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Duolingo(デュオリンゴ)は、無料の教育ウェブサイトやアプリ、有料の資格試験(Duolingo English Test)を提供する言語教育プラットフォームである。2021年5月25日現在、28言語の話者向けに、のべ94言語のコースが開設済み、8コースがベータ版、14コースが開発中となっている(日本語話者向けには英語、中国語、韓国語、フランス語のコースが開設済み)。
企業形態 | 私企業 |
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本社 | ピッツバーグ |
創業者 | ルイス・フォン・アン、Severin Hacker |
CEO | ルイス・フォン・アン |
業種 | eラーニング, 翻訳, クラウドソーシング、資格 |
サービス | Language courses, Duolingo Test Center, Duolingo for Schools |
ウェブサイト |
ja |
広告 | あり |
登録 | 必須 |
対応言語 |
利用者がコースを受講することで、同時にウェブサイトやその他文書の翻訳に貢献するように設計されている[1][2]。 Web、iOS、Android、Windows Phone、Windows 8以降のアプリに対応し、世界中で約1億2000万人が登録した[3][4][5]。
Duolingoは膨大な筆記及びリスニングのレッスンを提供している。割合は比較的少ないが音声認識によるスピーキング問題もあり、外出先などではオフにできる[6]。 進捗状況がゲーミフィケーションを活用した技能図で表されるほか、学習した語彙を練習出来る、「語彙のセクション」が用意されている。
利用者は各課目を終えると、最大13点で間違いごとに3点が引かれる技能点が得られる。 各技能は、それに関連する全てのレッスンをユーザーが終えたら、「学習済み」だとみなされる。 コース前半では4つ、後半では3つのライフがあり、間違いごとに1ライフが引かれる。 0ライフ所持時に間違えると、コースを再挑戦しなくてはならなくなる。ただし、ジェムを使用することによってHPを回復でき、再挑戦を免れることができる。 Duolingoはまた、「時間制限ありモード」も有していて、その場合利用者は各30秒の制限時間がある20題を回答し、正答時に技能点と7−10秒の追加回答時間が得られる[7]。 コース全体で2000単語以上が学習出来る[8]。また、一週間ごとにかわるリーグがあり、ブロンズ→シルバー→ゴールド→サファイア→ルビー→エメラルドのように続く。最終的にはダイヤモンドリーグにたどり着き強豪との得点勝負が行われる。またリアルなリーグになっておりリーグ終了時にシルバーからは21位〜30位にいた場合はリーグが一つ降格する。そして逆に1位〜10位に入った場合は、一つリーグが昇格する。また11位〜20位はそのリーグに停滞する。このようなリーグがあることにより、より楽しく学習することができる。
Duolingoはデータ駆動型の教育手法を重視しており[9]、途中の各段階で難問や間違いの種類を測定し、そのデータを集約して規則性を解析している。カリキュラム中で複数形を序盤に教えるべきかなど、学校の教室では効果測定に年単位の時間がかかるところが、膨大な利用者数により1日で効果が測定できるため、毎日のように教材最適化を行うことが可能となっている[10]。
このデータ駆動型の手法の有効性は同社が委託した外部研究によって検討された。 ニューヨーク市立大学及びサウスカロライナ大学の教授らによって実施された研究にて、同サービスの34時間の利用は130時間以上の大学初年度の言語講座で得られる読み書き能力に匹敵すると推定された。 同研究では発話能力は測定しておらず、被験者の学生の大半は研究の2時間以内に脱落したことが判明した[11]。 同研究はまた、ロゼッタストーン (企業)の利用者は同量程度の学習に55〜60時間かかるということも発見した[12]。 ただし調査では、BBC[13]、 Book2[14]、またはBefore You Know Itなどの他の無料または安価な教材との比較は行っていない。
Duolingoは課金は無く、無料で語学学習ができる[15]が、希望者は課金をすることができ、広告無し、ライフの無限、その他特別な待遇が得られる。また宣伝のために広告に予算を費やすこともしない[16]。
収益は、企業よりクラウドソーシングにて得ている。そこでは学習の一環として上級者の利用者を翻訳活動(イマージョン)に招待し、コンテンツを翻訳させたり投票させたりし、そのコンテンツの翻訳を依頼した企業がDuolingoに翻訳料を支払う。これは、CEOのルイス・フォン・アンがDuolingoの前に立ち上げたプロジェクトReCAPTCHAにて、歪んだ文字でボットでないことを証明するのと同時に本のデジタル化を行った一石二鳥の手法と同様である[17][18]。
2013年10月14日にCNNとBuzzFeedの国際サイトの記事を翻訳する契約を締結したと発表した[19][20]。
2014年7月、新たなビジネスモデルとして語学検定試験「Duolingo Proficiency Exam」(現・Duolingo English Test)を開始[21](詳細はDuolingo English Test参照)。
Duolingoは、ゆっくりと公式に対応言語を追加していく代わりに、CEOのルイス・フォン・アンは2013年5月29日、コミュニティが新しい言語のコースを作成するために必要なツールを作成すると発表した。 これにより、より多くの言語が追加され、「我ら以外の特定の言語のエキスパート達や、その言語を導いていきたいという情熱を持つ人々に力を貸す」[22] 事を期待している。 その結果はインキュベーターと呼ばれる物となった。 公開されたのは2013年10月9日[23][24]。 それは現在広く話されている言語のコースを作成する支援に加え、より少数の人にしか使われていないラテン語、マヤ語、バスク語、エスペラント語などのマイナーな言語の維持の支援も目標としている[25]。
