショーケースのようになった。また同時に繰り広げられるバンド演奏は、大会をフェスティバルのような雰囲気にして盛り上げている。過去にはアジア、メキシコともに(夏季大会)を開催、フランスティーニュ(冬季大会)でも開催実績がある。
2016年2月にはノルウェーのオスロで開催されることが発表、実施競技はスノーボード(男女ビッグエア、男女ハーフパイプ)、スキー(男女ビッグエア、男女ハーフパイプ)、スケートボード(男女ストリート)。スケートボードのウインターシーズンの実施は史上初。
日本での状況
欧米だけでなく、現在ではアジア地域においても大変な人気を得ているが(X Games Asiaは上海で開催)、日本のテレビ局ではNHK BS1が不定期に放映する程度であり、日本での認知度は小さい。そのため安床栄人・武士兄弟、相原裕介など世界的な日本人選手が無名なこともある。
日本ではESPNの日本放送が終了しているためネット経由で受信するか、ニコニコ動画の「X Gamesチャンネル」での視聴となる。
2014年以降Winter X Games大会はTBSで、Summer X GamesはTBSチャンネルで放送される。
2022年4月22日から3日間、日本で初めて「X Games Chiba 2022」が千葉県千葉市の千葉マリンスタジアム(ZOZOマリンスタジアム)で行われた[2][3]。テレビ・インターネット中継は日本テレビグループの放送媒体や動画配信サービス(地上波・BS日テレ・日テレジータス・Hulu)が担当した[4]。
2023年もZOZOマリンスタジアムで行われた[5]。
2024年は9月20日から3日間、千葉市で行われる。前年に雨天中止が発生したため、屋内施設である幕張メッセで開催する[6]。
開催種目
Summer X Games
- BMX
- フリースタイル・ヴァート
- フリースタイル・パーク
- フリースタイル・ビッグエア
- フリースタイル・ストリート
- モトX
- フリースタイル
- ステップアップ
- アダプティブ
- ベストトリック
- ベストウィップ
- レーシング
- スーパーモト(男子、女子)
- ラリー
- レーシング
- スーパーラリー
- スケートボーディング
- ビッグエア
- ストリート(男子、女子)
- ヴァート(男子、女子)
- ヴァート・ベストトリック
- パーク
- パーク・レジェンド
過去に行われていた種目
- BMX
- スタント・ダート
- スタント・フラットランド
- アグレッシブインラインスケート
- ヴァート
- ヴァート・トリプルス
- ダウンヒル(男子、女子)
- ストリート(男子、女子)
- スケートボーディング
- ヴァート・ダブルス
- サーフィン
- ザ・ゲーム
- ウェイクボード(男子、女子)
- ベアフット・ジャンプ
- スポーツクライミング(難度、スピード)
- スカイサーフィン
- ストリートリュージュ
- デュアル
- マス
- スーパーマス
Winter X Games
- チェアスキー
- モノスキーヤーX(男子のみ)
- スノーボーディング
- スロープスタイル(男子、女子)
- スノーボーダーX(男子、女子)
- スーパーパイプ(男子、女子)
- ビッグエア(廃止→再開)
※ビッグエアは2010年からルールが変更され、予選・決勝ラウンド共に15分のジャムセッション制となった。
- スノーモービル
- スノークロス
- フリースタイル
- ベストトリック
- スピード&スタイル
- ノックアウト(2010年のみ)・・・キッカーからの飛距離を競う。
X Games Oslo
- スケートボーディング
- ストリート(男子、女子)
- スノーボード
- スーパーパイプ(男子、女子)
- ビッグエア(男子、女子)
- スキー
- スーパーパイプ(男子、女子)
- ビッグエア(男子、女子)
その他
※動画配信によるインターネット投票で勝敗を決める。
X Gamesの歩み
Summer X Games
- 1994年 First Extreme Games, ロードアイランド州
- 1995年 X Games I - ロードアイランド州ニューポート、バーモント州マウントスノー
- 観客動員数 198,000人
- 1996年 X Games II - ロードアイランド州ニューポート
- 観客動員数 200,000人
- 1997年 X Games III - カリフォルニア州サンディエゴ
- 観客動員数 221,200人
- 1998年 X Games IV - カリフォルニア州サンディエゴ
- 観客動員数 233,000人
- 1999年 X Games V - カリフォルニア州サンフランシスコ30桟橋、32桟橋
- インラインスケートのヴァート競技に安床武士が史上最年少の11歳6ヶ月で初出場を果たす。この記録は現在も破られていない。
- 観客動員数 275,000人
- スケートボードのベストトリック競技で、トニー・ホークが大会史上初の900度回転(2回転半)の技を成功させ、圧倒的な差をつけて優勝した。
- インラインスケートの女子ヴァート競技で川崎鮎美が、同男子で安床栄人が、女子ストリートでは矢部さやかがそれぞれ初優勝。
- 2000年 X Games VI - カリフォルニア州サンフランシスコ30桟橋、32桟橋
