Loading AI tools
XMLをベースとしたオフィススイート用のファイルフォーマット ウィキペディアから
OpenDocument(オープンドキュメント、日: オフィス文書のためのオープン文書形式[1])は、XMLをベースとしたオフィススイート用のファイルフォーマットである。
この記事の正確性に疑問が呈されています。 |
構造化情報標準促進協会 (OASIS)[2]、国際標準化機構 (ISO) / 国際電気標準会議 (IEC)[3]および日本産業規格 (JIS X 4401:2014)[1]、韓国工業規格[4]、ブラジル[5]、南アフリカ[6]の標準規格に認定されている。 競合国際規格として、「ISO/IEC 29500:Office Open XML(OpenXML, OOXML) 」がある。
OpenDocumentは、OpenOffice.orgが利用していたドキュメントファイルフォーマットを元に策定された、オフィスソフト用の文書ファイルフォーマットである。
一つの規格でありながら、テキスト、表計算(スプレッドシート)、プレゼンテーションの他、数式、グラフィックドキュメント、データベースの各形式をサポートしている。
多言語対応となっており、仕様上は、文章・段落・文字列について、各々「言語」及び「国又は地域」を指定できるようになっている。
データの記述方法とその(画面上および紙上での)表現方法については一定の規格があるが、詳細な表現方法については各アプリケーションに依存している。そのため、閲覧するオペレーティングシステムやアプリケーションによって、表示される結果が異なることがある。しかし最近ではソフト間の対応によって、これらの問題は改善されつつある。
ODFは、複数のXMLファイルをZIP形式でデータ圧縮したファイルである。
ODFファイルの中身となっているXMLファイルはそれぞれ次のような内容となっている。
ファイルの種類 | 拡張形式 | MIMEタイプ | ODF仕様 |
---|---|---|---|
ワープロ | .odt | application/vnd.oasis.opendocument.text | 1.0- |
表計算 | .ods | application/vnd.oasis.opendocument.spreadsheet | 1.0- |
プレゼンテーション | .odp | application/vnd.oasis.opendocument.presentation | 1.0- |
図形 | .odg | application/vnd.oasis.opendocument.graphics | 1.0- |
グラフ | .odc | application/vnd.oasis.opendocument.chart | 1.0- |
数式 | .odf | application/vnd.oasis.opendocument.formula | 1.0- |
イメージ | .odi | application/vnd.oasis.opendocument.image | 1.0- |
マスタードキュメント | .odm | application/vnd.oasis.opendocument.text-master | 1.0- |
データベース | .odb | application/vnd.oasis.opendocument.base | 1.2-[7] |
一般にプロプライエタリなフォーマットでは、そのプロプライエタリさを支えている「ライセンス」の文言上の禁止事項により以下のような問題点があることが極めて多い(著作権法上、そのような禁止事項にどのような法理があるのかはともかく)。
このことは、既に広く使われている製品を選択せざるを得ない状況を生み、特定製品に依存するシステムを生むため、営業戦略において効果的であった。実際、MS-DOS全盛時代において表計算ソフトLotus 1-2-3、日本国内でワープロソフト一太郎を普及させ、Windows全盛期においてはオフィススイート製品の分野においてMicrosoft Officeの独占に近い状態をもたらした一因ともなっている。
このように、特定ベンダによって独占されたファイル形式に依存すること(ベンダロックイン)は、コンピュータの環境が変わると過去のドキュメントの参照や編集ができなくなるなど、知的資産としてのドキュメントの存在意義を低下させる上に、電子文書の活用を妨げるものでもあった。
また、Microsoft Officeが提供されていないオペレーティングシステム(Linuxなど)の普及に伴い、Microsoft Officeとデータを交換できるオフィススイート向けファイル形式も必要とされていた。
要するに情報化社会において、(法学的にはともかく)コンプライアンスを遵守しライセンスに従わなければならないならば、プロプライエタリなフォーマットで作られたデータは、サポートの終了などによりゴミになってしまうか、ライセンス違反を犯すか、という多大なリスクとなっていた。
よって、特定ベンダに独占されないオープンなファイル形式(オープンフォーマット)の要求、オフィススイート共通のドキュメントファイル形式を策定する動きが起こり、特定のベンダーに依存しないオフィススイートのためのファイル形式として、OASISのオフィス文書のためのオープン文書形式技術委員会によって策定された。なお、策定開始時の仕様は、サン・マイクロシステムズが「OpenOffice.org」のファイル形式をもとに作成したものである。
OpenDocumentは、一部の公共団体、企業とソフトウェア製品から支持されている。
組織 | 採用時期 | 備考 |
---|---|---|
国土交通省(日本) | 2007年 | 2007年頃から申請書などでODF形式を採用[23] |
マサチューセッツ州政府(アメリカ) | 2007年 | 1月 1日2005年9月2日に米国マサチューセッツ州が2007年1月1日以降の同州の公文書のフォーマットをODFとする方針を発表した。その後、担当者の辞任等が相次ぎ、2007年8月1日、マサチューセッツ州は、ODFに加えOOXMLを同州の公文書フォーマットの一つとして追加採用する方針を発表している。 |
マレーシア政府 | 2007年 | 8月2007年8月、ODF形式をマレーシアの公共機関で採用する計画を発表[24] |
ベルギー政府 | 2007年 | 9月ベルギー政府は、2007年9月から連邦政府全省庁でODFの可読を義務化、2008年9月からODF を文書交換用ファイル形式として採用した[25]。 |
会津若松市役所(日本) | 2008年 | 8月2008年8月よりOpenOffice.orgを標準ソフトとして840台に導入し、ODF形式を標準フォーマットとして採用した[26]。 |
交野市役所(日本) | 2010年 | 7月Microsoft Office 2007ならびに2010年7月からOpenOffice.orgを標準ソフトとして導入し、ODF形式を標準フォーマットとして採用した[27]。 |
経済産業省(日本) | 2011年 | 2011年ごろから一部調達仕様により、ISO 26300(ODF)形式により保存したファイルの納品を要求[28]。 |
徳島県庁(日本) | 2011年 | 7月 1日2011年7月1日からOpenOffice.orgを標準ソフトと位置付け約4,000台に導入し、ODF形式を標準フォーマットとして採用した[29]。 |
JA福岡 | 2011年12月 | 6日2011年12月6日からLibreOfficeを標準ソフトとして約400台に導入、ODFを標準フォーマットとして採用した[30]。 |
甲賀市役所(日本) | 2012年 | 4月2012年4月ごろよりLibreOfficeを導入。ODFを標準フォーマットとして採用 |
ポルトガル政府 | 2012年11月 | ポルトガル政府は、2012年11月、ODF形式を採用[32] |
イギリス政府 | 2014年 | 6月イギリス政府は、2014年6月、政府が利用する外部交換用文書形式としてODF採用を発表 [33] |
台湾中央政府 | 2015年 | 6月2015年6月、台湾中央政府は政府の利用する文書形式としてODFの利用を発表。自治体や企業にODFの利用を呼びかける。[34][35][36] |
イタリア国防省 | 2015年 | 9月イタリア国防省は使用するオフィスソフトをLibreOfficeに移行し、省内で利用する文書形式にODFを採用。[37] |
フランス政府 | 2015年 | 7月2015年7月、フランス政府は政府内で利用する文書形式としてODFの利用を確認。OOXMLの利用は却下された。[38] |
北大西洋条約機構 | 義務的な利用[39] |
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.