グレッチ
アメリカの楽器メーカー ウィキペディアから
アメリカの楽器メーカー ウィキペディアから
グレッチ(Gretsch)は、アメリカ合衆国の楽器メーカーのブランドのひとつ。エレクトリックギター、ベース、ドラムなどで知られる。
現在販売されているグレッチのギターはほとんど東アジアにて生産されているが、一部アメリカ製の「カスタム・ショップ」製モデルもある。2003年にフェンダーと提携関係の契約を締結。創業者フレデリック・グレッチの孫フレッド・グレッチ3世がブランドの所有権を維持しながら、グレッチブランドの楽器の開発・流通・販売はフェンダーが行う[1]。
1883年、ドイツからの移民であるフレデリック・グレッチ(Frederick Gretsch、フリードリヒ・グレッチュとも)によってニューヨーク・ブルックリンで創業され、当初はバンジョー、タンブリン、ドラムなどを扱っていた。1895年にフレデリックが39歳で死去し、子のフレッドが会社を継ぐ。フレッドは1916年にウィリアムスバーグのビルに会社を移し、これを機にグレッチはアメリカの代表的な楽器メーカーへと成長することとなる。
1942年にはフレッドが引退。会社はフレッドの子、ウィリアムとフレッド・ジュニアに受け継がれる。この二人の経営者のもと、1950年代なかごろにグレッチはその全盛期を迎える。「6120」および「ホワイト・ファルコン」(シングルカッタウェイ、ダブルカッタウェイの2種類がある)に代表されるエレクトリックギターがヒット。さらにチェット・アトキンスが「カントリー・ジェントルマン」を使用したことによってその名声は不動のものとなった。アトキンスにならって多くのカントリーやロカビリーのギタリストがグレッチのギターを使用し、グレッチはギター業界においてギブソン、フェンダー、リッケンバッカー等と並ぶ地位を獲得した。
1960年代にはビートルズのジョージ・ハリスンもカントリー・ジェントルマンを携えて『エド・サリヴァン・ショー』のステージに立ち、またモンキーズにギターとドラムを提供したことから、グレッチの名はテレビを通じて全米に知られるようになった。
1960年代後半以降、ギブソンとフェンダーがエレクトリックギター市場で人気を二分するようになり、グレッチは次第に経営不振に陥っていく。1967年に会社はボールドウィン・ピアノに買収され、また1973年1月にはアーカンソーの工場が火災に遭う。さらに同年12月にも火災が発生。こうした不幸が続く中、1980年にボールドウィンはついにグレッチのギター製造を中止してしまう。
しかし1980年代に入り、ストレイ・キャッツのブライアン・セッツァーがグレッチのギターを使用したため、グレッチへの再評価が高まった。1982年にはチャーリー・ロイがグレッチを買収するが、すぐにボールドウィンに買い戻される。1985年には会社は再びグレッチ一族の手に戻り、1989年からは新たにリイシュー・モデルを中心としたラインナップで製造を再開した。これ以降現在に至るまで、主にグレッチのギターは愛知県蟹江町にある寺田楽器で主に作られていることが知られていて品質への信頼を高めている[要出典]。
2003年にはギター部門がフェンダーの傘下に入り、高級モデルはミリ規格からインチ規格になり、長野県のフジゲンや、アメリカのフェンダー・カスタム・ショップでも作られるようになった[要出典]。また1995年頃よりエレクトロマチック(Electromatic)という廉価版ブランドが誕生。それらは韓国や中国で作られている[要出典]。
2015年にドラム部門がドラム製造メーカーのdwの傘下となったことが発表された。
契約の問題でモデル名が変わっているモデルもある。仕様や型番も年代ごとに異なっている。同型でもカラーによってモデル名が異なるのも特徴である。ボールドウィンに移ると型番と仕様が一新された。
例えばテネシアンは当初、1ピックアップでシングルカッタウェイというカントリー・ジェントルマンの完全な下位機種であった。62年になるとカントリー・ジェントルマンはダブルカッタウェイとなり、ミュート機構が装着された。それまでのカントリー・ジェントルマンの仕様をほぼ継承、さらに変化させたのが2ピックアップのテネシアンである。同時期に6120もダブル・カッタウェイとなり、ミュートは1つ装着されたが、ミディアム・スケールとなっている(CGはロング・スケール)。
チェット・アトキンスのアーティスト・モデル「チェット・アトキンス・モデル」「カントリー・ジェントルマン」「テネシアン」「スーパー・チェット」などについては、1979年にアトキンスがグレッチとのエンドース契約を打ち切り、ギブソンと契約したため、名称を変更せざるを得なかったが、グレッチは2007年にアトキンスの遺族と再契約し、「テネシアン」「スーパーチェット」などを除いて再びオリジナルの名称を使用できるようになった。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.