- インラインスケートのヴァート競技で、安床栄人、安床武士の安床ブラザーズが初の1,2フィニッシュ。兄弟の1,2フィニッシュは歴史上初。安床栄人は史上初の1080度回転のフラットスピン技「カリフォルニアロール」を成功させる。
- 2001年 X Games VII - ペンシルベニア州フィラデルフィア :ファースト・ユニオン・センター
- 観客動員数 235,000人
- 2002年 X Games VIII - ペンシルベニア州フィラデルフィア :ファースト・ユニオン・センター
- インラインスケートのヴァート競技で、安床武士が初優勝。
- 2003年 X Games IX - カリフォルニア州ロサンゼルス :ステイプルズ・センター
- インラインスケートのヴァート競技で、安床栄人、安床武士の安床ブラザーズが2度目の1,2フィニッシュ。
- 2004年 X Games X - カリフォルニア州ロサンゼルス:ステイプルズ・センター
- スケートボード・ビッグエア競技が導入された。
- 2005年 X Games XI - カリフォルニア州ロサンゼルス :ステイプルズ・センター
- 2009年までサマーXゲームズはカリフォルニア州で行われることが決定した。
- 2006年 X Games XII - カリフォルニア州ロサンゼルス :ステイプルズ・センター、ホーム・デポ・センター、ロングビーチ・マリーン・スタジアム
- モトXのベストトリック競技で、トラビス・パストラーナが史上初のダブルバックフリップ(後方2回宙返り)を成功させた。
- 2007年 X Games XIII - カリフォルニア州ロサンゼルス :ステイプルズ・センター、ホーム・デポ・センター、ロングビーチ・マリーン・スタジアム
- 2008年 X Games XIV - カリフォルニア州ロサンゼルス
- 2009年 X Games XV - カリフォルニア州ロサンゼルス :ステイプルズ・センター、ホーム・デポ・センター
- 2010年 X Games XVI - カリフォルニア州ロサンゼルス :ステイプルズ・センター、L.A.ライブ、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム
- 2016年 X Games テキサス州オースティン:
- スケートボードパークで中村貴咲がアジア人として初優勝。
- 2017年 X Games ミネソタ州ミネアポリス:
- スケートボードヴァートで芝田元がアジア人として初優勝
- スケートボードストリート女子で西村碧莉がアジア人として初優勝
- 2018年 X Games ミネソタ州ミネアポリス:
- 2019年 X Games ミネソタ州ミネアポリス:
- 2021年 X Games
- スケートボードパーク女子でスカイ・ブラウンが優勝
X Games Asia
- 1998年 Asian X Games タイ:プーケット
- 1999年 Asian X Games タイ:プーケット
- 2000年 Asian X Games タイ:プーケット
- 2002年 Asian X Games マレーシア:クアラルンプール
- 2003年 Asian X Games マレーシア:クアラルンプール
- 2004年 Asian X Games マレーシア:クアラルンプール
- 2005年 Asian X Games 韓国:ソウル
- 2006年 Asian X Games マレーシア:クアラルンプール
- 2007年 X Games Asia 中国:上海
- 2008年 X Games Asia 中国:上海
- 2009年 X Games Asia 中国:上海
- 2010年 X Games Asia 中国:上海
- 2011年 X Games Asia 中国:上海
- 2012年 X Games Asia 中国:上海
- 2013年 Kia X treme Games 中国:上海
- 2014年 Kia X treme Games 中国:上海
- 2015年 Kia X treme Games 中国:上海
- 2019年 Kia X treme Games 中国:上海
- 男子スケートボードストリート 3位堀米雄斗
- 2022: X Games Japan Chiba 2022
- 男子スケートボードヴァート 2位 芝田モト(芝田元)
- 男子スケートボードストリート 1位 堀米雄斗 2位 池田大暉 3位 白井空良
- 女子スケートボードストリート 2位 中山楓奈
- 女子スケートボードパーク 1位 四十住さくら 2位 開心那 3位 手塚まみ
- BMX フラットランド 1位 早川起生
- 2023: X Games Japan Chiba 2023
- 男子スケートボードストリート 1位 小野寺吟雲
- 女子スケートボードストリート 2位 西矢椛 3位 赤間凛音
- 女子スケートボードパーク 1位 開心那 3位 藤井雪凛
- BMX フラットランド 1位 片桐悠
- 男子スケートボードヴァート 2位 芝田モト(芝田元)
X Games Latin America
Summer X Games Europe
Winter X Games
- 1997年 Winter X Games I - カリフォルニア州ビッグベアレイク スノーサミットマウンテンリゾート
