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2001年放映のテレビアニメーション ウィキペディアから
『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』(コスミック バトン ガール コメットさん)は、2001年4月1日から2002年1月27日まで、テレビ大阪・テレビ東京系列で毎週日曜9:30 - 10:00(JST)に全43話が放送された、東宝・日本アニメディア制作のテレビアニメ。
Cosmic Baton Girl コメットさん☆ | |
---|---|
ジャンル | 魔法少女 |
アニメ | |
原案 | 国際放映 |
監督 | 神戸守 |
シリーズ構成 | 桶谷顕 |
脚本 | 桶谷顕 |
キャラクターデザイン | まきだかずあき |
音楽 | MOKA |
アニメーション制作 | 日本アニメーション |
製作 | テレビ大阪、読売広告社 東宝、日本アニメディア |
放送局 | テレビ大阪・テレビ東京系列 KBS・トゥーニバース |
放送期間 | 2001年4月1日 - 2002年1月27日 |
話数 | 全43話 |
コメットさん ラバボー 藤吉剛 藤吉寧々 メテオ ムーク 藤吉沙也加(ママ) 藤吉景太朗(パパ) 三島圭佑(ケースケ) ミラ ラバピョン ヒゲノシタ ハモニカ星国王様 柊美穂(スピカ) ハモニカ星国王妃、ナレーション |
前田亜季 川田妙子 間宮くるみ 松岡由貴 本多知恵子 永澤菜教 冨永みーな 山野井仁 浅野まゆみ 小林沙苗 あおきさやか 大竹宏 岩田安生 大場久美子 九重佑三子 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ |
ポータル | アニメ |
本作品は、昭和年間にTBS系列で2期にわたって放送されたテレビドラマ『コメットさん』を原案として制作されたもので、同作品の制作プロダクションである国際放映も原案としてクレジットされている[1]。またテレビドラマ版でコメットを演じた役者のうち、初代の九重佑三子はコメットの母(王妃)役、二代目の大場久美子がコメットの叔母役として出演しており、それぞれストーリーに関わる重要な役割を与えられ、作品に花を添えている[注 1]。番組開始に先駆け、2001年2月26日に東京都千代田区のダイヤモンドホテルで行われた制作発表会見には、九重・大場、そして本作品でのコメット役である前田亜季の3名の歴代コメットが揃って出席[2]。さらにタカラ・ショウワノート・NECインターチャネル他協賛による「コメットさん☆星の国キャンペーン」の特賞で、この3名の歴代コメットとの記念撮影会が用意された。
企画は東宝・タカラ双方による玩具先行でスタート。監督に神戸守、シリーズ構成・脚本に桶谷顕を起用し、この二人体制でまとめられていった。キャラクター設定は難産を極め、コンペで選ばれたまきだかずあきの初期案、それに中期案は当初比較的リアルな体型のデザインであったが、タカラサイドの反応は鈍く、逆にタカラより提示された案を踏まえた後期デザイン[注 2]より、立体化(ドール化)を意識してよりスマートな体型へとブラッシュアップ、さらにシューティングスターの意匠を付加した現在のデザインでまとめられた。
本作品では「輝き」がテーマとして掲げられている。このテーマには視聴対象である子供たちに「君たちのいる世界は、こんなにも素敵に満ち溢れている事に気付いて欲しい」という、制作サイドの願いが込められている[3]。また主人公であるコメットの故郷を「トライアングル星雲」にある3つの王国のひとつとして設定し、この世界を統べる星国の王子のお妃候補がコメットで、同じ星雲内にコメットと同じくお妃候補でライバルとなるメテオが存在するという構図を敷いた。逃げ出した王子を探すという明確な目的が与えられているものの、実際は地球に数多ある「輝き」を、13歳という多感な少女に感じ取らせることで、前述したテーマを浮かび上がらせている。この13歳という視点は、登場人物が幼い子供から老人まで幅広い年齢層がある中で、双方の視点で輝きを見いだせるちょうどよい視点として設定されたものである。