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Tizen(タイゼン)は、LiMo Foundation、Linux Foundation、Samsungが主導するTizenプロジェクトによる、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、スマートテレビ、IVI用オペレーティングシステム (OS)。異なるデバイス上で共通のユーザー体験を提供することを目標としたオープンソースのシステムである。
開発者 | Tizen Community, Linux Mobile Foundation, Samsung |
---|---|
OSの系統 | Linux |
開発状況 | 開発中 |
ソースモデル | 混合 OS:オープンソース[1], SDK:クローズドソース[2] [1] |
初版 | 2012年1月5日 |
最新安定版 | 4.0.0.4 / 2019年5月29日[3] |
リポジトリ | |
対象市場 | スマートフォン, タブレット, ネットブック, スマートテレビ, IVI[4][注 1] |
パッケージ管理 | RPM Package Manager |
プラットフォーム | ARM, x86 |
カーネル種別 | モノリシックカーネル(Linuxカーネル) |
既定のUI | グラフィカル |
ライセンス | 混合 OS:オープンソース[1], SDK:プロプライエタリ[2] |
ウェブサイト |
www |
2015年〜2017年にSamsungの一部スマートフォンに採用されたがAndroidやiOSに対してシェアが振るわず、この分野からは事実上撤退、Samsungのスマートウォッチ・スマートテレビ分野でのみ利用されてきたが、2021年5月18日、Google I/Oにて、スマートウォッチ分野におけるWear OS(Google)との統合が発表された[6][7]。スマートテレビ分野ではSamsung主導で利用が継続されている。
Tizenは2011年9月に、モトローラ、NEC、NTTドコモ、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、ボーダフォン、サムスン電子の6社がLiMo Foundationとして開発したモバイルOSである。
LiMo Platformとインテルが進めていたモバイルOSであるMeeGoと合流したことから始まり、のちにサムスン電子がLiMo Foundationとは別に開発していたモバイルOSBadaも、非公認ではあるがTizenプロジェクトへ統合が表明された。
MeeGoプロジェクトの当初は、インテルとノキアが中心に開発を進めていたが、ノキアがWindows Phoneに注力することを決定してプロジェクトが宙に浮き、インテルはTizenと合流した。
TizenプロジェクトはLinux Foundation内にあり、サムスン電子、インテル、NTTドコモ、オレンジを中心に構成されたTechnical Steering Group (TSG) が携わる他、ACCESS、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、NECカシオなどのLiMo Foundation参加企業も協力している。
Tizen AssociationはLiMo Foundationの後継組織で、アメリカニュージャージー州に本社をおきサンフランシスコに事務所を構える。Tizenの産業上の役割とTizenの教育を先導する目的で設立され、Tizenを利用したビジネスモデルや要求仕様、開発者向けのツール、アプリケーション展開、セキュリティー開発を担当している。
Tizenはソフトウェア開発キット (SDK) とアプリケーションプログラミングインタフェース (API) により、開発者は HTML5 や関連ウェブ技術を使用して、スマートフォン、タブレット、ネットブック、スマートテレビや車載インフォテインメントなどのマルチデバイスに対応したアプリケーションの作成が可能となる。結果としてTizenユーザーは、OS、アプリケーションおよびユーザーエクスペリエンス (UX) をデバイスの違いを意識することなく利用可能となる。
JavaScriptとjQuery(モバイル含む)などHTMLベースのアプリケーション開発ツールも提供しており、バージョン2.0でC/C++によるネイティブ・アプリケーションの開発が可能になった。
市場調査機関のストラテジーアナリティックスが2017年5月13日に発表したスマートフォンOSの世界市場占有率を分析した資料によれば、2017年第1四半期のTizenの占有率は販売量7万台で0.0%[8]で、2015年は290万台で0.2%、2016年は98万台で0.1%であった[8]。
Tizen の開発体制は、大きく技術グループとビジネスグループの二つに分けられており、前者を Linux Foundation ならびに Tizen Project が、後者を Tizen Association が担当している[9][10]。
Tizen Project は、Linux Foundation に所属し、Tizen の開発や公開、各種デバイスをサポートするワーキンググループの作成など、プロジェクトに関するすべての技術的課題に取り組んでいる[11][9]。2013年2月26日、ファーウェイ・テクノロジーズの TSG への参加が発表された[10][12]。
Tizen Association は、Tizen の産業的役割を主導するために組織された非営利コンソーシアムである[13][14]。Tizen やアプリケーションストアが備えるべき要求仕様を経営戦略的視点から集約し、技術グループへ伝達する[10]。また、産業パートナーシップの構築、サービスモデルの選定、全体的なマーケティングや教育などを行い、Tizen の市場展開に務めている[1][9]。
2016年5月現在、Tizen Association の議長は NTTドコモ がつとめている。
Tizen アーキテクチャは、以下の4つのサブシステムによって構成されている[15]。
Tizen のサードパーティー開発者向けのソフトウェアフレームワークは、上記 Web framework および Native framework の2種類からなる。開発言語は Web framework では HTML5 、JavaScript (jQuery/jQuery Mobile) などが、Native framework では C/C++ が使用される[17]。Web framework を利用してパッケージングした場合、W3C Packaged Web Apps になる。
Tizen SDKは公式サイト上[18][2]の開発者専用サイト「Tizen Store Seller Office」で、一般に公開されており、Eclipse ベースの統合開発環境 (IDE)、エミュレータ、コンパイルツールチェーン、サンプルコード、ドキュメントなどを含む。Tizen SDKでは、Tizenの特長である「ネイティブアプリ」と、HTML5ベースの「Webアプリ」の双方の開発方式をサポートする。Tizen SDK の対応 OS は、Ubuntu、MS Windows、macOS である[19]。
オープンソースOSとして公開されているが、Tizen 2.x は複雑なライセンスモデルをしている。SDK はオープンソースコンポーネントで作られている[66]が、SDK全体は Tizen SDK ライセンスで公開されている[67]。OS 自体は多くのオープンソースコンポーネントからなる。Samsung 内部で開発されたいくつかのコンポーネント(ブートアニメーション、カレンダー、タスクマネージャ、音楽プレーヤー)は Flora License で公開されている。
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