- 観客動員数 38,000人
- 1998年 Winter X Games II - コロラド州クレステッドビュート
- 観客動員数 25,000人
- 1999年 Winter X Games III - コロラド州クレステッドビュート
- 観客動員数 30,000人以上
- 2000年 Winter X Games IV - バーモント州マウントスノー
- 観客動員数 83,500人
- 2001年 Winter X Games V - バーモント州マウントスノー
- 観客動員数 50,000人以上、ウルトラクロスで瀧澤宏臣が優勝。
- 2002年 Winter X Games VI - コロラド州アスペン
- 2003年 Winter X Games VII - コロラド州アスペン
- 2004年 Winter X Games VIII - コロラド州アスペン
- 2005年 Winter X Games IX - コロラド州アスペン
- 2006年 Winter X Games X - コロラド州アスペン、スノーマス バターミルクマウンテン
- 2007年 Winter X Games XI - コロラド州アスペン、スノーマス バターミルクマウンテン
- 2008年 Winter X Games XII - コロラド州アスペン
- スノーボードスーパーパイプで青野令が準優勝。
- 2009年 Winter X Games XIII - コロラド州アスペン
- スキークロスで瀧澤宏臣が準優勝。
- 2010年 Winter X Games XIV - コロラド州アスペン
- スノーボードスーパーパイプにて、ショーン・ホワイトが史上初となるダブルマックツイスト1260を成功させる、また國母和宏が3位。
- スキービッグエアでは、ボビー・ブラウンがスイッチダブルミスティー1440、TJシラーがダブルコーク1620を成功させる。(共に史上初)
- 2011年 Winter X Games XV - コロラド州アスペン
- スノーボードビッグエアにて、トースタイン・ホグモが史上初となるトリプルコーク1440を成功させる。
- 2012年 Winter X Games XVI - コロラド州アスペン
- スノーボードスーパーパイプにて、ショーン・ホワイトが史上初のパーフェクトスコア(100点満点)を記録する、青野令が3位。
- スノーモービルベストトリックにて、ヒース・フリスビーが史上初となるフロントフリップを成功させる。
- 2013年 Winter X Games XVII - コロラド州アスペン
- スノーボードスーパーパイプで平野歩夢が準優勝。
- 2014年 Winter X Games XVIII - コロラド州アスペン
- スノーボードビックエアで角野友基が準優勝。
- 2015年 Winter X Games XIX - コロラド州アスペン
- 2016年 Winter X Games XX - コロラド州アスペン
- 一部の競技を除き予選なしの決勝のみで行われた。スノーボードビッグエアでマックス・パロットが史上初となるトリプルコーク1800を成功させる。スキースーパーパイプで小野塚彩那が準優勝、またスノーボードビッグエアで角野友基が3位。スノーボードスーパーパイプでは大雪のために2回目の途中でキャンセルとなり1回目の結果までで勝敗が決まった。
- 2017年 Winter X Games XXI - コロラド州アスペン
- スノーボードビッグエアでマックス・パロットが史上初となるクアッドコークアンダーフリップを成功させる。マーカス・クリーブランドが史上初となるクアッドコーク1800を成功させる。スキースーパーパイプで小野塚彩那が準優勝。
- 2018年 Winter X Games XXII - コロラド州アスペン
- 2020年 Winter X Games XXIV - コロラド州アスペン
- 2021年 Winter X Games XXV - コロラド州アスペン
- 2022年 Winter X Games XXVI - コロラド州アスペン
Winter X Games Europe
- 2010年 X Games Europe - ティーニュ
- 2011年 X Games Europe - ティーニュ
- 2012年 X Games Europe - ティーニュ
- 2013年 X Games Europe - ティーニュ
- スノーボードスーパーパイプで平岡卓が3位。
X Games Oslo
- 2016年 X Games Oslo - オスロ
- スノーボードスーパーパイプではクロエ・キムが女性では史上初のバックtoバック1080を成功させ優勝、平野歩夢が優勝。スノーボードビッグエアで角野友基が優勝。スキースーパーパイプで小野塚彩那が3位。
- 2018年 X Games Oslo - オスロ
- 2019年 X Games Oslo - オスロ
- スノーボードビッグエア女子 村瀬心椛 準優勝
- 2020年 X Games Oslo - オスロ
- スノーボードスロープスタイル女子 村瀬心椛 準優勝
脚注・出典
関連項目
外部リンク
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