演出においては、「子供向けTVマンガの枠ではなく、少女を主題に撮影する映画」を意識して演出がされている。作中で多用される「四角いアイリスアウト」も、こうした映画的表現を求めて行われた一つである。これは「黒一色のバックの中央にやや小さな正方形を空け、その中に風景を写しこむ」技法であり、登場人物の心象を描く場面などで使われている。この技法は神戸が以前手がけていた教育映画で行った手法であり、本作品では強調したいところで使うようにしたと、DVD-BOX2のブックレット内収録の神戸と岸川靖の対談の中で神戸が語っている。
丁寧な日常表現は反面、作品の魔法少女物としての派手さを抑えることになってしまう。そのため物語後半ではそれまでとは一転し、従者の「ラバボー」が「ラバピョン」と恋仲になることで発生した恋力による「ラブリンドレス」によるコメットの能力バージョンアップや、ケースケ、イマシュンらとの微妙な恋愛模様を作品に盛り込み、なにより前半おざなりだった「王子の行方探し」を本格化させるなどといった試みもなされたが、結果として放送10か月で終了となった。他方で、辛口のアニメ批評家として知られるあさりよしとおが、当時のアニメージュで「捨て回(話数合わせの話)が一話もない」と評し、DVDにもコメントを寄稿している他、番組終了直後の2002年2月に開催された「新世紀東京国際アニメフェア21」にて行われた人気投票部門において、『千と千尋の神隠し』『おジャ魔女どれみ』と並び人気作品賞を受賞するなど、本作品を高く評価する声も複数存在する。また、「本作品でコメットの魔法にバトンが使われたことがきっかけで、バトンに憧れる女児が増えた」と『毎日小学生新聞』で報じられる[4]など、本作品が現実社会に影響を与えた部分もある。
神奈川県鎌倉市がモチーフとなっており、電車や駅周辺は江ノ島電鉄を、藤吉家周辺は鎌倉市住宅街を、海岸は由比ヶ浜・稲村ヶ崎・七里ヶ浜をモデルとしたものである。
放送期間中は江ノ島電鉄の駅や街中にポスターやステッカーが貼られ、街をあげてのキャンペーンが行われた。2001年10月28日には「コメットさん☆」フェスが開催された。三代目コメットの着ぐるみが街を歩く、江ノ電鎌倉駅の一日駅長に初代コメットの九重佑三子と共に任命されるなどして盛り上がりを見せた[5]。
トライアングル星雲にある三つの星国(ほしくに)が集う、お披露目ダンスパーティから逃亡したタンバリン星国の王子を捜すため、ハモニカ星国の王女コメットとカスタネット星国の王女メテオは遙か彼方の星である地球に向かった。王子を探し出す手掛かりは、「瞳に輝きを持つ者」ということだけ。コメットは慣れない地球で初めて出会った藤吉家のお手伝いさんとして地球に居候し、王子を探すこととなる。しかし、実は王子探しは地球に行く口実で、過去に母や叔母も行ったという地球に自分も行ってみたかったというのが本音であった。
果たしてコメットが降り立った地球には、コメットがまだ知らなかったさまざまな輝きをもつ者に満ち溢れていた。それは、夢の世界が身近に存在する子供たち、夢や希望に向かって努力する若者たち、自らの夢を見つけ、夢や希望に向かう子供や若者を時には支え、時に厳しく鍛える大人たち、そして昔の夢を大切にしている老人たち、それぞれが放つ輝きだった。コメットはそんな者たちの悩みや願いを、星力を使って解決し、あるいは後押しする。コメット自身もまた、ライフガードを目指す三島佳佑(ケースケ)、ストリートミュージシャンからスターダムに駆けあがった今川瞬(イマシュン)との出会いを経て、夢を追う一人の少女としてときめき、悩む日々の中で輝きを放つ。
ライバルのメテオは、娘を亡くした老夫婦の娘として地球に潜伏して王子を探す。時にはコメットと協調してトラブルを解決することもあった。やがてメテオはイマシュンに熱を上げるようになる。
先輩の星使いでコメットの叔母の柊美穂(スピカ)との再会は、コメットに心から相談できる頼もしい存在としてひと時の安らぎを与えるものであった。その美穂の元従者のラバピョンとコメットの従者ラバボーは恋仲となり、それはコメットに「恋力」という新たな魔法力を与えることとなった。しかしこの恋力は、二匹の愛の影響だけではなかった。