当機能を活用して初めてコミュニティが作成したロシア語話者向け英語コースのベータ版が、2013年12月19日に公開された[26] 。他にも、トルコ語話者向け英語コース、スペイン語話者向けフランス語コースなどがインキュベーターにより作られた。2015年1月現在、前述のエスペラント語コースは、英語話者向けに2015年3月に公開された[27]。
インキュベーターには3つのフェーズがある。両方の言語を流暢に話せるボランティアが数人集まり次第、フェーズ1が開始する。ある程度コースの準備が整うと、オープンベータ版として公開されるフェーズ2に移行する。最終的に、コースの質が安定するとベータ版を卒業し、フェーズ3となる。
Duolingoは語学検定試験「Duolingo Proficiency Exam」を実施するDuolingo Test Centerを2014年7月22日に公開した。パソコンやAndroid、iOSなどのスマートフォンから受験でき、試験監督がマイクとカメラを通じて不正がないかチェックを行う。受験料は20ドル、48時間以内に採点され、0〜10のスコアで判定された[28]。ピッツバーグ大学の研究によればTOEFL iBTとDuolingo Proficiency Examのスコアの間には強い相関が見られた[29][30]。回答に応じて出題内容が変化していくコンピュータ適応型テストのため、試験時間は約20分と比較的短時間で済む[29][31]。
米クラウドソース大手のoDeskはフリーランスの英語力証明のためにDuolingo Proficiency Examのスコアを公式採用[32][33]。またLinkedInではスコアをプロフィールに公式表示することが可能[28]。カーネギーメロン大学を筆頭に、米国の12大学がTOEFLなどに代わる受験資格としての採用を検討している[34][35]。
2014年12月、DuolingoテストセンターAndroid版アプリは、Googleにより「Google Play ベスト オブ 2014」を受賞した[36][37]。
2016年「Duolingo English Tests (DET、Duolingo英語検定)」に名称を変更。2019年には長文スピーキングとWritingに対応した4技能試験にアップデートされた。
新型コロナウイルスの流行によって多くの大学でその受け入れが始まった[38]。
世界中の4500を超える教育機関で認められ、ハーバード・ビジネス・スクール、ハーバード・メディカル・スクール、スタンフォード大学(学部入学)、マサチューセッツ工科大学(MIT)(学部入学)など名高い大学でも入学要件として認められている[39]。アイルランドでは学生ビザプログラムの一環としてこの試験を受け入れている[40]。 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、インペリアル・カレッジ・ロンドン、キングストン大学、サウサンプトン大学、ミドルセックス大学などの英国の大学でもDuolingoのテストが認められている[41]。
DETは完全にコンピューター上で行われ、インターネット接続があればどこからでも受験することが可能で、受験料は49米ドル、試験時間は60分、スコアは10点から160点の間で採点され、ほぼ全ての教育機関は120点以上で英語力があるとみなす。テストはAIを利用したコンピュータ適応型テストのため、試験と同時に受験者の能力レベルに合わせて問題の難易度が調整される。
Duolingoは学校教育の現場でも使用される例が増えてきている。具体的に、コスタリカやグアテマラでは政府主導で公立学校の英語教育にDuolingoを試験的に取り入れている[43]。
こうした流れを受け、2015年1月にDuolingoは、先生が生徒らの学習状況を把握できる「学校向けDuolingo」を公開した[44]。ダッシュボードでの分析機能により、先生は各生徒がどの単元を苦手としているかを細かく把握でき、そういった分析結果を学校の授業に反映させることで授業効果を高められるように設計されている[45] 。
Duolingoはピッツバーグで、カーネギーメロン大学の教授、ルイス・フォン・アン (ReCAPTCHAの創始者)と彼の大学院生であるセヴァリン・ハッカーによって研究プロジェクトとして開始した。その後Antono Navas、Vicki Cheung、Marcel Uekermann、Brendan Meeder、Hector Villafuerte、そしてJoe Fuentesも開発に参加した[1][46]。 このプロジェクトはもともとはルイス・フォン・アンのマッカーサー基金とアメリカ国立科学財団の補助金がスポンサーだった[47][48]。 大部分はプログラミング言語Pythonで書かれた[49]。
カーネギーメロン大学からのスピンアウト後、シリーズAの予算調達としてUnion Square Venturesと俳優のアシュトン・カッチャーのA-Grade Investmentsから資金提供を受けた[50][51]。その後もNEA、クライナー・パーキンス、グーグル・キャピタルなどのベンチャーキャピタルからシリーズB(1500万USドル)、シリーズC(2000万USドル)、シリーズD(4500万USドル)の資金調達を行った[16][52]。
2011年4月にTEDにて一般向けに構想が発表された[17]。
2011年11月30日にはウェブ版のプライベートベータを公開し、2012年6月19日には一般に公開された[53][54][55]。
2012年11月13日、DuolingoはiOSのアプリをApp Storeにリリースした[56][57]。
2013年5月29日、DuolingoはAndroidのアプリもリリースし、その最初の週で100万回以上ダウンロードされ、すぐにGoogle Playのストアでナンバー1のアプリとなった[58] 。
2013年12月、Appleにより教育アプリとしては初の年間iPhoneアプリ賞に選出された[55][59]。
2014年4月、日本語話者向け英語コースベータ版公開[60]。
2014年11月現在、Duolingoは38人のスタッフを擁し、カーネギーメロン大学近郊のShadysideにオフィスを構える[61][62]。社員の多くは元グーグル社員である[63]。
2024年10月、追加で数学と音楽が学べると発表した。また、音楽で使えるピアノを11月以降に先行予約で販売することとした。 [64]
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