MelonDS

オープンソースのニンテンドーDS/DSiのエミュレータ ウィキペディアから

MelonDS

melonDS(メロンディーエス)は、オープンソースで開発されているニンテンドーDSニンテンドーDSiゲームエミュレータである。

概要 作者, 初版 ...
melonDS
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作者 Arisotura
初版 2016年5月15日 (8年前) (2016-05-15)
最新版
0.9.5[1]  / 2022年11月3日 (2年前)
最新評価版
1.0 RC / 2024年11月21日 (5か月前) (2024-11-21)
リポジトリ
プログラミング
言語
対応OS [注 1]
プラットフォーム
対応言語 英語
サポート状況 開発中
種別 ゲームエミュレータ
ライセンス GNU GPL バージョン3以降
公式サイト melonds.kuribo64.net
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対応プラットフォームはWindowsmacOSLinux。その他にも、Android[2]Nintendo Switch[3]PlayStation Vita[4]PlayStation 2[5]に対応した、非公式バージョンも存在している。

なお、このソフトウェアは任天堂によって公認されたものではない。

概要

先発で登場したニンテンドーDSソフトのエミュレータ、DeSmuMEよりも優れたパフォーマンスを発揮し、Wi-Fiとローカルマルチプレイヤー機能に対応することを目的とした、自由でオープンソースのソフトウェアである。開発者は、DeSmuMEの開発にも関わっていたArisotura氏[注 2]であり、バージョン0.6からはRetroArchのコアとしても利用できるようになった。

まだ開発途上であるものの、すでにかなり堅実な機能を備えているとアピールしている[6]

特徴

画質を実機よりも向上させるアップスケーリングや、DS本体のマイク機能、蓋の開閉によるスリープ機能への対応、途中セーブ、画面配置をカスタマイズできる機能、ジョイパッド対応など、他のエミュレータが備えている機能に対応している。

より特徴的な機能としては次のようなものが挙げられる。(2022年11月現在)

BIOS不要

DSソフトで遊ぶ場合には、別途実機から吸い出したBIOSファームウェアファイルを使わずに、起動させることができる。

通信プレイへの対応

ニンテンドーDSのソフトウェアには、DSワイヤレス通信や、ニンテンドーWi-Fiコネクションによる複数人同時プレイ機能を備えたものがある[7] 。こうした通信に対応したソフトを、melonDSでは実際に複数人で遊ぶことができる。

DSiソフト対応

他のDS対応のエミュレータとは異なり、DSiのソフトでも遊ぶことができる。カメラのような、他のDSシリーズ本体が備えていない機能にも対応している。

ただし、DSiソフトを動作させるには、DSi本体から吸い出したBIOSやファームウェアファイルが必要となる。

問題点とこれからの開発

OpenGLには完全対応しておらず、開発中であるため、一部のモデルテクスチャーが正しくレンダリングされない場合がある。

今後の開発においては、DSiソフトの動作の改善、OpenGLレンダリングの改善、別々のウィンドウに画面をレンダリングできる機能の実装、デバッガやグラフィックビューアの実装をするなどの、アップデートを行う考えを示している[8]

歴史

要約
視点

2016年5月、初めてGitHubの公式レポジトリにコミットし、開発が始まった。

2017年3月30日に、初めての公開版が、WindowsとLinux向けにリリースされる[9]

同年10月、安定して動作する新UIを備えたバージョン0.5が公開される[10]

2018年5月に、プロジェクトが一旦休止するも、7月に開発継続が発表される。

10月には、要望が多かったステートセーブ機能を追加[11]

同年12月、には相次いで非公式の移植版が公開される。Hydro8gon氏[12]が、非公式のNintendo Switch版の初のフルリリースを公開した[13]ほか、rafaelvcaetano氏によって、Androidへの移植版のプレリリースも公開される[14]

また、Rinnegatamante氏によって、PS Vita移植版が開発中であることが発表される[15]

2019年6月、OpenGLレンダリングの対応によるグラフィックの改善や、8倍の解像度にできるアップスケーリングに対応した、新バージョンが公開。

10月、DSiソフトの実行機能を備えたブランチ「melonDSi」が公開される。[16]

同年11月、JITブランチのベータ版リリース、アクションリプレイ用のチートコードのサポートの追加、OpenGLレンダラーの改良などを盛り込んだ、今後の開発方針が公表され[17]、実際にJITブランチが翌月に公開[18]

2020年1月、開発に関わっているコントリビュータの1人である、Chagall氏がダブルスロット機能[注 3][19]に対応したことを報告[20]

6月には、不具合が解消されたため、melonDSiを統合すると発表[21]

同年9月、以前から開発が告知されていた[22]JITコンパイラ採用や、WI-Fi対応、DSiソフトへの対応、UI刷新などの大幅な改良が含まれた、バージョン0.9が公開される[23]

12月、Intelチップ搭載Macに対応[24]

2021年3月、WaluigiWare64氏が、Apple Siliconを搭載したMac向けにmelonDS 0.9.1 beta for ARM64 macOSをリリース[25]。翌月には、この機能を取り込んで、正式にARMチップに対応したバージョン0.9.2が公開[26]

同年9月に、Arisotura氏が、これまで実行に必要だった、DSのBIOSやファームウェアファイルを必要ない形にしていくなど、今後の方針を発表した。BIOSにはBlowfishキーと呼ばれる、ROMの暗号化された部分を復号するために必要なものが存在するため、BIOSを不要にするにはキーが必ず必要になる。ただし、エミュレータ自体にそのキーを入れてしまうことは、著作権上問題になるため、そのために開発を行なっていくと表明した[27]

2022年3月、DSモードではBIOSやファームウェアファイルの事前準備を不要とし、フリーのBIOSクローンを使用するようになった新バージョンが公開される。なお、DSiモードでは動作が安定しないことから、今後もBIOSやファームウェアの実機からの吸い出しが必要となる[28]

11月には、ローカルマルチプレイ機能やDSiカメラに対応[29]

2023年4月に、DanielSant0s氏により、PS Vita移植版からフォークされた、PS2版が公開される[30]

脚注

関連項目

外部リンク

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