タンバリン星国から王子を捜索しに来たミラ・カロン姉弟らが加わり、王子探しはいよいよ本格化するが、秋にオーストラリアへライフガードの修行に旅立ったケースケが、年を明けたころに日本に戻ってくる。しかしケースケはどうにも腑抜けており、以前の輝きがない。コメットはそんなケースケを励まそうとするが、美穂のアドバイスもあり、彼が実はタンバリン星国の王子「プラネット」であり、ケースケとすり替わっていることに気付く。王子は「自分はトライアングル星雲の未来を一方的に託されることがいやで、地球に逃げてきた」こと、「コメットやメテオは地球で輝きを見つけたが、自分は見つけ出せていない」ことを、男装して解りあおうとしたコメットに打ち明ける。しかし、プラネットの侍従長ヘンゲリーノから「王子の輝きは、二人の姫のどちらかによって得られるもの。御帰還を」と進言され、またコメットの頼みもあり、帰還を拒んでいた王子は自星に戻る。
これによりコメットもメテオも目的が果たされたため、各々の星へ帰らねばならなくなる。メテオは老夫婦が寂しくないようにとビデオクリップを作って帰り支度を整え、コメットは地球から離れたくない思いにかられながらも、星の子たちが自分の帰りを待っていることを知り帰る決心をする。その帰還途中、王子よりお妃候補決定の連絡が届くが、王子はどちらも選べず、王女二人に選択を託す。しかし王女たちも選択できるわけもなく、事は振り出しに戻る。その後、王子が「今度は自分だけの輝きを見つける」と再び地球に行ったと聞かされ、王女二人も地球に向かう。
新たな輝きを求め、星の子たちの力を得て、星の導きで再び地球を訪れたコメット。彼女が最初に訪れたのは、コメットが一番会いたかった人、ケースケの元だった。
「トライアングル星雲」自体の詳細は#用語解説を参照のこと。
おおらかで包み込むような、博愛的国民性を持つ。星力の色はピンク。
厳格で力強い国民性を持つ。星力は緑色。
歴史を重んじ、繊細で傷つきやすい国民性を持つ。星力は黄色。
コメットの地球での居候先。コメットが地球に来た当初、当てもなくさまよっていたところに救いの手を差し伸べる。
メテオの地球での里親。老夫婦二人暮らしで、かなりの資産家。そもそもはメテオが第2話で星力を使って、強引に二人の娘になりすましていた。二人は若いころ、ちょうどメテオと同じくらいの歳のメテオそっくりの娘・美沙子を失っており、メテオを「美沙子が名前を変えて帰ってきた」ものとして受け入れ、二度と失うまいと大切に育てている。つまり、メテオと風岡家との関係は、偶然ではなく星の子の導きによる必然のものである。第17話でメテオはこの事を知り、本当の娘のように愛してくれる風岡夫妻の気持ちに応える。これ以降、わがまま放題であったメテオは肩の力が抜け、少しだけ素直になる。
コメットらトライアングル星雲の住人は、「星力」と呼ばれる一種の魔法を使用するが、これは当人が持つ力だけでなく、星の子らにお願いして分けてもらう力でもある。これの使用について、コメットを例に使用プロセスを紹介する。また、コメットらが使うアイテムも本節で合わせて紹介する。
メテオは、「星の子たち、力を貸しなさいったら貸しなさい!」と唱える。
資料によって「ティンクル」/「トゥインクル」といった表記のぶれがあるが、本節では「トゥインクル」に統一する。
以下は大物のアイテム。
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 星の輝きを持つ者 | 神戸守 | 小丸敏之 | 2001年 4月1日 | |
2 | 新しい家 | 川崎逸朗 | 佐土原武之 | 丹羽恭利 | 4月8日 |
3 | 星のトンネル | 福島一三 | 西田健一 | 中島美子 | 4月15日 |
4 | わくわく動物園 | 佐藤卓哉 | 中村憲由 | 長森佳容 | 4月22日 |
5 | ゆっくり王国づくり | 森本正木 | 高島大輔 | 工藤柾輝 | 4月29日 |
6 | お店に置くもの | 佐土原武之 | 小丸敏之 | 5月6日 | |
7 | キラキラにすむ妖精 | 西田健一 | 中島美子 | 5月13日 | |
8 | 素敵なドレスづくり | 川崎逸朗 | 福島利規 | 丹羽恭利 | 5月20日 |
9 | 雲のゆりかご | 佐藤卓哉 | 中村憲由 | 長森佳容 | 5月27日 |
10 | はじめての好き | 青山弘 | 高島大輔 | 工藤柾輝 | 6月3日 |
11 | バトンの力 | 福島利規 | 佐土原武之 | 小丸敏之 | 6月10日 |
12 | ラバボーゆうかい事件 | 西田健一 | 中島美子 宍戸久美子 | 6月17日 | |
13 | ヌイビトたちの夜 | 寺東克己 | 中村憲由 | 長森佳容 槇田一章 | 6月24日 |
14 | 星国の七夕伝説 | 大田垣洋 | 福島利規 | 丹羽恭利 | 7月1日 |
15 | カゲビトの挑戦 | 森本正木 | 高島大輔 | 工藤柾輝 | 7月8日 |
16 | 竜宮城を探そう | 佐土原武之 | 小丸敏之 | 7月15日 | |
17 | メテオさんの涙 | 福島一三 | 西田健一 | 中島美子 宍戸久美子 | 7月22日 |
18 | 戦うロボ | 小高義規 | 福島利規 | 丹羽恭利 | 7月29日 |
19 | もう一人のコメット | 中村憲由 | 長森佳容 | 8月5日 | |
20 | ラバピョンのキス | 森本正木 | 高島大輔 | 工藤柾輝 | 8月12日 |
21 | ミラクル恋力 | 佐藤卓哉 | 佐土原武之 | 小丸敏之 | 8月19日 |
22 | ゼツボーのラバボー | 西田健一 | 中島美子 宍戸久美子 | 8月26日 | |
23 | ヒゲノシタの輝き | 福島利規 | 丹羽恭利 | 9月2日 | |
24 | タンバリン星国の姉弟 | 中村憲由 | 長森佳容 槇田一章 | 9月9日 | |
25 | 学校の輝き | 森本正木 | 高島大輔 | 工藤柾輝 | 9月16日 |
26 | 星力をください | 佐土原武之 | 小丸敏之 | 9月23日 | |
27 | ケースケの夢の実 | 西田健一 | 中島美子 宍戸久美子 | 9月30日 | |
28 | お手伝いできること | 福島利規 | 丹羽恭利 | 10月7日 | |
29 | カスタネット星国の嵐 | 中村憲由 | 長森佳容 まきだかずあき | 10月14日 | |
30 | 星力で粘土あそび | 森本正木 | 高島大輔 | 工藤柾輝 | 10月21日 |
31 | マネビトさんがいっぱい | 小高義規 | 佐土原武之 | 小丸敏之 | 10月28日 |
32 | ノコシタオバケがやってくる | 西田健一 | 中島美子 | 11月4日 | |
33 | 時には王女のように | 福島利規 | 丹羽恭利 | 11月11日 | |
34 | 星の絆 | 中村憲由 | 長森佳容 | 11月18日 | |
35 | 雪のダンス | 森本正木 | 高島大輔 | 工藤柾輝 | 11月25日 |
36 | みんなの王子様 | 佐土原武之 | 小丸敏之 | 12月2日 | |
37 | いたずらキューピト | 西田健一 | 中島美子 | 12月9日 | |
38 | キモチの遭難 | 福島利規 | 丹羽恭利 | 12月16日 | |
39 | サンタビトになりたい | 中村憲由 | 槇田一章 島崎知美 小林一三 | 12月23日 | |
40 | 輝きをなくしたケースケ | 森本正木 | 高島大輔 | 工藤柾輝 | 2002年 1月6日 |
41 | タンバリン星国の誰かさん | 西田健一 | 中島美子 | 1月13日 | |
42 | さよならの仕方 | 佐土原武之 | 小丸敏之 | 1月20日 | |
43 | 瞳に映る輝き | 神戸守 | まきだかずあき | 1月27日 |
奈良テレビ、アニメシアターX以外の出典は2001年7月中旬 - 8月上旬時点のものとする[8]。
「星の子ネットラジオ」というタイトルの、ファン独自の企画立案によるインターネット放送。制作スタッフ公認。音楽著作権などをすべてクリアした上で大々的に放送が行われた。著作権者やJASRAC公認の個人運営によるインターネットラジオストリーミング放送は、日本でも初のケースであったという。
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